売買知識

空室対策としての楽器可物件ってどう?トラブルは起こりやすい?

賃貸経営をしていると必ずついて回るのが空室対策ですが、周りのオーナーさんも色々工夫をこらして様々なことにチャレンジしているのがわかります。

放っておいても簡単に埋まるような立地の良い物件であれば良いのですが、そういった物件はそもそも利回りが低いこともあり、

リスクをとってチャレンジしているオーナーであれば、やはり高利回り物件を工夫しながら埋めている感じですよね。

やり方は様々ですが、その中でも今回は楽器可物件にするというのはどうなのか、ということを解説してみたいと思います。

楽器可物件にも2種類ある

楽器可としている物件には大きく分けて2種類あり、

  • 楽器相談可の物件
  • 楽器演奏可の物件

があります。

楽器相談可の物件

楽器相談可の物件というのは一般的な賃貸と変わらず、特に防音対策などはされていない物件です。

防音対策はしていない代わりに、

  • 楽器が演奏できる時間帯
  • 演奏できる楽器の種類

を指定している物件が多いです。

例えば「12時〜16時まで、ピアノのみ」といった制限ですね。

音量の調節ができない楽器や、ドラムなどの響きやすい楽器は演奏できないところがほとんどです。

需要としては、プロの音楽家さんなどではなく、趣味などで音楽をやられたい方になるでしょう。

防音設備があるわけではないので、楽器相談可の物件にしても家賃をあげる、ということはなかなか難しいです。

楽器演奏可の物件

音楽室のような防音対策が部屋に施されている物件が楽器演奏可の物件です。

窓やドアを二重にしたり、防音素材を壁に付けていたりするお部屋で、これをあとから設備として取り入れようとするとかなり大変です。

きちんと防音設備を整えたお部屋を一つ完成させるのに、最低でも100万円は必要と考えた方が良いです。

需要としては、音大生やプロの音楽家など。

近くに音大があったり、ライブハウスなどがあれば良いですが、そこに需要を頼りすぎるのも危険ではあります。最近はライブハウスが閉業することも多いですからね。

上記のことを踏まえると、空室対策として導入するのであれば楽器相談可の物件にする、というのが現実的かもしれません。

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楽器可物件はトラブルが嫌な人向けでもある

趣味程度で楽器をやる人がわざわざ楽器可物件に入居するのだろうか?と考える人もいらっしゃるかと思いますが、

時は賃貸ではよく騒音トラブルがあり、それらのトラブルを避けたいと思っている人向けの物件にもなります。

楽器可物件ということは、そこに入居している人たちは多少隣や上下階のお部屋がうるさくても大丈夫だと思って入居を決めている人たちです。

楽器可物件にすることによって逆にトラブルが起きにくい環境になる、というわけですね。

楽器を演奏しない方でも、自宅でスピーカーなどで映画を観るのが趣味という方や、オンラインでの会議が多く、日中も家で声を出してミーティングをしなくてはいけない、という方からの需要もあります。

新型コロナウイルスの影響で、こういった需要も増えたと言えるでしょう。

実際私の友人にも楽器可物件に住んでいた人がいましたが、特にトラブルなどになった経験はないと話していました。

その友人はよく友達を招いて自宅で飲み会などをしていますが、楽器可物件だと苦情などが来ないそうです。

昼間は楽器の音がよく聞こえるとは言っていましたが、本人も「自分もうるさくしているし」という気持ちがあるため、それに対して何か思うわけでもなく、そういった楽器の音が気にならなければ全然大丈夫、とのことでした。

そういった需要もあることを考えると、学生にとっても良いかもしれませんね。

ただ、アパートやマンションを一棟所有していたり、戸建てで周りの家とある程度距離があるのであれば良いですが、

隣の建物と近い物件の場合は、入居者同士のトラブルよりも近隣住民とのトラブルが起こる可能性もあります。

このあたりは慎重に決めたいところです。

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空室対策の最終手段と考えた方が良い

楽器可物件にするにしても、安易にすぐ楽器可とするのではなく、それ以外の空室対策は一通り行ってから検討するのをおすすめします。

楽器可とするには周辺環境調査や、現在入居しているい方への配慮も必要になりますので、簡単に「明日から楽器可とします!」というようにはいきません。

まずは競合となる同じ家賃帯の物件をピックアップして、競合物件にあって自分の所有している物件にない設備は何か、設定している家賃は本当にそれで相応なのか、ということを考えてみましょう。

内見に来てくれた方への印象をアップさせるために、ウェルカムボードを設置したり、しばらく空室となっているお部屋の消臭対策を行うのも効果的です。

簡単にすぐできる空室対策はたくさんありますから、そこから見直してみましょう。

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