売買知識

修繕積立金の目安は?不動産購入時にしっかりチェックしておきたいこと

不動産の購入を検討している時に、区分マンションであれば必ず修繕積立金の確認をします。

きちんと修繕積立金が積み立てられているか、ということはとても重要です。

それが積み立てられていないということは、共有部を将来的に修繕できなくなる可能性があるということであり、それが続けばいずれその建物は廃墟となるでしょう。

「修繕積立金なし」という物件は、余計なお金がかからなくて一見良さげに見えますが、

ものすごくリスクが高く、危険な物件だと言えます。

修繕積立金なし!という物件は超ハイリスクです 区分マンションへ投資をする時に絶対にチェックしなくてはいけないのが修繕積立金です。 それなりに戸数があるのに数十万円程度しか修繕...

ところが国土交通省の「マンション総合調査」によると、現在の修繕積立金が修繕計画に対して余裕がある状態のマンションの割合は33.8%とのことでした。

つまり6割以上のマンションが、修繕計画に比べて修繕積立金が不足している状態にあるということです。

区分所有の場合は自分の一存で動かすことができませんので、修繕積立金がしっかりと積み立てられていないのは困りますよね。

では修繕積立金はいくらくらいが目安なのでしょうか?

修繕積立金の一般的な目安

国土交通省が発表している「マンション修繕積立金に関するガイドライン」に算出式が記載されています。(米印部分は表から対応する数値を入れて計算してみてください)

専有床面積当たりの修繕積立金の額(※1)×マンションの専有床面積(㎡)+機械式駐車場の修繕工事費(※2)×駐車場数÷住戸数

※1専有床面積当たりの修繕積立金の額

【15階未満】

建築延床面積修繕積立金の額
5000㎡未満
5000〜10000㎡202円/㎡・月
10000㎡以上178円/㎡・月

【20階以上】

206円/㎡・月

※機械式駐車場の修繕工事費

機械式駐車場の機種機械式駐車場の修繕工事費用
(1台当たり月額)
2段(ピット1段)昇降式7085円/台・月
3段(ピット2段)昇降式6040円/台・月
3段(ピット1段)昇降横行式8540円/台・月
4段(ピット2段)昇降横行式1万4165円/台・月

これに当てはめて計算すればある程度具体的な数字を出すことができますが、少し面倒ですよね。

その場合は200円/㎡・月に専有面積を掛ける形で大丈夫です。

また機械式駐車場の修繕工事費は9000円/月とし、

9000円×機械式駐車場数÷住戸数

によって目安を求めることができます。

また、国土交通省のマンション総合調査では戸数ごとの修繕積立金の相場も掲載されています。

  • 31〜51戸…1万2952円
  • 51〜75戸…1万0581円
  • 76〜100戸…1万1535円
  • 101〜150戸…1万0775円
  • 151〜200戸…1万2698円
  • 201〜300戸…1万2883円
  • 301〜500戸…1万4496円
  • 501戸以上…1万3719円

ある程度戸数が増えてくると修繕費も上がっていくような結果になっていますね。

関連記事:【実録】本当にあった不動産投資珍事件・修繕時の費用を紹介

賃貸オーナーは修繕積立金を負担する必要がある

区分マンションを購入してそれを賃貸物件として貸しに出す場合でも、そのお部屋の所有者はオーナーになりますので、修繕積立金を負担するのもオーナーです。

区分の物件を購入する時は、購入金額だけではなく、修繕積立金や管理費などがいくらかかってくるのか、ということをしっかり確認し、それを踏まえた上で利回りの計算をするようにしましょう。

そしてそれらを加味した家賃設定をしなくてはいけないですね。

区分所有とはいえ、共有部あってこその不動産です。

共有部の管理が行き届いていないと、どうしても物件そのものの印象がとても悪くなってしまいます。

修繕積立金のこともしっかり確認して物件を検討しなくてはなりません。

関連記事:マンションの大規模修繕ってどんな内容でいくらくらいかかるの?

マンションの管理組合、どうするべき?

マンションの管理組合は所有者で構成されるものですので、どうしても関わる必要が出てきます。

管理組合がきちんと機能していないと思われるケースで、賃貸オーナー自らが管理組合の理事をされる、なんていう話も聞きます。

ただ私としては、それは余計な手間を増やすことになるので、

できれば自分は動かず、しっかりと管理組合が機能している物件を選んで買う、という方が効率が良いように思います。

複数の物件を所有するのであれば、こういった業務はなるべく増やさないようにしたいところです。

関連記事:投資用マンションの管理組合ってどうしたらいいの?

物件購入時には修繕履歴もしっかり確認しよう

物件を購入する時は修繕積立金とともに、修繕履歴も確認するようにしましょう。

いつ屋根や外壁の修繕をしたのか、ということがわかれば、次にいつ大規模修繕をしなきゃいけないのか、という目安が見えてきます。

目安としては前回の大規模修繕から15年前後、といったところじゃないでしょうか。

私が直近で購入した区分マンションは、

最近エレベーターを交換したばかりのところだったのと、共有部がかなり綺麗になっていたのが好印象でした。(ちなみにこの物件は相場よりも安く購入でき、とても嬉しかったです。)

資料に修繕履歴がない場合は、不動産業者に依頼すれば資料を取り寄せてくれると思いますので、きちんと打診するようにしましょう。

関連記事:区分マンションとは?投資を始める時に知っておきたい基礎知識

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