不動産投資の基礎知識

新築ワンルーム投資のセールストークはここに気を付けろ!

20代後半から30代前半になってくると、将来のことを考える人が多くなるのか、今まで投資やお金の話をあまりしなかった友人が不動産投資について話し始めることが多くなります。

そして急に不動産投資に興味を持ち始めた人が必ず辿り着くのが新築ワンルームマンションへの投資です。

セールスマンのトークを鵜呑みにしてしまっている人も少なくなくて、不動産投資への知識が無いままに投資をするのは危険だなと思っています。

今回は新築のワンルームマンションへの投資において、危険だと感じるセールストークを紹介していきたいと思います。

 

節税効果がある

 

セールストークの中でもよく聞かれるのが節税効果があるという話です。

不動産投資における節税効果は

  • 減価償却による節税効果
  • 所得税・住民税の節税効果

の二つがあります。

減価償却というのは、時間の経過や仕様によって価値が減少する固定資産を取得した時に、支払額を耐用年数に応じて費用計上していく会計処理のことで、

不動産投資の場合は建物部分が経年劣化によって価値が減少していってしまうので、その部分の費用を耐用年数ではって減価償却費として計上していくことができるということです。

新築のワンルームマンションの場合はRC造(鉄筋コンクリート造)であることが多いと思いますが、この場合、耐用年数は47年となります。

つまり建物部分の金額を47で割った金額が1年間で計上できる減価償却費ということです。

計算すればわかると思いますが、数千万円の物件なら節税することができるのは年間で数十万円程度となります。

これが大きな節税と言えるでしょうか。

 

また所得税や住民税の節税効果ですが、所得税や住民税というのは所得に対して税率が変わり課税されるので、減価償却費があまり多くなく所得が減っているということは、単純に赤字を出してしまっているということになります。

これは節税というよりも家計を苦しくしているようにしか見えません。

 

ここまでの話の中で、減価償却や耐用年数といった言葉につまずくのであれば不動産投資はお勧めできません。

必要な知識が無いままに不動産投資を行うのは非常に危険です。

関連記事:アパートの耐用年数、軽量鉄骨だと何年?

 

生命保険の代わり、年金の足しになる

 

「不動産投資をすれば物件は自分のものになるので生命保険の代わりになります」「毎月家賃収入が入ってくるので老後の年金の足しになります」というようなセールストークをする人がいます。

もちろん不動産投資において、そういった側面があるというのは事実です。

しかしこれは不動産投資がうまくいっている場合の話です。

 

老後の年金の足しになるというのはきちんと物件が埋まっていて、毎月の家賃収入を確保できた場合の話。

単純に物件が埋まっているというだけではプラスにはなりません。

不動産は持っているだけで税金もかかりますし、経年劣化するものですから定期的に修繕費用もかかってきます。

今設定している家賃も現行のままずっと行くということはできないでしょう。築年数が経てば経つほど物件の価値が低くなっていきますので、よっぽど都心の一等地などでない限りは家賃を下げざるを得なくなります。

また最終的に物件を売却する時のことも考えてみてください。

ローンを返し終わる頃に物件を売却するとしても、年数が経っていれば物件の価値は落ち込んでいますし、そもそも新築の物件というのは新築価格なのでそもそもが割高なのです。

 

都内で販売されている2千万円から3000円ほどの新築ワンルームも実際の評価額は1000万円から2000万円程度です。

新築は誰かの手に渡った時点で新築ではなくなり中古になってしまうので、購入した時点で1000万円損するということになります。

なかなか新築を勧めることができない理由がこれです。

関連記事:不動産投資で新築を選ぶメリットはあるの?

 

キャッシュフローについて

 

どれぐらいのキャッシュフローが出るのかについて具体的な計算式を持ち出してくるセールスマンも多いです。

確かに話を聞いていると数字的にはプラスになっているように見えるかもしれませんが、税金のことが考えられていなかったり、家賃相場があっていなかったりすることもあります。

持ち出された家賃設定が本当にその物件がある地域の家賃相場と会っているのかということも調べてみてください。

 

「この物件なら月に何万円くらいで貸せますので〜…」というようなセールストークはそのまま飲み込んでしまいがちですが、本当にその金額で貸せるかどうかというのはやってみないと分からない部分であり、鵜呑みにしてしまうのは危険です。

その物件がある地域の間取りが似ているワンルームが、どれぐらいの家賃で賃貸募集をしているのか実際に調べてみましょう。

賃貸募集のポータルサイトで簡単に調べることができます。

 

最初は新築で入居募集をすることができても、その後は中古になるわけですから、築年数がそれなりに立っているワンルームの家賃相場も調べておくと良いでしょう。

これを調べておくことによって将来的にどれぐらい家賃を下げなくてはいけないのかということも見通しがつきます。

関連記事:家賃収入で生活をしていく!そのデメリットとは?

 

家賃保証もあるから安心

 

「家賃保証(サブリース)があるから大丈夫です」というセールストークもよくあります。

しかしこの家賃保証で全てのオーナーがプラスを出せるのであればみんな家賃保証会社を使っていますよね。

実はここにもカラクリがあるというわけです。

 

家賃保証会社そのものが途中で倒産をしてしまったり、家賃設定を勝手に変えられてしまったり、勝手に契約を途中で解除されるということもあります。

家賃保証という名前が安全そうな気がしてしまいますが、消してずっとプラスにしてくれるという意味ではありません。

関連記事:サブリース(家賃保証制度)のメリットデメリットを解説

 

貯金がなくても大丈夫、0円から投資できる

 

「頭金ゼロ円で投資できます」「貯金がなくても大丈夫」といったセールストークもよく聞きますが、新築のワンルームは金融機関から融資評価を受けやすくフルローンで購入しやすい投資商品になります。

 

フルローンを組むことができるというのはメリットでもありますが、新築はそもそも価格が割り増しになっているのでその高い価格のままフルローンを組むことで毎月の収支が赤字になってしまうことも多々あります。

予期せぬ大きな修繕費がかかることもあるのが不動産投資ですので、余剰資金がないままに投資を始めるのはお勧めできません。

関連記事:フルローンで不動産投資をするのって大丈夫なの?

 

典型的な新築ワンルームのセールストークについて紹介してみました。

楽な儲け話というのは世の中にはありませんので、不動産に興味がある、学んでみたいという気持ちがない限りは不動産投資もあまりお勧めできません。

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