賃貸物件において空き巣に入られてしまった場合、その責任はどこにあるのでしょうか?
物件には「空き巣に入られやすい物件」というものもあります。
そういう場合は「それを説明しなかったオーナーの責任」「防犯の面をもっとしっかり対策するのは入居者の責任ではないのではないか?」と言われることもあるでしょう。
賃貸物件の空き巣被害について、解説してみたいと思います。
空き巣に入られやすい物件の特徴
空き巣に入られやすい物件というのは存在するものです。
空き巣に入られた物件に共通する特徴というのが以下になります。
- 緑が生い茂っていたり、高い塀があるなど建物の構造上周囲に死角が多い
- 人通りに少ない場所に建っている
- 雑草などが伸びていて管理がきちんとされていない
- ピッキングされやすい鍵が使われている(シリンダーなど)
- 街灯が少なく、夜になると暗い
- ご近所づきあいがあまりない地域
空き巣が心配な方は、こういった特徴に該当しない家を最初から選ぶようにしましょう。
一度空き巣に入られたことがあるお部屋というのはまた同じようにターゲットにされてしまうこともあります。
空き巣に入る側にもそういった判断基準があり、「入りやすい家」という風に判断されてしまようです。
関連記事:アパートに防犯カメラを大家がつける時の注意点とメリット
空き巣被害が今までもあった部屋についての説明責任
空き巣に入られやすい部屋というものが存在するとお話しましたが、つまり管理会社やオーナーは「この部屋が空き巣に入られやすい」ということを知っている、ということになります。
過去に何度も空き巣被害にあったことがあるお部屋というのは、その旨を入居を検討している人に説明する責任があるのでしょうか?
一般的には、こちらの説明責任は不動産業者にはない、と考えられます。
事故物件だったり、契約を検討する時に重大な影響を及ぼす内容に関しては説明をする必要がありますが、
空き巣は必ず入るもの、と断定できるものではないので説明責任があるものとは言い切れません。
入居検討者から空き巣に入られたことがあるお部屋かどうか、ということを聞かれた場合はもちろん説明するべきでしょうが、
基本的にオーナーや管理会社側には説明責任はないと思って良いでしょう。
空き巣被害の責任はどこにある?
「空き巣被害にあったのは、十分な防犯対策がお部屋にされていなかったからだ!これは管理不足だ!」
というようなクレームが発生する場合があります。
ですが、基本的にはオーナーは「十分に使用できる状態でお部屋を貸し出す」という義務はあるものの、
「空き巣に入られないように防犯面もしっかりと対策をし、もし空き巣に入られたら責任を負う」というような義務は負っていません。
例えば
- ドアの鍵が壊れていて修理依頼をしていたのに一向に直してくれなかった
- 近隣の同じタイプの鍵のお部屋が次々に空き巣被害にあっていて警察から対策を促されていたのに何もしなかった
というような、管理側に故意・過失がある場合はその責任を問われることもあります。
とはいえ一般的な賃貸借契約書には
『甲(貸主)は天災・地震・火災・盗難等、甲の責に帰すことのできない事由により乙・表題部入居者及び関係者(来訪者等を含む)に生じた損害についてはその責を負わないものとする』
といった文言が記載されているのが普通です。
関連記事:大家は災害時、どれくらいの責任をとらなくてはいけないの?
空き巣に保険は適用できる?
実は盗難や空き巣という被害は火災保険でカバーすることができます。
火災保険はその名前から「家が火事になってしまった時のための保険」という認識を持っている人が多いと思うのですが、
自然災害によって被った被害と、盗難・空き巣にも適用されるんですね。
ただし、加入する火災保険によってカバー範囲はことなりますので、自身が加入している火災保険がどこまで保証をしてくれるものなのかはご自身で確認してみてください。
一番被害の多い自動車やバイク、申請をしていない高額なものに関しては保証されないので注意が必要です。
保証範囲を広くカバーするためには家財保険にも加入しておくと良いでしょう。
ドアや窓ガラスが破壊された場合も保証してくれるだけでなく、パソコンやテレビなどの電化製品、アクセサリーなどの貴金属類、現金なども保証してもらえる場合があります。
入居者がするべき空き巣対策
基本的に空き巣対策というのは入居者の方でやるしかありません。
- 新聞紙や郵便をためない
- ゴミなどを放置しすぎない
- 鍵をしっかりしめ、持ち歩くようにする
などの対策をしっかり行いましょう。
鍵を植木やポストなどに入れるのは危険なのでやめた方が良いです。
これらは空き巣にとっても検討がつきやすい場所に置いてあることが多いからです。
また、雑草などが放置されすぎている場合は管理会社などにお願いして掃除をしてもらうようにしましょう。