賃貸経営を行うオーナーとしては、賃貸をペット可にするのはとても勇気のいることです。
ただ、ペットを飼う人が増えている中、ペット可物件が人気な地域もあります。
ペット可にすることによって増えてしまうのが賃貸トラブル。
今回はペットに関する賃貸トラブルについて紹介していきたいと思います。
ペットに関する賃貸トラブル
鳴き声や足音
ペットに関する賃貸トラブルの中でも一番多いのが鳴き声や足音などの騒音に対するクレームです。
クレームが出た場合迅速にその部屋の入居者に通告をし、
ペットにしっかりとしつけをしてもらうようにしましょう。
犬や猫に関しては、専門のトレーナーに以来をすることによって無駄吠えをなくすことができる可能性が高いですし、
超音波などで吠えるのをやめさせるようなグッズも販売されています。
窓や壁に吸音材などを貼り付けるのも効果が高いと言えるでしょう。
地面を掘る修正がある動物に関しては足音がうるさいというクレームが入ることもありますので
そういった場合は、ペットの移動範囲を仕切りなどを作って制限し、その場所のみマットなどを敷くという対策をしてもらうように促すと良いと思います。
臭い
臭いに関するトラブルも多いです。
これはどうしてもペットを飼っている人とそうでない人に差が出てしまう部分で、敏感さは個人差があるものですし
ペットを飼っている人からすると「慣れた臭い」になってしまうのでしょう。
よくあるのは排泄物の臭い。
さらにエレベーターなどでペットの臭いが着いてしまう、というようなものです。
エレベーターに乗る際は必ずペットを抱えるようにしてもらう、あるいは専用エレベーターを作るか、ペット同伴の時はエレベーターを禁止する、などのルールを設けた方が良いでしょう。
また、排泄物の臭いを抑えるエサや消臭グッズなども多く販売されています。
定期的にペットをシャンプーしてあげる、というような対策を撮ってもらうのも良いでしょう。
部屋の損傷
オーナーとして一番気になるのはこの部分ではないでしょうか。
前項の臭いに関してもクロスなどに染み付いてしまうものですし
ペットが引っ掻いたりすることによって、一般的な賃貸物件よりも原状回復に費用がかかってしまうことが往々にしてあります。
この場合は敷金とは別に、ペットと住むことを承諾するにあって1〜2ヵ月分多めに敷金を設定しておく、という対策があります。
もちろん場合によってはその金額から原状回復費用が出てしまう場合もあるでしょうし
逆に預かっている敷金よりもずっと原状回復費用が安く済む場合もあるでしょう。
そういった時に余った敷金を返金するのか、返金するのであればリフォームの明細などを開示するかどうか、など
トラブルになりやすい部分でもあるのでしっかりと決めておき、賃貸借契約書に明記しておくことが大切です。
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入居者が規約に違反した場合
ペットと一緒に入居を希望する入居者にはしっかりと事前にチェックする事項を設けておきましょう。
その規約に違反があった場合は、最悪の場合退去してもらうことがあることも賃貸借契約書に明記しておきます。
また、建物全体のルールとして定めている規約条件に合致しないけれど、入居を希望している人がいる場合(規約の上限頭数を超えている、ペットが許可されている種類の動物ではない)
家賃アップなどを条件に承諾するオーナーもいます。
とにかくしっかりと入居者の現状の条件を把握し、
お互いに注意事項や規約を理解しておくことが大切です。
規約が守れない場合は他の入居者の退去原因になってしまうこともありますので
退去してもらうことも視野に入れて、速やかに対応をしましょう。
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ペット不可の物件について
もしもペット不可の物件で入居者が断りなくペットを飼ってしまっていることがわかったら
もちろん契約違反となりますので、退去してもらうことができます。
さらに、敷金は返金しなくて良いものだと考えられるでしょう。
ペットと暮らすことで生じたであろう傷などの原状回復をするために高額な費用がかかることもありますので
契約時に入居者から預かっていた敷金以上の金額を損害賠償金として請求することも可能です。
契約違反をして入居をしている入居者が全面的に悪いので、こういった場合はオーナー側に入居者はしたがってもらうしかありません。
ペットのトラブルを回避するために
ペット可の賃貸物件ではどうしてもトラブルが起きやすくなってしまうものですが
事前にチェック事項を設け、賃貸借契約書に明記しておくことも細かくすることによってトラブルをある程度避けることができます。
最近では少子化も進んでいるので、都心でもペットを飼う人が増えています。
競合となるような類似物件との差別化をするために、ペット可という条件を検討してみるのも良いのではないでしょうか。
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