「シロアリが発生するのは木造建築の家だけだろう…」と思っている人がかなり多いです。
実際私も以前はそのように思っていました。
ですが実はシロアリには目がなく、柔らかい木材を好むものの
そこに辿りつくまでは目の前にある硬いものに沿って蟻道(ぎどう)を伸ばしていくため
コンクリートや軽量鉄骨であっても被害にあってしまうんですね。
鉄骨だからといってシロアリ被害の可能性を全く考えておらず
気づいたら建物が傾いていた、なんてこともあるのです。
シロアリの被害は木造建築だけじゃない!
シロアリは木造建築で発生するものだ、という認識の人が多いと思いますが
コンクリートや鉄骨でも食べてしまう雑食です。
また、軽量鉄骨であっても建物全てが鉄骨で作られている、というわけではなく
- 板
- 間仕切りの壁
- 根太
- 建具
といった部分には木材が使用されていたりするんですね。
もちろん軽量鉄骨よりも木造建築の方がシロアリの被害は出やすいですが
軽量鉄骨だからシロアリの被害には遭わないというのは間違いなんですね。
軽量鉄骨も木材が使われている部分もあるし、鉄骨自体もシロアリに食べられてしまうことがある、ということなのです。
ちなみに重量鉄骨であっても、木材が使用されている箇所はありますので
こちらも同様に、シロアリ被害の可能性はゼロではありません。
シロアリの被害総額は年間で1000億円とも言われており、
地震・台風・火災に次ぐ第4の災害とも言われているんです。
シロアリが発生しやすい場所
シロアリの被害が発生しやすい場所として以下のような場所が挙げられます。
- 床下
- 水回り
- 屋根裏
- 柱内
- 断熱材
シロアリは雑食なので、断熱材やケーブルなども食べてしまいます。
上記に挙げたような
- 紫外線があまり届かない暗い場所
- 水気のあるジメジメした場所
- 黒アリがあまり生息していない場所
に発生しやすくなっています。
黒アリはシロアリにとっては天敵となるので、
黒アリが通ることができないコンクリートに囲まれている場所にシロアリが発生しやすくなります。
このためシロアリは家の中で繁殖する傾向にあるんですね。
お家の中で上記に該当する箇所はなるべく風通しをよくしておき、
こまめに換気を行うようにしましょう。
また、床下や水周りなどの湿気がたまりやすい場所には
ホームセンターなどで販売されている調湿シートなどを活用して湿度の調整を行うようにしましょう。
よりシロアリが発生しやすいと思われる場所には予防効果の高い薬剤などをあらかじめ散布しておくのも効果的です。
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シロアリを放置すると起こりうる被害
莫大な修繕費用がかかる
中には「軽量鉄骨だから」という理由でシロアリの被害にあう可能性を考えることすらできず、
シロアリの被害に気づかないままお家を侵食されてしまう被害もあります。
そうすることで、家が傾いてしまったり、まっすぐ立っていなくてはいけないはずの柱が曲がってしまったりして
最終的には建て直しをしなくてはいけないレベルにまでなってしまうこともあるんですね。
そこまで行くのは稀なことではありますが、
シロアリの場合建物の柱や土台、梁といった建物を構成する上で重要な役割を果たしている部分を食い荒らされてしまうので
修繕をするのに数百万円かかる、なんてことも有り得るのです。
耐震性が低くなる
柱や梁といった建物の要とも言える部分をシロアリに侵食されてしまうことによって
家が傾いていけば、必然的に耐震性も低くなっていってしまいます。
特に日本は地震大国ですし、こういったところは気をつけていかなくてはいけません。
地震が起きた時に建物が倒壊してしまうリスクもあります。
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資産価値が下がる
家が傾いてしまったり、耐震性が低くなってしまえば
当たり前ですが資産価値が下がってしまう可能性が高いです。
こうなってくると、売りたいと思ったタイミングでなかなか売ることもできなくなってしまいますので
不動産投資をする上ではかなりのリスクになりますね。
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ご近所トラブルになる
シロアリは群れの1〜3%ほどが羽アリとして出てきます。
これがご近所トラブルの原因になってしまうこともあります。
当該物件だけでなく、回りの物件にも迷惑をかけてしまうことがありますから注意が必要です。
シロアリ対策
軽量鉄骨どころか重量鉄骨でも起こりうるシロアリ被害。
木造ではないから大丈夫だろう、とたかを括らずに、
なるべくこまめに定期検診を行うことをおすすめします。
無料診断などを行っている業者もありますし、
水回りなども合わせて点検を行うと良いでしょう。
放置しておくことが一番のリスクになりますので、シロアリかな?と少しでも思ったら点検することをおすすめします。