地方の築古アパートを中心に、区分マンションや戸建てにも投資をしています。
投資歴は10年を超えました。
それなりに長く不動産投資もやってきているように思うのですが、
未だに聞いたことのない単語に出くわすことはしょっちゅうです。
今回は「アービトラージ」について。
不動産界隈の情報収集をしていて、初めて見る単語だったので、解説してみたいと思います。
アービトラージとは
アービトラージとは裁定取引のことであり、
不動産業界だけではなく、投資業界で使われている言葉です。
裁定取引という言葉について調べてみると以下のような解説が出てきました。
価格変動において、同一の性格を持つ2つの商品の間で、割安な方を買い、割高な方を売ることにより、理論上リスクなしに収益を確定させる取引のこと。アービトラージともいう。
マーケットの価格が理論価格に近づき、乖離(かいり)がなくなることで、割高・割安な状態が解消された場合に、反対売買を行うことによって収益化する。
野村証券 証券用語解説集より
もう少し簡単に言うと、商品価格に歪みが生じた時に、
高い方(A)を売って、安い方(B)を買います。
そして両者の価格差が縮小したタイミングで、今度は逆にAを買い、Bを売る、という反対売買を行うことによって、リスクを抑えながら利ざやを稼ぐことを言います。
おもに株式投資や為替などで使われてきた手法なんだそうですが、最近は不動産投資分野でも使われるようになってきたのだとか。
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不動産業界で言うアービトラージとは
それでは不動産業界で言うアービトラージとはどういうものを指すのでしょうか?
上記の例だと、株式ではイメージすることができても、不動産投資ではなかなかイメージをするのが難しいですよね。
不動産の場合は、「権利関係」や「利用法」などの要因で相場価格よりも不動産価格が大幅に安くなることがあります。
たとえば、
- 再建築不可
- 旗竿地
- 建築法違反
- 要セットバック
- 事故物件
というような要因ですね。
不動産投資をするために売り出し物件をよく見られている方ならよくわかると思います。
「お!この物件安いじゃん!」と思ってよくよく見てみると、「あ〜そういうことか」と納得できるような注釈があったりするアレですね笑
たとえばこういう物件でも、時間が経過すれば権利が外れたり、周りの土地を買うことで利用法の制限が外れて不動産価値が上がったりすることがあります。
このように、条件が悪く、相場に比べるとかなり安く売られている物件を手に入れて、売却時に価値を高めるというようなやり方を、どううやら不動産業界でのアービトラージと呼ぶようです。
区分マンションを使ったアービトラージ
不動産業界の中でもよく使われているアービトラージは、
「ファミリータイプの区分所有・賃貸マンション」なんだそうです。
賃貸に出されているファミリータイプの分譲マンションをオーナーチェンジで購入する。
一般的に区分マンションはワンルームに比べるとファミリータイプは利回りが低くなるため、相場よりも安く購入することができることが多いんですね。
そして、退去があったタイミングでリフォームをし、今度は分譲マンションとして売却するのです。
そうすると、賃貸ではなく分譲として売却することができるので、相応の利ざやが出る、という仕組み。
区分マンションのファミリータイプは、お子様の進学やマイホーム購入などのタイミングで退去することが多いので、それを狙っての投資、というわけです。
なるほどそういう方法もあるのか〜と思いました。
そういえば私も区分のファミリータイプを持っていましたが、先日リフォームのために現地視察に行ってきました。
もうすでにアービトラージと呼ばれる手法を自然にやっていました笑
後から名前がついてきているというか、
昔からやっている人はやっている手法なのかな、とも思いますね。
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アービトラージの落とし穴
全ての物件が分譲にしたら価値が上がるというわけではありませんし、
思ったようにいかないこともあると思います。
ファミリータイプだから退去するだろう、というのも、「一般的にそういうファミリーが多い」というだけであり、マイホームを購入せずにずっとファミリーで賃貸を続ける入居者もいるでしょうしね。
アービトラージは堅実な不動産投資方法として紹介されることが多いようですが、
本当に堅実な方法なのか、というと私は疑問を感じます。
それよりも「良い土地にある不動産」を見極めて、相場よりも安く買い、相場が上がった時に売却する、ということを徹底する方が堅実なのではないかなと思ってしまいますね。
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