火災保険は現在1年契約から最長10年契約まで、契約期間が選べる保険となっています。
2022年10月からは最長期間が5年に短縮され、実質的な値上げがありますが、
では契約期間はどのように決めたら良いのでしょうか?
火災保険の値上げに関しては別の記事でも詳しく書いておりますので、そちらをぜひご参照ください。
今回は、火災保険の長期契約がどのようにお得なのか、
もし途中で解約したらどうなるのか?
契約期間を決める時にどんなことを考えれば良いのか、ということを中心に解説していきたいと思います。
最長契約期間は短くなり続けている
2022年10月から最長契約期間が5年に短縮される、というお話をしましたが、
実は火災保険は以前は最長36年契約することができました。
2015年10月より最長10年に短縮され、また2022年10月に5年に短縮されるのです。
保険というのは火災保険に限らず、保険料として回収したものを「何かあった際の補償」に回しているという構造で成り立っているわけですが、
この「何かあった際」が近年多すぎる、というのが値上げの根源的理由です。
要は保険会社が長期契約では回らなくなってしまっている、ということですね。
もともと災害大国の日本ですが、近年は特に大雨などによる水害や大きな地震の発生が多かったので、現状の保険料だけでは回収しきれない、といった状況になっているようです。
今後長期契約期間が短くことはあっても、延びることはもうないと考えて良いでしょう。
火災保険は1年契約と長期契約、どちらが良い?
火災保険は保険契約期間を1年とし、毎年更新する、という契約の仕方と、
長期契約で一括支払いとする場合の2種類の契約方法が一般的です。
1年契約のメリット・デメリット
1年契約は補償を見直しやすいというのがメリットです。
毎年1回補償内容を見直すことができるので、より適切なものを選んで火災保険の契約をしたいと考えている方には1年契約の方が良いでしょう。
1年分の支払いになりますので、保険料も安く済みます。
ただ不動産投資をする上で1年契約で火災保険を契約する、というのはあまり聞いたことがありません。
やはり投資をする上で火災保険は多くのオーナーが契約するものですが、
こちらは固定費でかかってきてしまうものですので、なるべく安く抑えたいという方が多いです。
投資ですから収入はなるべく多く、支出はなるべく少なく、が基本ですよね。
なので長期契約をして割引価格で支払いができた方が良いと考える人が多いです。
毎年更新となると手間もかかりますしね。
複数物件所有している方の場合は毎年更新なんてしてられません。
長期契約のメリット・デメリット
火災保険は長期契約で契約をすると割引が適用され、総支払額が安くなります。
1年契約を更新し続けるよりも10年契約にすることで15〜17%ほど安くなる傾向にありました。
最長契約期間が5年になることでこの割引率は低くなってしまうとは思いますが、
それでも1年契約で更新をするよりは5年契約の方が総支払額が安くなる、というのは変わらないでしょう。
更新の手間が少なく済むというのもメリットです。
ただ長期契約の場合はどうしても一括支払によって一回に支払う料金は高くなります。
物件を取得したと同時に加入する場合は、不動産取得税など後からかかってくる税金もあったりしますので、火災保険で一括支払いがあるのがキャッシュフロー的に厳しくないか、ということは充分確認した方が良いです。
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火災保険を途中解約した場合はどうなるのか
火災保険の契約期間をどうするか検討している方の中には、「長期契約をしたいけど、もし途中で物件を売却したい、となった場合、火災保険はどうしたらいいのか?」ということが気になる方も多いでしょう。
手続きを踏めば、火災保険の内容を買主へ引き継ぐこともできますが、
火災保険の名義変更というのはトラブルの原因にもなりますし、手続きも煩雑なので一般的ではありません。
基本的には売主が引渡し後に火災保険を解約、買主は引渡し後に新規で契約する、というのが普通です。
このように契約期間中に火災保険を途中で解約する場合は、
火災保険をすでに一括で支払っている場合でも、契約期間満了前に連絡をすることで火災保険料が返金されます。
保険会社ごとに未経過料率係数というものが設定されており、
これは保険契約次から経過した年数に応じて返金額を計算するための特殊な係数となっています。
残っている契約期間分が日割りで全部返ってくる、というわけではないですが、
この係数をかけた金額は返金を受けることができますので、一括で支払っていても、経過していない分が全て無駄になるというわけではありません。
こういった制度もありますので、基本的に火災保険は長期契約で一括支払、という契約の仕方で良いかと思います。
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