売買知識

タワーマンションは売れない?その理由を考えてみる。

多くの人の憧れになっているタワーマンション。

東京都心部でも次々とタワーマンションが乱立していっています。

 

このタワーマンションの人気を受けて、タワーマンションへの投資を考えている人も多いでしょう。

すでに投資している人もいると思います。

 

しかしこのタワーマンションがどんどん売れなくなってきています。

憧れの的となっているタワーマンションなのに何故売れないという現象が起きているのでしょうか?

 

2020年の東京オリンピックを境に、さらにタワーマンションは売れなくなるとも言われています。

 

都心でも空室率が上がってきている

 

日本は今どんどん人口が減っていっています。

超高齢社会になったのが2007年のこと。

出生率は2.0を下回ったままで、この少子高齢社会は依然として加速し続けています。

 

実は最近はこの現象が都心部にも影響を及ぼし始めています。

 

人口に対して高齢者の割合が高いのはやはり地方ですが、都心部でも高齢者がどんどん増え、孤独死も後を絶ちません。

人口が集中しやすい都心部ですら、空室率が上がってきているのです。

 

孤独死は不動産投資家にとっては深刻な社会問題です。

 

お部屋のクリーニングにも莫大な費用がかかりますし、場合によっては物件が事故物件扱いになってしまいますからね。

このような背景もあって、最近は都心部にあるタワーマンションでも売れないという現象が起きています。

関連記事:都心のワンルーム投資は本当に儲かる?そのリスクとは?

 

同じタワーマンション内で売却が重なる

 

タワーマンションは数百から千を超える戸数を有するものがほとんどです。

同じタワーマンションでいくつものお部屋が同時に売り出されるというのも珍しいことではありません。

 

そうなってきた時に、どうしても価格競争になってしまいます。

安いお部屋から売れてしまうので、売却しようとしてもなかなか希望の価格で売れなかったり、価格設定が難しく、ずっと売れないまま残ってしまう、ということが多々あるんですね。

 

さらに同時に同じタワーマンションのお部屋が複数売りに出されていることによって、買い手からするとそれが不信感に繋がってしまうこともあります。

「このタワーマンションはたくさん売りに出されているけど、何か問題があるのかな…?」と思ってしまうわけですね。

 

たまたま売却が重なっただけでも、それがマイナス効果になってしまうのです。

関連記事:中古物件の売却理由はどんなものがある?聞かれたら答えるべき?

 

タワーマンションの過剰供給

 

人口が減るばかりなのに、大型のタワーマンションが次々と建てられています。

最近は新築の値段も中古の値段も上がっているので、買いたいという人が少なくなってきてしまっている風潮もあります。

 

このままでは需要と供給のバランスが崩れ、価格は下がっていくしかないでしょう。

そうなると投資目的で買う人も少なくなり、よりタワーマンションが売れないという方向に向かっていってしまいます。

関連記事:マンションの1室のオーナーはアパート1棟買いとどう違う?

 

マンション管理形態の悪化

 

タワーマンション内の空き家が増えるということは、それだけ1世帯あたりが負担する修繕積立費や管理費が高くなってしまう、ということです。

 

建ったばかりのタワーマンションは良いかもしれませんが、今後を考えた時に、

修繕するべきところがあるのに修繕費用がまかなえなくて修繕ができない、といったことが起こってくる可能性が高いです。

 

マンションの管理体制が悪くなっていけば、さらに物件が売れなくなっていくでしょう。

負の連鎖が始まってしまうのです。

 

築年数が10年〜15年ほどになった時点で管理費や修繕積立費用を値上げするマンションは多く、

購入時よりも1.5倍ほどの値段になってしまう例も出てきています。

関連記事:地方のマンションに投資!地域や物件の選び方は?

 

タワーマンションの不便さに気付き始めている

 

タワーマンションは憧れの存在でもありますが、住んでみて気づくデメリットもあります。

 

  • 戸数が多すぎてエレベーターが通勤ラッシュ時に混む
  • 最寄駅が通勤ラッシュ時に混む
  • 家の出入りに時間がかかる
  • 上の方の階だと体調が悪くなる人もいる

といったようなことです。

 

実際に住んでみないとわからない部分が多く、タワーマンションに住んでみたら思っていたよりも不便だった、という話はよくある話です。

関連記事:湾岸エリアのタワーマンションに実際に住んでみて感じるメリットデメリット

 

海外投資家の撤退

 

空き家が多いのにも関わらず新築マンションが建設され続ける理由の一つに「海外投資家が投資目的で購入するから」というものがあります。

 

  • 中国
  • 台湾
  • 韓国

などのアジア圏の投資家が多いです。

ですが、価格が下がってくればこれらの投資家は一斉にマンションを手放すでしょう。

 

中国の方のタワーマンション購入のピークは2015年だったと言われています。

もう投資家たちは香港やイギリスの不動産の方に流れていっているという話もあります。

関連記事:ホテルの一室を購入して投資をする!ホテルコンドとは?

 

タワーマンションにはどんどん売れない理由が増えてきてしまっているのが現状です。

自宅として考えるならまだしも、投資として考えるには立地などの「価格が下がってもある程度売れる要素」がある物件を選ばないと危険かもしれません。

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