不動産投資を検討している人で特に本業がサラリーマンの方は、キャッシュフローがマイナスになる物件でも良いのではないか、と考える人が多いです。
多少毎月の返済がマイナスになっても、お給料を充てればいいし、いけるんじゃないかな…?どうしてもこの物件が良い気がする…
ですが、キャッシュフローがマイナスになる物件はかなりリスクは高いです。
絶対にNGと言うつもりはありませんが、特に初めて不動産投資をする場合や、あまり投資経験がない初心者のうちからキャッシュフローがマイナスになる物件に敢えてチャレンジする必要はないんじゃないかと思いますね。
キャッシュフローがマイナス、どういう意味?
そもそも不動産投資初心者の方の場合は、キャッシュフローがマイナスという状態がどういう状態を指すのか、いまいち明確に分かっていないという方もいらっしゃると思いますので、
ここで改めて、キャッシュフローがマイナスになる投資物件について解説してみたいと思います。
キャッシュフローというのはそもそも「現金(キャッシュ)のフロー(流れ)」という意味で使われている言葉です。
手元にある現金がどのように動いているか、ということを表す言葉で、
毎月どれくらいのお金が出ていって、どれくらいのお金が入ってくるのか、というその収支に着目して考えます。
不動産投資における毎月のキャッシュフローは、ざっくり簡単に考えると下記のように考えられるでしょう。
毎月収入として入ってくる家賃収入からローンの返済額を引いた金額がマイナスになっている状態、
これがキャッシュフローがマイナスになっている状態です。
冒頭で「サラリーマンが本業の方はキャッシュフローがマイナスになっていても大丈夫だと思いがち」というお話をしましたが、
これはサラリーマンの方が毎月固定でお給料をもらっているからなんですね。
つまり、上記のキャッシュフローの中の収入に毎月のお給料を入れて計算してしまうのです。
足りない分は、給料から出せば問題ないかな?
と考えてしまう、ということですね。
ですが、不動産投資という事業で考えた時に、会社でもらっているお給料はあくまで別事業になりますので、お給料で補填するというのは赤字の状況なのです。
専業でオーナーをやっている方はもちろん固定でもらえるお給料は他にありませんので、お給料で赤字を補填するということはやっていません。
サラリーマンで固定のお給料があれば属性が良くなるので、金融機関から借りられる金額も大きくはなりますが、
ローンが大きくなればなるほど、それだけ毎月の返済額も大きくなります。
一つ目の物件はなるべくリスクを抑えてスタートした方が良いでしょう。
キャッシュフローがマイナスになることで考えられるリスクを次の章から解説していきます。
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空室が続くことは結構ある
不動産投資初心者の方には空室の想定をするのがなかなか難しいと思いますが、
空室はかなり続くことがあるということを覚悟しておかなくてはいけません。
特に区分所有の場合は、お部屋が一つしかありませんので、家賃収入は0か100かの世界になります。
半年ほど空室になることもある、場合によっては1年…ということを想定しておいた方が良いですね。
アパートに関しても、7〜8割埋まれば良い方です。
不動産情報として掲載されているものには満室想定時利回りが書かれていますが、
実際にはその利回りを叩き出すためには満室にしなくてはいけないのだ、ということを理解しておかなくてはいけないのです。
つまり100%うまくいって、その利回り。
シミュレーションをする時は、なるべく悲観的に考えてやった方がいいと思います。
最悪の想定もしなければ投資は上手くいきません。
関連記事:不動産投資をする時にやっておくべきシミュレーションまとめ
予想外の修繕費がかかることがある
例えば、大規模修繕をしなくてはいけなくなる。
設備が壊れて交換しなくてはいけない。
そういった時に数百万円平気でかかってくるのが不動産投資です。
それらの突然の大きな出費に対応できるほど、手元に現金はあるでしょうか?
毎月のキャッシュフローがマイナスになっていることによって貯金をすることができない。
必要な修繕ができない。
だから空室もなかなか埋まらない。
一つほころびがあるとデッドスパイラルにはまっていきます。
手元にある程度現金があって、かなり余裕を持って運用ができる状態じゃないと、キャッシュフローがマイナスというのは難しいということが分かると思います。
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金利が上昇するリスクがある
金利が上昇すれば返済額は大きくなっていきます。
ローンの返済については固定金利か変動金利かは選ぶことができますが、
固定金利でも決められた期間がありますので、それを過ぎれば金利が少し上がることがあるんですよね。
返済額が大きくなれば、元から赤字のキャッシュフローはさらに赤字になります。
これらのリスクを踏まえた上で、本当にキャッシュフローがマイナスでも不動産投資を続けられる状況なのか、しっかり考えてみましょう。
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