不動産投資の基礎知識

施設賠償責任保険は駐車場経営をする場合必要な保険。

駐車場経営を新しく始める場合、どのような保険があるのかということも事前に調べておくものですよね。

 

駐車場というのは道路交通法が適用される空間ではありませんので、駐車場内で起きた事故に関しても道路交通法の枠外ということになります。

 

ほとんどの場合が駐車場内で起きた事故に関しては当事者同士の責任ということになり、駐車場管理者に責任は及びません。

 

また駐車場を経営するにあたって必ず保険に加入しなくてはいけないというわけでもありません。

 

ですが駐車場経営というものにリスクはつきもので、保険に入っておくと、いざという時に役に立つものです。

その中でも今回は施設賠償責任保険についてお話ししていきたいと思います。

 

施設賠償責任保険とは

 

施設賠償責任保険というのは駐車場経営や自動車などを対象としている保険ではなく施設を対象としている保険です。

駐車場の場合はその駐車場施設を対象としているということになります。

 

所有している施設に不備などがあったせいで怒ってしまった事故などに対して補償金が出る保険となっており、

例えば駐車場の看板などが落ちてしまって駐車場を利用している人が怪我をしてしまった場合などに保険が適用されます。

 

駐車場だけに限らず所有する施設において事業を行っている人はこの施設賠償責任保険に加入していることが多いです。

 

アパート経営などでも施設賠償責任保険に加入しているオーナーも多くいます。

駐車場の場合は常駐する管理者がいてもいなくてもこの施設賠償責任保険に加入することができます。

関連記事:駐車場経営を始めるのに必要な資格や届出はあるのか?

 

施設賠償責任保険が適用される駐車場トラブル

 

駐車場で起こりうるトラブルの中でも施設賠償責任保険で補償することができるトラブルについて例を見ていきましょう。

 

施設賠償責任保険では対象となる施設の設備不備や欠陥が原因で人に怪我をさせてしまった場合(対人事故)や他人の物を壊してしまった場合(対物事故)に

施設の所有者であるオーナーが賠償責任を問われた際、保険を適用させることができます。

 

また施設内での業務遂行に起因する対人事故や対物事故にも保険を適用させることができます。

事故例

  • 施設の壁が倒壊し、通行人や駐車場利用者に怪我を負わせてしまった
  • 施設内で積もった雪が屋根から落ちてきたことによって、駐車場利用者の車が壊れてしまった
  • 台風や強風で看板が吹き飛び駐車してある自動車にぶつかった
  • メンテナンス中に業者が誤って駐車場のエレベーターボタンを押してしまったため、車と台座に人が挟まれ亡くなってしまった

このような事故も全て施設賠償責任保険によって補償することができます。

 

施設賠償責任保険を含めた賠償責任保険に関しては保険会社による示談交渉サービスがありませんので

実際にこのような事故が発生してしまった場合は直接被害者とコンタクトを取るのは被保険者(駐車場経営の場合は駐車場経営者)となります。

 

複雑な案件の場合は弁護士に依頼をした方が良いでしょう。

関連記事:駐車場経営を土地がないところから検討してる人へ、知っておきたい知識

 

施設賠償責任保険以外の賠償責任保険

 

駐車場経営を行う場合は施設賠償責任保険以外にも加入を検討するべき賠償責任保険があります。

 

自動車管理者賠償責任保険

 

自動車管理者賠償責任保険は、 保管施設(この場合駐車場施設)において、他人の自動車を管理中に生じた事故(損壊、紛失、盗取、詐取) 、

一時的に保管施設外で他人の自動車を管理している間に生じた事故について、

被保険者が損害賠償責任を問われたときに適用させることができる保険です。

 

  • 駐車場内に駐車してある車を移動させる際に、車をぶつけてしまった
  • 自動車を駐車場内で保管している最中に紛失してしまった

というようなトラブルの際にこの保険で補償をすることができます。

 

ただしこの保険は常駐の管理人がいない時間貸駐車場や月極駐車場のような場所貸し駐車場は加入することができませんので注意が必要です。

 

機械賠償責任保険

 

機械保険は、予想のつかない突発的な事故により駐車場において稼働可能な状態にある各種機械設備・装置に生じた損害に対して補償がきく保険です。

 

例えば

  • 誤操作
  • 材質や設計・製造上の欠陥
  • 他物の落下・衝突

といった事故による損害があった場合通常通り駐車場を運営できるようになるまで復旧にかかる費用などを補償してもらえます。

関連記事:駐車場経営で赤字になることってあるの?という疑問を現役投資家が解説してみる。

 

駐車場は出入りも多く、そのぶん多くの人が関わるのでトラブルも起こり安い経営になります。

 

この保険に加入しなければいけないというような必須事項があるわけではありませんし、駐車場の形態にもよりますが

駐車場経営を始めるにあたってどこかに届出が必要というわけでもありません。

 

しかしトラブルが多いからこそあらかじめ入っておいた方がいい保険というのはしっかりと調べた上で、心配なようなのであれば加入しておくべきだと言えます。

 

特に車に関しては高額な賠償金を請求される場合もありますので注意が必要です。

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