不動産投資の基礎知識

サラリーマンが不動産投資でカモになってしまうパターン

売り出し物件を見ていて、「あーこれは不動産業者にいいように乗せられてしまってカモにされてしまったオーナーが、にっちもさっちもいかなくなって物件を売却しようとしているんだな」と思う物件がたまにあります。

物件を毎日探しているとそういう物件も次第に分かってくるようになるんですよね。

特に不動産投資に慣れていないサラリーマンの方は、不動産投資でカモにされてしまうというパターンをよく見かけます。

実際どのようなパターンが危険なのか、よくあるパターンを紹介してみたいと思います。

 

とにかくお洒落で綺麗な新築を建てる

 

売りに出されている収益物件を見ているとたまに、ものすごく凝ったデザインでおしゃれなアパートが出てくることがあります。

これはカモにされてしまったなと感じる典型的なパターンなんですよね。

初めて物件を建てるということになると、凝ったデザインの高い物件を勧められてしまうことがよくあります。

建物の造りは複雑になればなるほど物件を建てるのにお金がかかりますから、その時点でかなり赤字になってしまうんですよね。

例えば大きな窓のある物件にする場合、よく家に使われているスタンダードなガラスであれば量産されているので単価が安くなります。

 

しかし大きな窓にすることによって量産されていない高いガラスを買わなくてはいけなくなるので、それだけで随分と金額が跳ね上がってしまうのです。

だからこそぱっと見た時に「よく見る形の家だな」と思えるような家の方が建設コストは安いということなんですよね。

特徴的な物件にすればするほど人には覚えてもらいやすい物件になるので、「入居付けが楽になりますよ」だとか「可愛らしいお家にすると女性受けが良くなりファミリー層に人気が出ます」というようなセールストークをされると思います。

しかし不動産投資用の収益物件を買うということは、あくまで消費ではなく投資になります。

投資の基本はとにかく安く買って高く売ること。入居付けがしやすいという根拠よりも、利回りが高い方が当時としては強い根拠になると思います。

入居付けがどうなるかは蓋を開けてみないと分からないですからね。

不必要な先行投資はしないように心がけなくてはいけません。

 

自分が賃貸物件を探すときのことも考えてみてください。

確かに綺麗で可愛らしいお家の方が良いかもしれませんが、家賃が安ければ家賃が安い物件の方が魅力的に映ります。

お家が綺麗というだけのポイントが決定的なものになることは少ないと思うんですね。

 

さらに新築というのも問題です。

日本は新築信仰があり、未だに新築がどんどん建ち並んでいっていますが、誰かが一度住んでしまえば新築はもうすぐに中古になってしまいます。

新築というだけで価値が高く、中古になった途端に価値が低くなってしまう。

物件が経年劣化によって価値が下がっていくというのとは全く違う意味です。短期間ですぐに価値が落ちてしまうこの新築というブランドに関しては、全くお勧めできません。

どうして新築が中古になった途端に価値が落ちてしまうのかと言うと、新築という部分に多大な金額が上乗せされているからなのです。

としと考えるのであればあまり新築にこだわりすぎなくて良いと思います。

関連記事:不動産投資で新築を選ぶメリットはあるの?

 

「サブリース契約で入居付けの不安がなくなります」

 

サラリーマンでカモにされてしまう方に多いパターンとして、サブリース契約を結んでいるというのもあります。

サブリース契約というのは一括借り上げで、オーナーが所有しているアパートをそのままサブリース会社にまた出しするようなやり方です。

 

入居者がいてもいなくても一定の報酬がサブリース会社からオーナーに支払われるような仕組みになっているので、空室率を心配する必要がないというのがサブリース契約の旨味として謳われています。

もちろん支払われる報酬は手数料がサブリース会社より引かれる形になりますので、自分で管理をした方が収益性は高いです。

しかし空室率が高い場合はサブリースの方が安心とも言えます。

ですがサブリース会社が途中でつぶれてしまったり契約を途中で終わらせられる、なんてこともよくあります。

サブリース会社と契約をするとサブリース会社の言いなりになるような形になってしまうんですよね。

ちなみに家賃設定もサブリース会社の方で勝手に変えられてしまうことがあります。

当初思っていた内容で契約が進んで行かないので収益性がもちろん低くなってしまい、サブリース契約をしている方がマイナスになってしまうということが多いのです。

結果的にローンを支払うことができず物件を売却しなくてはいけなくなるというパターンをよく見かけます。

サブリース契約を途中で解約したとしても、家賃が下がりきっているところから管理を引き継ぐのは難しいです。

関連記事:サブリース(家賃保証制度)のメリットデメリットを解説

 

不動産投資をする上でカモにならないために必要なこと

 

一番大切なのは不動産投資は不労所得ではないということをしっかりと認識しておくということだと思います。

不動産投資はよく不労所得という表現をされることがあります。

しかし実際に不動産投資をしてみると、まったくもって不労所得ではないなと感じるものです。

物件を選ぶのも大変なことですし、実際に現地に行ってみないと分からないことが多いので労力も時間もかかります。

管理会社との付き合いも日常的に行っていかなくてはいけないものです。

不動産そのものが好きでないと続けられないものだと思います。

自分が楽しんで続けられるものなのであれば不動産投資はお勧めですが、物件にあまり興味がなかったり楽して儲けたいという気持ちで始めるのであれば不動産投資はお勧めできません。

関連記事:不動産投資物件の探し方!初心者は何から始めればいい?

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