不動産投資をしていると必ずリフォームのことを考えなくてはいけないですよね。
中でも、スケルトンリフォームとは床、壁、天井など全てを取り払って、躯体のみで間取り自体からリフォームする大掛かりなリフォームのことを指します。
今回はこのスケルトンリフォームについて、解説してみたいと思います。
スケルトンリフォームとフルリフォーム
スケルトンリフォームとフルリフォームはよく混同されがちですが、厳密には違う意味を指します。
フルリフォームはリフォーム会社によって工事の内容が変わりますが、スケルトンリフォームに比べると広範囲のリフォームを指すものです。
そのため、スケルトンリフォームはフルリフォームの一種、という認識で良いと思います。
ちなみにフルリフォームとフルリノベーションは同じ意味で使われることが多い言葉です。
スケルトンリフォームのスケルトンは「骨組み」という意味で、
家の構造部分を残した上での大規模リフォームです。
構造部分は残したままですが、水回りの移動や間取りの変更なども行うことができます。
スケルトンリフォームの際に人気の間取りにしてみる、需要のあるものに変える、といったこともできるわけですね。
関連記事：不動産投資ではどんな間取りが人気なの？
スケルトンリフォームはどんな工事をするのか？
通常不動産投資の場合は、例えばお風呂が古すぎる場合に浴槽だけを交換するだとか、洗面台を新しいものに交換する、といった部分リフォームを行うことが多いと思います。
ですがスケルトンリフォームの場合は、全てを一新する形になり、
- 天井の壁紙
- 照明器具
- 壁たみ
- 3点ユニット
- キッチン周り
- クッションフロア
などなど、全てを行うことになります。
これだけの内容だと工期も結構かかりますね。
床材も全て一度剥がしてみて、コンクリートが剥き出しの状態までにします。
スケルトンリフォームのメリットとデメリット
メリットとしてはやはり見映えが良くなって客付けがしやすくなる、というところでしょう。
内見をしてもらった時に決まりやすくなる、というのはあると思います。
また、水回りの位置も移動できるので、どうしても間取りのせいで入居付けが難しくなっているような物件はスケルトンリフォームを行うことで改善できるでしょう。
ただしリフォーム代はものすごく高く、ワンルームであってあもキッチンと3点ユニットの交換だけで100万円以上は絶対にかかってくると思います。
工期も長く2ヶ月〜4ヶ月ほどが一般的で、時期によってはそれ以上になることもあるでしょう。
繁忙期を逃すと一年空室が続いてしまう可能性が高い学生向け物件などはかなり怖いですね。
さらに、スケルトンにすることによって、床材を剥がしたらアスベストが出た、なんてこともあります。
これによって余計に費用がかかることがあるんですね。
築年数にもよりますが、こればかりは剥がしてみないとわからないこともあり、なかなか難しいところです。
関連記事：在来工法の浴室ってどんなもの？リフォームにはどれくらいお金がかかる？
スケルトンリフォームの費用相場
どのような物件なのかによってスケルトンリフォームの費用相場も変わってきますが、おおむね以下のような費用相場になると思います。
- 区分マンションの場合…250万円〜1000万円
- 戸建ての場合…400万円〜2500万円
特にキッチン、お風呂の水回りがやはり高くなる傾向にありますね。
投資物件でスケルトンリフォームをする場合は、それらのリフォーム費用を含めた上で利回りの計算をし直した方が良いでしょう。
さらに、リフォームをすることでどれくらい家賃設定を上げられるか、ということも考えた方が良いと思います。
関連記事：家賃設定をする時にオーナーが考えること
スケルトンリフォームを個人的にはあまりやりたくない理由
個人的にはスケルトンリフォームまでの大規模なリフォームはあまりやりたくないと思っています。
むしろスケルトンリフォームが必要になってくるような物件は買わず、部分リフォームで十分回せそうな物件を購入するようにしていますね。
その理由を紹介します。
部分リフォームで充分見映えは変わる
こちらは私の所有している築古アパートの一室ですが、築年数が古く、畳も年季の入ったものになっているものの、
壁紙を変えるだけでかなり印象が変わったお部屋です。
クロスの交換だけで印象がガラッと変わりますので、キッチン・お風呂に関しては交換をしなくても、競合となる近場の同じくらいの築年数の物件に勝てる物件になりました。
もちろんお風呂もキッチンも新しい方がいいですが、
エリアによってはそれをしなくても決まるエリアもあります。
競合物件と比べた時に、少しの工夫で勝てそう、と思える物件を購入するようにした方が、手間もかからなくて良いのではないかなと思うんですよね。
関連記事：超築古戸建て、どんなところが問題？DIYでなんとかなる？
家賃をそこまで上げられるわけではない
スケルトンリフォームが必要なほどの築年数のお部屋というのは、結局家賃が落ちきっていますし、
大規模なリフォームをしても、数万円単位で家賃をあげることができるわけではありません。
結局築年数と相場を考えて家賃を設定していくので、頑張ってリフォームしてもなかなか回収ができない、というのが悲しいところです。
それであれば、今あるものを活かして、部分リフォームでおしゃれに見せていく、という方向でもよいのではないかなと思ってしまいます。
中古区分を部分リフォームで仕上げた事例も記事にしておりますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。
