お部屋の中で人が亡くなった、それが事故物件と呼ばれるものです。
広告では「訳あり物件」「告知事項あり」というような書かれ方をすることもありますね。
こういった事故物件は相場に比べるとかなりの割安で購入することができるため、
事故物件専門の買取業者がいたり、事故物件にもかかわらず比較的早く買い手が見つかったり…ということがあります。
では実際に事故物件への投資をする時に気をつけた方が良いポイントにはどんなものがあるのでしょうか?
事故物件の定義とは?
詳しくは、以前書いた記事があるのでこちらを読んでいただければと思いますが、
不動産業界では事故物件は、「心理的瑕疵物件」と呼ばれます。
これは人が住むにあたって、心理的に何かしらのストレスを感じるような物件、という意味で、
主な内容としては過去に自殺や殺人、事件や事故による死亡のあった物件ですね。
さらに、宗教系の跡地や井戸跡、風俗関係の跡地、倒産した企業の跡地等、多くの方が心理的に嫌悪感を感じるような物件も事故物件として扱われることがあります。
じゃぁ人が亡くなってしまったら全て事故物件になってしまうの?
と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
人が亡くなった物件全てが事故物件になるわけではなく、自然死の場合は事故物件にはなりません。
ただ、自然死でも孤独死で発見が遅れてしまい、特殊清掃が必要になったケースなどはやはり心理的に嫌悪感を感じやすいという判断で事故物件となることもあります。
これまでは、「どこまでが告知義務がないもので、どこからが事故物件となり、告知義務が発生するのか」ということが明確には定められていませんでした。
ですが、2021年5月に国土交通省より「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が公表され、告知義務の基準が少し明確になりました。
ガイドラインは義務を課すものではありませんので「絶対にやらなきゃいけない」というわけではないのですが、
迷った時に参考にすることができるものが出来上がったことは大きな前進です。
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では、事故物件を実際に投資用で購入する場合のリスクについて解説していきます。
入居付けがうまくいかず、想定したキャッシュフローで回せない
事故物件を購入する時は、その高い利回りが魅力的に映るものだと思います。
物件自体をすごく安く購入することができるので、必然的に利回りは他の物件に比べるととても高くなりますよね。
金額的には相場の7割〜8割程度になると思って良いでしょう。
ですが、利回りというのはあくまで満室想定時の利回りです。
区分マンションや戸建ての場合は、入居がつかなかったら家賃収入はゼロ。
思い描いたキャッシュフローで回すことができなければ、当然自分の貯金やお給料の中からローンの返済のためのお金を捻出しなくてはいけなくなります。
なので、事故物件投資を行う場合は、十分に手元に現金がある状態で始めなくてはいけません。
入居がつかなくて家賃収入が思ったように得られないけど、手元にもあまりお金がない…という状況では、最終的に自己破産しなくてはいけなくなります。
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相場より安い賃料で貸すことになる
最近は「事故物件=家賃が安い」と知っている人も増えました。
そのため、家賃を抑えるためにあえて「事故物件に住みたい」と言って、不動産業者に依頼をする入居希望者も少なからずいらっしゃるそうです。
逆を言えば、事故物件なのに相場よりも下がっていない物件はやはり闘っていくことができません。
他の物件と並べた時に見劣りしてしまいますよね。
なかなか家賃設定は難しいところだとは思いますが、相場に比べたら安く貸すことになるということを理解しておくべきでしょう。
そしてその計算で利回り計算を再度してしみる必要があります。
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家賃が安いことで入居者の質も悪くなる
家賃が安くなれば当然「安い家賃にあえて住んでいる人」が入居者になりますので、入居者の質は自然と悪くなるものです。
私もかなり家賃を下げているアパートを持っているのでわかりますが、
家賃が安いところは入居者からのクレームなどのトラブルも多くなります。
利回りが良いということだけで飛びついてしまうと、
思ったよりも手間のかかる物件で、時間と労力が奪われる、ということがあります。
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告知しないことでトラブルになることも
告知事項を告知せずに事故物件投資をする方もいらっしゃるでしょう。
ガイドラインを見ても告知をするかどうかはグレーゾーン、という物件もありますからね。
ですが、ご近所の噂話などで入居者に情報が入ってしまうこともあります。
後から情報を出すと、大きなトラブルにもなりかねません。
この辺りは不動産業者の方とも相談しつつ慎重に進めなくてはいけない部分ですね。
必ず現地を見ておくこと
たまに現地を見られずに投資物件を購入する方がいらっしゃいますが、これはおすすめできません。
事故物件に関しては、「犯罪が起きやすい間取り」というのもあります。
死角が多かったり、周辺環境に要因があったり、といったことですね。
こういったところを自分の目で判断するためにも、
現地には必ず赴いて購入するかどうかを決めた方が良いでしょう。
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