収益物件を探している時に絶対に見る指標が築年数ですよね。
物件が建築されてから何年経っているか、ということを表しているのが築年数ですが、
古くなればなるほど、物件の価値は下がっていくものです。
では、築年数何年くらいでどれくらい価値が下がるものなのか。
私個人の肌感覚ではありますが、10年以上不動産投資をしてきて感じる築年数と不動産価格の関係について今回は書いてみたいと思います。
築40年で地価になる
体感ではありますが、築40年を超えてくると多くの物件は地価と同程度の値段になると思っています。
不動産というのは建物と土地、それぞれの価値を合計したものが不動産そのものの価値になるわけですが、
土地というのは余程のことがなければ価値が大きく変わることはありません。
例えば新幹線の新しい駅ができた、というようなことがあれば地価がかなり上がったりしますし、
財政破綻した市で新しく移り住んでくる人はいない、というようなエリアだとほとんど土地の値段もつかなくなっていくことはあります。
ただ、10年程度であれば、そこまで大きく変化することがないのが土地値です。
それに対して、建物というのは経年劣化がありますので、年々価値が下がっていくものと考えなくてはいけません。
どんなに立派な建物でも40年経つと価値がないに等しくなる、と考えた方が良いでしょう。
なので私は物件を見る時は、築40年以上のいわゆる築古と言われる物件であれば、
ざっくりとした坪単価をネットで調べて計算し、売り出し価格と見比べ、それよりも安ければ、購入を検討する、というような流れで評価することが多いです。
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築20年で半額
これも体感でしかないのですが、築20年程度で新築時の価格の約半分になる、というケースが多いかなと思っています。
新築時に4000万円だった物件は、築20年で2000万円程度になる、ということですね。
新築物件というのはやはり最初のうちがとても価格の下落率が高いです。
新築は誰かが1度住んでしまえば新築ではなくなりますので、そこでまず1回ガクンと価格が下がりますね。
築浅の数年の間はそこまで急激に下がることはないですが、10年経つとやはりそれなりに下がってきます。
そう考えると、新築や築浅の物件に投資するのは少しもったいないような気もしてしまいます。
もちろんどのような物件なのかによりますけどね。
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立地が良い物件は下落しづらい
20年経つと半額、40年経つと地価になる、というお話をしましたが、
もちろんこれは体感ですし、ざっくりとした感覚でしかありません。
そしてこういった数字が当てはまらない物件もあります。
それは駅近の物件だったり、人気のエリアに建っている物件です。
よく言うのは、区分マンションなどであれば、駅徒歩7分圏内。
徒歩7分以内の物件であれば、下落率が緩やかであるように感じます。
逆にこの7分の壁を超えてくると、下落がかなりのスピードで進んでしまう。
なので立地というのはとても重要ですね。
むしろ人気エリアの駅近物件なんかは、価格が上がったりすることもあります。
駅が近くて栄えているエリアなら、経年劣化があるのにも関わらずプレミアがついて価格が上昇するのです。
そういったことも考えて、築年数の数字を見ることができるようになると良いのかな、と思いますね。
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物件を見るときは土地値と建物で分けて考える
できれば中古物件を選ぶ時は、「いいかも?」と思った物件の売り出し価格を分解して考えてみるようにすると良いと思います。
物件情報には住所が掲載されていると思いますので、そのエリアの名前と坪単価でネットで検索してみます。
特定のエリアの平均坪単価はネットですぐにわかりますので、その坪単価と物件の坪数をかけて土地値を出してみる。
売り出し価格から土地値を引いた金額が建物の金額として設定されている金額です。
また、売り出し価格のうち、土地値がどれくらいの割合を占めているか、ということも見るべきポイントだと思います。
価格が高い物件でも、例えば土地値が半分くらいあるような物件であれば、
経年劣化によって建物の価格がゼロになってしまったとしても、土地値が半分残る、ということですよね。
逆に土地値の割合が低い物件は注意が必要です。
たとえ立派な建物で立地もよくても、土地値の割合が低い物件は価格が大きく下落する可能性があります。
立派な建物で入居付けがスムーズでも、売却したいと思った時にイメージしていた金額で売却することができないと結局赤字になってしまったりもするんですよね。
不動産投資初心者の方は多くの方が「購入する」ということに重きを置きますが、
購入する時に「売る時のことも考える」というのが重要です。
何年所有して、いくらくらいで売ることができそうか、ということを、築年数も踏まえて考えてみましょう。
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