不動産投資を開始して家賃収入を得たら、税金はどのようにかかってくるのでしょうか?
どんな税金がかかって、どのように計算したら良いのか?ということをまとめてみました。
家賃収入にかかる税金
家賃収入にかかってくる税金はおもに
- 所得税
- 住民税
です。
所得税の計算方法
日本では所得税に関して、累進課税制度が用いられており、所得が高ければ高いほど税率も高くなり、納める税金も多くなります。
家賃収入以外にも給与所得がある場合は、そちらと家賃収入を合算して計算します。
これを計算するために、まずは不動産所得をきちんと計算する必要があります。
不動産所得は家賃収入のプラス分だけでなく、マイナスの計算もしなくてはいけません。
このマイナスは必要経費です。
必要経費をきちんと計上することができれば、不動産所得が少なくなりますので、節税になる、ということです。
なので何が経費になるのか、どうやって経費として計上するか、ということをみなさん勉強して一生懸命節税を行っているわけです。
必要経費として認められるものの代表的なものは以下の通りです。
- 管理会社に支払う管理手数料
- 修繕費
- 借入金の金利
- 減価償却費
- 広告費
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 不動産にかけている各種保険の保険料
- 仲介手数料
など。
不動産所得は「家賃収入ー必要経費」で求めることができますが、場合によってはマイナスになることもあるでしょう。
修繕費や減価償却費が大きくなってマイナスとなることが多いですね。
そういった場合は、給与所得と合算した時に所得が少なくなりますので、課税される所得が少なくなり、節税に繋がるというわけです。
不動産所得が計算できたら、不動産所得と給与所得を合算し、各種所得控除を差し引けば課税対象金額を出すことができます。
課税される所得金額によって、以下の表のように税率が変わります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円~195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円~330万円未満 | 10% | 97,500円 |
330万円~695万円未満 | 20% | 427,500円 |
695万円~900万円未満 | 23% | 636,000円 |
900万円~1,800万円未満 | 33% | |
1,800万円~4,000万円未満 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
所得税額=課税される所得金額×税率ー控除額
となります。
住民税の計算方法
住民税は
- 所得割
- 均等割
の2つの区分があります。
それぞれの金額を合算した金額を納税することになるのですが、所得割は前年の所得金額に応じて課せられます。
均等割は所得金額に関わらず均等に課せられる金額です。
均等割の部分は自治体によって異なりますが、東京都の場合は以下のような計算式で住民税額を計算することができるようになっています。
住民税額=所得割額(所得金額-所得控除×10%-税額控除)+均等割額(都民税額1,500円+市区市町村民税額3,500円)
東京都主税局「個人住民税」
いずれにせよ確定申告が必要になりますので、今まで自分で確定申告を行なったことがない、という方は、不動産投資を行うにあたってその部分も勉強する必要があります。
関連記事:不動産収入の確定申告はいくらからしなくてはいけないの?
家賃収入が多くなるとかかってくる税金
家賃収入が多くなってくると
- 個人事業税
- 消費税
がかかってくることがあります。
個人事業税
不動産所得(家賃収入から経費を引いた額)が290万円を超えて、賃貸経営が事業的規模と判断されると個人事業税が課されるようになります。
税率は業種によって異なりますが、290万円を超えた金額に対して3〜5%です。
消費税
課税売上高が1,000万円を超えると、消費税の支払い義務が生じる場合があります。
住居の家賃は消費税の課税対象ではないのですが、
- 店舗・事業所の家賃
- 駐車場の家賃
など、消費税の課税対象となる収入が1,000万円を超える場合は消費税支払い義務が発生しますので注意しましょう。
不動産を所有していることでかかる税金
土地や建物などの不動産を所有している場合、
- 固定資産税
- 都市計画税
が必ず毎年かかります。
これはその年の1月1日時点に不動産を所有している場合に課税されるもので、納税通知書が市区町村から送られてきますので、その通知書を使って税金を支払う形になります。
- 固定資産税額は固定資産税評価額に1.4%をかけた金額
- 都市計画税は固定資産税評価額に0.3%をかけた金額
で土地と建物でそれぞれに求めます。
軽減措置などもありますので、自分の所有している建物に適用されるか調べておきましょう。
不動産の規模が大きければ大きいほど、この固定資産税と都市計画税も馬鹿にならない額になりますので、不動産を購入する時点で、毎年かかってくるこれらの税金がいくらなのかはきちんと計算し、キャッシュフロー計算を行なっておきたいところです。