収益物件を選ぶ基準として利回りというものがあります。
不動産投資を行う場合はよく聞く言葉でしょう。
今回は不動産初心者の方のためにこの利回りの考え方について解説していきたいと思います。
利回りとは
利回りの単位は%(パーセント)で、
【年間家賃収入÷物件の購入価格×100】で導き出すことができます。
例えば年間家賃収入が120万円で、物件購入価格が6000万円の場合、利回りは
120÷6000×100、となり、利回り20%となります。
利回りが100%の時は、一年で購入価格を家賃収入で回収することができるという計算になります。
つまり利回りが20%であれば5年で回収することができる物件だということです。
一般的に利回りというのは満室想定時で計算されますので、正確な算出は難しく、あくまで目安という形になります。
いろいろなサイトに物件購入価格と家賃収入額が書いてあると思うので利回りの計算をしてみて、この計算がすぐできるようになるように慣れておくと良いでしょう。
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表面利回りと実質利回り
先ほどお話しした利回りは一般的に表面利回りと呼ばれるもので、条件が一番良かった時の利回りになります。
家賃収入の想定は満室想定時であり、ここに修繕費や維持費などは含まれていません。
そのため実質利回りという言葉があり、より正確に利回りを算出するためにこの実質利回りが使われます。
実質利回りは、
【(年間家賃収入ー諸経費)÷(物件購入価格+購入時の諸経費)×100】
で導き出すことができます。
実質利回りを計算する場合は固定資産税は管理費、保険料、修繕費用など諸々の経費を計算してより具体的な利回りを出していきます。
不動産ポータルサイトなどに掲載されている利回りはほとんどが表面利回りなので、この実質利回りは自分で計算しなくてはいけません。
つまり表面利回りだけを信じて物件を買ってはいけないということです。
いくら表面利回りが高いと思いで購入してすぐに大規模修繕が必要になるような中古物件であれば、購入当初に想定していた利回りから、実質的な収益が大きく外れてしまうでしょう。
中古物件を購入する場合はどのような修繕履歴があるのか、これからどのような修繕が必要だと想定されるかなど
利回り以外の要因もきちんと把握した方が良いです。
中古物件には現況ががある
中古物件の場合は現況賃料収入というものがあります。
今どれくらい入居者が入っていて、どれくらい収入を得られいているのか、というのが現況賃料収入です。
表面利回りは満室時の想定利回りとなっているので、現況賃料収入が載っている場合はそちらでも利回りを計算してみましょう。
また、キャッシュフローを計算して、何室空室になったら月々の収支がマイナスになってしまうのか、ということも計算すると良いと思います。
利回りの相場
利回りの相場は都心だと5%前後が平均となります。
5%前後になってくると物件購入価格を回収するために20年はかかる想定です。
都心の場合は人口も多く物件に需要があるため、地方物件よりは安定した入居率を確保することができると思いますが
どうしても利益率が低くなってしまいます。
物件購入価格を回収した上で、さらに物件をそれなりの価格で売却することができればいいのですが
そのエリアの20年以上先の賃貸需要を予測することはなかなか難しいことです。
それに対し地方の物件であれば今でも利回りが20%や30%を超える物件が見つかることがあります。
エリアによって利回りの相場はかなり変わってくるので、最初からあまり絞りきらずに色々なエリアも収益物件を見てみると良いかと思います。
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収益物件を見定める利回り以外の要素
利回りというのはあくまで物件を探す上での一つの指標だと思っておいてください。
最初は利回りが高い物件で探してみて、いくつか物件のあたりをつけたら、実質利回りなどを計算してみると良いでしょう。
それ以外にも収益物件を見定める要素として安定した賃貸需要を見込める地域かどうか、という点をが挙げられます。
- 駅から近いか
- アクセスがいいか
- 企業や学校が近くにあるか
- コンビニやスーパーなど、生活する上で必要なものを買うことができる場所が近くにあるか
- 複数の路線を使うことができる最寄り駅かどうか
といったことです。
こういった土地は価値が下がりにくい土地で、長期的に賃貸需要が見込める土地だと言えるでしょう。
複数の要素を持っている物件の方がおすすめで、学校や企業は廃校になったり潰れてしまったりすることもあるので
一つの要素に頼りすぎている収益物件はおすすめできません。
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