売買知識

テナントリテンションとは?長期満室のための重要なポイント

不動産投資をする上で大切なのが、なるべく空室を作らない、ということでしょう。

ここで大切になってくるのが「入居付け」ですが、それと同じくらい大切なのが、「既に入居してくれている人を退去させない」ということです。

お金を増やすのに「稼ぐ」ことと同じくらい「無駄な支出を増やさない」ということが大切なように、

不動産投資においても、マイナスを抑える、ということが大切です。

今回は長期満室のために必要な考え方とその方法について解説してみたいと思います。

テナントリテンションとは

不動産業界では、今すでにご契約いただいている入居者さんの満足度をあげて退去をさせない対策のことをテナントリテンションと言います。

テナント[tenant](入居者)+リテンション[retention](保持)という意味の言葉ですね。

この用語自体はあまり使われないと思いますので覚える必要はありませんが、すでに入居してくださっている入居者さんのケアというのは、いつもオーナーが考え続けるべきことです。

管理会社にお願いしていると管理の方から連絡がきますが、退去連絡はいつだって嬉しくないものですよね。

管理会社の方も連絡しづらいだろうな、と感じます。

関連記事:客付け力のある不動産管理会社ってどんな会社?

空室における損失を改めて考えてみる

一つの部屋が空室になることでどれくらいの損失があるのか、ということを改めて考えてみましょう。

例えば、家賃4万円のアパートの一室が空室になったとします。

空室期間が6ヶ月だと仮定すると、その場合は、以下のような損失が想定されます。

  • 原状回復10万円前後
  • 空室の間の損失:4万円の6ヶ月分で24万円
  • 広告費(AD):4万円(あるいは2ヶ月分で8万円)

これだけで計算してみても40万円前後はかかることがわかります。

1部屋退去があるということは、これだけの損失があるのだ、ということが具体的にわかるかと思います。

入居付けを頑張ることも大切なのですが、退去させない、ということがいかに大切か、ということがよくわかりますよね。

関連記事:オーナー側のアパートの原状回復費用、何にどれくらいかかる?

テナントリテンションの手法

それでは具体的に、現在入居していただいている入居者さまのケアとして、どのようなやり方があるのか、ということを解説してみたいと思います。

入居者アンケートの実施

入居者に対して簡単なアンケート調査を行う、というのはテナントリテンションにおいてすぐにできる施作です。

  • 入居理由
  • 住み心地
  • 清掃状況への満足度
  • 管理会社スタッフの対応に対する満足度
  • 貸与予定はあるか

といった質問を、なるべく答えやすいように選択式にしておき実施してみると良いでしょう。

アンケートはどうしても答えるのに時間と作業がかかりますので、もし力を入れたい物件なのであれば、アンケートに答えてくれた方に少額のQUOカードやAmazonギフト券などのプレゼントがあっても良いかと思います。

もちろん、アンケートは実施するだけではなく、そのフィードバックを迅速に行うことも大切です。

不満がある入居者への対応は、例えば「そこまではちょっとできないな…」という内容だったとしても、妥協点を探してなるべく対応することが大事で、

それは入居者に「言えば何かしらしてくれるオーナーなんだ」と思ってもらえるからなんですね。

中にはクレーマー気質な入居者さんもいますから、なんでもかんでも言うことを聞く必要はないですが、有意義だと思える意見に対しては何かしらこちらからもリアクションするようにすると良いでしょう。

更新のタイミングでプレゼント

更新料のかかる地域での不動産投資では、更新のタイミングで退去する、ということがとても多いです。

だからこそ、更新するときに少しでも「更新してよかった」と思ってもらうことが大切。

更新してくれたお礼という形で、金券や日用品のプレゼントを行っているオーナーもいます。

ただ、たくさんの物件を所有していると、一つ一つこれをやるのは難しいなとも思います。

物件へどれくらい力を入れたいかにもよりますね。

入居が長い人に対しては思い切って更新料を減額する、というオーナーもいます。

管理会社の見直し

これは最終手段というか、あまり何度もできることではありませんが、

アンケートなどをとってみた上で、管理会社の対応が悪いなどのネガティブな意見が目立つ場合は、管理会社の変更も視野に入れてみてもいいと思います。

自分が管理会社とやりにくさがあるだけならまだしも、入居者からも対応が悪いと思われていると、オーナーとしてはしっかりやっているのに入居者からのイメージが悪いオーナーになってしまい、もったいないです。

少し体力のいる選択肢ではありますが、管理会社を変えるということは私もしたことがありますし、よっぽどうまくいかない場合は、そこに理由があることもあります。

関連記事:管理会社の変更はどうやってやる?注意点は?

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