売買知識

【空室対策】どんな物件なら楽器相談可の条件を付けられるのか

空室対策のために何かしらの条件を追加した方が良いのではないか?と悩んで、

楽器可物件を検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ですがこの楽器可物件(楽器相談可物件)は、とても難しいもので、

特に「楽器可」の認識の違いでトラブルが起こってしまうことが結構あります。

ご自身の物件で楽器可の条件を付け加えるかどうか、ということを検討されているオーナー様のために、

今回は楽器可物件のトラブルになりがちな「認識の違い」のお話をしてみようと思います。

楽器可物件≠防音物件

「楽器可物件」と条件に書いてある物件は、多くの方が「防音物件」だと勘違いしてしまっているのですが、

楽器可だからといってきちんと防音施工されているとは限りません。

もちろん中には防音施工がしっかりされている物件もあるのですが、「防音施工はされていないけど、みんな楽器を利用するアパートだから、お互い様で持ちつ持たれつでやってください」というような物件もあります。

こういった認識の違いによって騒音トラブルが起きてしまう、ということですね。

もし楽器可物件という条件をご自身が所有している物件に付け加えるかどうかを検討しているのであれば、

その物件がどういった内容の楽器可物件なのか、ということは先に説明をした方が良いでしょう。

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楽器可物件の種類

一口に楽器可物件と言っても、その物件にはそれぞれの背景があります。

認識の違いが生まれてしまうのはこれが原因ですね。

よく見かける楽器可物件にどのようなものがあるのか、ざっくり説明してみたいと思います。

完全に防音施工がされている物件

まず完全に防音施工がされている物件。

これはもう文句なしに楽器可物件と言って良いでしょうし、防音施工されていることを一番の売りにできる物件だと思います。

こういった物件は、例えば扉や窓が2重になっていたり、壁に吸音材が付いていたり

中にはピアノの搬入ができるように、と入り口の幅を広くとっている物件なんかもあります。

楽器の演奏をしていても、隣のお部屋だとほぼ聞こえない、というような物件で、

中の音が外に漏れるのを防ぐことができるような物件の場合は、外の音も中に入ってきにくいので、静かに暮らすことができる、というのもメリットですね。

しっかりと防音施工がされているような物件の場合は、相場の家賃の4〜5割増程度の家賃になっていることが多いです。

建物全部が楽器可物件だから楽器可能

中規模のアパートやマンションなどで、そもそも建物全部を楽器可物件としているから、楽器可と条件にも出しているというパターン。

これは防音施工はされていない物件です。

全部のお部屋で楽器が使えるという条件ですが、防音施工はされておらず、

それどころか隣のお部屋の音が筒抜け…なんてところもあります。

何度か私も楽器可物件に足を運んだことがありますが、

平日のお昼間に、別のお部屋から尺八の音が聞こえる…なんて物件もありましたね笑

音を出すのはお互いさま、という認識でみなさんが入居されているので、騒音クレームには繋がりにくい、ということなのでしょう。

一軒家だから楽器可

一軒家なので楽器可、という物件も多くあります。

ですが、こういった物件も防音施工はされていないものが多く、一軒家だから楽器可としているわけですね。

とはいえ、近隣に住んでいる人の了承を得ているわけではありませんので、

近隣住民の方から騒音クレームが入ってしまう、というのはよくあることです。

例えば敷地が広い物件や、周りに住宅があまりないような物件であれば楽器可としても良いかもしれませんが、

一軒家でも隣家が近いような物件であれば、騒音トラブルが起こる可能性も十分あり得ます。

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構造から見る楽器可物件

建物の構造的にも防音にはかなり影響します。

構造には大きく分けて、

  • ラーメン構造
  • 壁式構造

というものがあります。

ラーメン構造は柱が中心となって、その間を梁(はり)でつないでお部屋を形作るもの。

それに対して壁式は、床も天井も壁も全て面、つまり壁でお部屋を作るものになります。

当然ラーメン構造のものの方がお部屋を仕切る壁が薄くなり、防音性は低くなります。

壁式構造になっている建物は、壁の厚みがしっかりしているので、

そもそも構造の時点で防音性がある程度ある物件、ということですね。

この構造についても理解しておくと、

楽器可として良い物件なのかどうか、ということがわかると思います。

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楽器相談可として、条件をつける方法もある

防音施工がしっかりしてある物件というのはどうしてもコストがかかりますので、

ほとんどの楽器相談可物件は、防音施工はされていないけれど、楽器可としている建物なのではないかと思います。

ですがオーナーの采配で楽器可としても、近隣住民の方からクレームが入る可能性はあります。

そのため、楽器相談可にして、条件をつける、というやり方もあります。

  • 楽器を使用して良い時間を11時〜17時、など日中の時間帯に限定する
  • 使用して良い楽器の種類を限定する

といったやり方です。

こういった物件も実際にありますので、

楽器相談可とするのであれば、完全に楽器を可とするのではなく、相談の上で入居を決めてもらう、としてみるのが良いかもしれませんね。

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