新築や築浅の物件に比べると安く購入することができ、さらに相対的に利回りも高いので築古物件を購入したいと考えるオーナーも多いと思います。
中には築古物件ばかりを購入しているオーナーもいるでしょう。
しかし築古物件を購入する時にはそれなりにリスクがありますので、築古物件を購入する前に押さえておきたいポイントについて今回は解説していきたいと思います。
大きな修繕費がかかる可能性がある
築古物件では大規模修繕工事が必要になる可能性があります。
購入してからすぐに大規模修繕が必要になってきてしまうと思わぬ出費となってしまいますよね。
築古物件を購入する時は大規模な修繕やメンテナンスがいつどのような内容で行われたのかということを購入する前に確認しておく必要があります。
逆に大規模修繕が行われたばかりの築古物件なのであれば、当たりの物件かもしれないです。
実質利回りはそこまで高くない場合がある
築古物件を購入する人はそのほとんどが利回りを見て購入をしていると思います。
やはり新築や築浅の物件に比べると築古物件の方が利回りは総体的に高くなるものです。
特に新築信仰が強い日本においては、新築物件はかなり「新築」というブランドで価格が上乗せされていますからね。
ただし物件情報などに書かれている利回りというのはあくまで表面利回りです。
新築や築浅物件では考えなくて良かった修繕費用が築古物件ではかかってくることを考えると、実は実質利回りはそれほど高くないという物件も多数存在します。
築古物件を購入する時は修繕費用などのメンテナンスコストも含めた上で実質利回りを計算するようにしましょう。
耐用年数が短い
築古物件は新築や築浅の物件に比べると耐用年数が短くなります。
建物の耐用年数は見積耐用年数というもので計算されますが、この計算方法は以下のようになっています。
- 法定耐用年数の全部を経過したもの
法定耐用年数×20%= 見積耐用年数- 法定耐用年数の一部を経過したもの
(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)=見積耐用年数
これを見ても分かるように築古物件であるほど見積耐用年数は短くなってしまうので償却期間も短くなります。
税金などのことも考えて償却年数が短いことがデメリットにならないかどうかということも考えなくてはいけません。
関連記事:減価償却は耐用年数を超えた場合でもできる!その計算方法は?
耐震基準をチェック
地震の多い日本では震災を教訓に建築基準法が何度も改正されています。
大きな改正があったのは1981年と2000年です。
1981年以降に建てられた建物に関しては新耐震基準で建てられた建物であり、1981年より前に建てられた物件は旧耐震基準の建物ということになります。
また2000年以降に建てられたマンションに関しては東日本大震災で倒壊件数が0だったため、かなり安全性の高い建物だと言えます。
築年数を見るときに何年に建てられた物件で、どの耐震基準で建てられた物件なのかというところも見ておくべきでしょう。
旧耐震基準の建物に関しては国土交通省などから身体新基準に適合する建物に改修することを奨励されています。
耐震性の補強工事を自腹で行わなくてはいけなくなってくる場合がありますので注意が必要なのです。
もし1981年よりも前に建てられた築古物件を購入するのであれば、新しい耐震基準に合わせて修繕が行われた履歴があるかどうかということも見ておきましょう。
関連記事:古いアパートは地震が不安!耐震チェックのポイントを紹介します
売却が難しい
事故物件の場合は購入時に既に法定耐用年数を超えているような物件もよくあると思います。
そういった物件を購入して運用した上で売却をする場合、その物件を買おうとする人に対して金融機関が融資をするケースが限られてしまいます。
そのため、例えば物件がすべて満室であるだとか、立地などの条件が良いなどの好条件でないとなかなか売却をするのが難しくなってしまうのがデメリットです。
不動産投資では常にいつ売却するか、どれぐらいの価格で売却するのかということを考えておく必要があります。
物件を購入して数年運用する、というとこがゴールではありません。
物件を売却するところまで行なって初めてゴールになるわけです。
そのため購入する時から出口戦略は考えなくてはいけません。
関連記事:築古アパートの6つの出口戦略
築古物件を購入する前にチェックするべきポイント
築古物件を購入する前にチェックするべきポイントを先にまとめておきました。
リスクの多い築古物件だからこそ、事前に見ておくべきポイントをしっかり押さえておきましょう。
水回り
なんといっても物件は水まわりのトラブルがとても多いです。
水道はちゃんと引かれているのかどうか、どのような設備になっているのかというところから確認しましょう。
地方の物件だと井戸水を使っているというような場合もありますので、どれくらいコストがかかってくるのかということも算出しなくてはいけません。
また水道管も寿命があります。
だいたい10年から15年ほどで取り替えるべきものであり、それがなされていないとサビや詰まりの原因となってトラブルを引き起こす可能性があります。
そういった修繕履歴があるかどうかということも見ておくべきでしょう。
関連記事:アパートの水が井戸水!そのメリットとデメリットとは?
電気設備
空調機器が設備として設置されているのかどうかや、アンペア数はいくつなのかということも確認しておくと良いと思います。
場合によってはアンペア数を上げたいと入居者から言われることもあるので、容量アップが可能なのか配線工事なども可能なのかどうかということもチェックしておくと良いでしょう。
費用のチェックもしておいた方が良いです。
外装内装
外装や内装の部分は素人が見ても綺麗か汚いかということがすぐに分かる部分ではありますので、
あまりにも汚い場合は修繕が先に必要になります。
これは大きく入居率に関係する部分だと思いますので、実質利回りを計算するときに内装や外装の修繕費については必ず計上しておくべきです。
今回は築古物件のリスクについてお話ししましたが、やはり新築物件に比べると築古物件は利回りが良い物件は多いのでお勧めではあります。
きちんとチェックポイントを押さえた上で購入を検討してみてください。