土地活用には色々な方法があります。
物件を購入して賃貸を行うだけでなく、駐車場を経営したり、太陽光発電を行ったり、看板を掲出したり、その土地の地形に合わせた活用方法というものがあるものです。
その中で今回はキャンプ場の経営についてお話ししてみたいと思います。
キャンプ場の市場について
まずはキャンプ場の市場について。
2000年代に入りキャンプ人口というのは減少傾向に入っていましたが、近年キャンプやアウトドアが改めて注目を集めるようになり、グランピングなどのブームも来ています。
これらの影響からかキャンプ人口は回復傾向にあるようです。
キャンプをするということだけではなく、その様子を見ることをコンテンツとしているものも多くあり、
芸人のヒロシさんのYouTubeチャンネルは有名ですね。
アウトドアファッションの人気もあり女性誌でも特集が組まれるようになった影響からか、最近ではキャンプをする女性も増えてきているようです。
グランピングなどは自分たちでキャンプ用品を用意する必要がないものもあり、より手軽に楽しめるようになってきているのではないかと思います。
では、こういった背景の中で土地活用としてキャンプ場を経営するというのは儲かるのでしょうか?
キャンプ場経営は許可や資格が必要?
キャンプ場経営に許可や資格が必要かどうかについてですが、これはどのようなキャンプ場を経営するかによって変わってきます。
テントだけで運営するオートキャンプ場の場合は許認可制度などはありませんが、
バンガローやコテージなどを合わせた施設にする場合は旅館業法に抵触します。
旅館業とは「施設を設け、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」を行うもののことを指します。
旅館業を経営する場合は都道府県知事の許可が必要になります。
旅館業には
- ホテル営業
- 旅館営業
- 簡易宿泊営業所
- 下宿営業
の4種類がありますが、バンガローやコテージなどを合わせたキャンプ場を経営する場合は簡易宿泊営業所になります。
許可の要件は
- 施設の設置場所が適切であること
- 施設が構造基準を満たすこと
- 申請者が欠格要件に該当しないこと
以上の三つで、これを満たす必要があります。
法律、施行令、条例などで要件の基準が定められています。
また施設で食事の提供をする場合は食品衛生法に基づく手続きも必要になります。
他にも貯水槽井戸水などで給水する場合は水道法に基づく手続きが必要だったり、井戸、地下水の揚水を利用する場合は環境確保条例等に基づく手続きが必要です。
まずはどのようなキャンプ場を経営していきたいのかということを先に考えてから、許可についても調べていくと良いかもしれません。
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後継者がいないキャンプ場が多い
キャンプ場の場合は後継者がおらず継続が難しくなり跡継ぎを探している、売却を検討しているというキャンプ場が多いです。
すでにキャンプ場として経営をされている土地をそのまま購入するというやり方でもキャンプ場の経営はできます。
ただしその場合はキャンプ場がどれぐらいの期間運営されてきたのか、設備がどれほど経年劣化によって劣化してしまっているのかということを調べなくてはいけません。
もし水を引いてきているのであれば水道管の劣化具合も調べる必要があります。
一般的に水道管の耐用年数は40年程度と言われていますが、これもどのように利用するかによって変わってきます。
一般的な住宅と違って、キャンプ場の場合は比較対象も少ないですから、売却価格が本当に内容に見合っているものなのかということを検討するのも難しいでしょう。
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キャンプ場の稼働率
日本オートキャンプ協会によるとキャンプ場の平均稼働率は13.5%。
収支状況は約7割がキャンプ場経営をできている状況です。
この平均稼働率で約7割が黒字もしくはトントンで経営ができている、というのはすごいことだと思いますが、
とはいえ投資として考えた時はあまり良い投資先とは考えられないでしょう。
天候などにも左右されやすいですし、キャンプ場人気がこれからも続くとも限りません。
売却に出されているキャンプ場を購入するというのは比較的難しいことではないかもしれませんが、
キャンプ場をある程度経営してから売却するというのはとても難しいことだと思います。
市場が大きいわけではないのでなかなか買い手が見つからないことに悩まされそうですよね。
キャンプが好きでキャンプ場経営したいと言うのであれば良いと思いますが、投資目的でのキャンプ場経営は難しい部分があると思います。
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キャンプ以外の儲け方
キャンプ場で利用料、宿泊料以外のビジネスを展開していくことも大事かもしれません。
例えばイベントなどを開催して音楽フェスティバルやお祭り的なものをやるのもいいと思います。
またキャンプ場の敷地内にキャリアの電波塔を置いたり、電柱が立っている場合はキャリアやNTTから安定した収入を得ることができる場合があります。
こちらも大きな収入になるわけではないですがちょっとした副収入にはなるでしょう。
それ以外に隣接する行動や公共施設の管理などをすることによって利益を得られるケースもあるようです。
全体的にキャンプ場経営でしっかり儲けを出すというのは難しいと言えるでしょう。
キャンプ場経営を儲かるかどうかという観点で考えるのであれば、キャンプ場経営にはあまり手を出さないほうがいいと思います。
どちらかと言うとキャンプが好きで、キャンプを経営することにやりがいを感じられる人がキャンプ場経営に向いているのではないでしょうか。