賃貸物件で地震によって壁にひびが入ってしまった!ということもあるかと思います。
地震大国である日本では、地震も大きなリスクになりますよね。
今回は地震で入ってしまった壁のひびについて、修繕費は誰が負担するのか、
ひびの種類や保険などのことも掘り下げて解説していきたいと思います。
建物の損傷はオーナーが修繕しなくてはいけない
基本的に建物の損傷に関してはオーナーが修繕を行わなくてはいけません。
オーナーには「建物を安全に生活ができる状態で借主に貸し出す」という義務があるからです。
地震などの外的要因によって物件に損傷が出てしまった場合でも、
誰が悪いということではないので非常に辛い話ではあるのですが、「住める状態で提供するからこそ賃料をもらえる」という根本的なところを考えると
やはりオーナーが修繕の義務を担うのは当たり前のことなのです。
ただし、人的被害やお部屋の中になる家財(家具や電化製品など)に対しては責任を負う必要はありません。
そちらはオーナーの管理しているものではないからです。
ただし、「入居者が置いてはいけない場所に物を置いていたせいで、地震で建物に損害が出てしまった」というような場合は、
入居者に賠償責任があります。
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ひびの原因
壁にひびが入るのは、地震だけが原因ではない場合があります。
ひびの原因について、いくつか解説してみたいと思います。
振動
自動車や電車などの振動がよく伝わってくる物件の場合は、常に振動による負荷が壁にかかり続けています。
大きな振動ではなくても、こういった小さな振動がずっと続く物件には負荷がかかり続けていますので、
この負荷に耐えられなくなったところからひびが入っていきます。
乾燥
壁には吸水力があり、水が付着すると自然と水を吸い込むのですが、
逆にその水が蒸発する時に壁が収縮してしまいます。
この負荷によって外壁や塗装部分にひびが入ることがあります。
不同沈下
建物の建っている地盤が建物の重みなどによって沈下していくことがありますが、
場所によって負荷の大きさが違うために、全ての地盤が均等に沈下していく、ということは有り得ません。
つまり沈下が激しいところとそうでもないところがバラバラになるため、建物が歪みやすくなるのです。
これによって壁にひびが入ることがあります。
塗装
建物の塗装部分が経年劣化によって剥がれていき、
そこをもとにしてひびが入ることがあります。
ひびにもいろいろな種類があり、全てが地震のせいとは言い切れません。
もともと普段から振動によって負荷がかかっていたことによってひび割れ寸前の状態になっていたのに、
そこに地震がきた、という場合もあるのです。
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地震保険が使えるかも!
地震による賃貸物件への損害があった場合は、オーナー負担で修繕を行わなくてはいけない、というお話をしましたが、
地震保険に入っていれば補償金が出ることがあります。
外壁工事などになってくるとかなり高額な費用がかかってきてしまいますので、「出来れば今じゃなくてもう少し見送りたい」と思うオーナーも多いと思いますが、
時間が経てば経つほど酷い状態になってしまって、もっと修繕費ようが高くついてしまうこともあります。
台風などの自然被害による損害は火災保険が使えますし、
地震被害の場合は地震保険が使えます。
ただし、特約などがあって、どこまで加入するかによってどこまで補償してもらえるのか、ということが大きく変わってきますので
保険に加入する時はそういったところを細かく確認しておく必要があります。
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住宅の点検にかかる費用
ひびにも種類があり、外壁の塗装部分の剥がれ程度であればそこまで問題視する必要もないものが多いですが
場所によっては放置しておくと危ないケースもあります。
しかしそれを素人が判断するのはとても難しいこと。
小さなひび割れの場合はコーキング材などを使って自分でなおしてしまおう、というオーナーもいますが、
その判断そのものが間違っていることもあります。
できれば住宅の構造点検を業者にお願いした方が良いでしょう。
内装の点検くらいなら無料でやってくれる業者も多いです。
構造からしっかり点検する場合は、どこまで点検を行うかによりますが、費用は5万円〜10万円が平均。
決して安くはなく、逆に安い業者に頼んでしまうとしっかり修繕をしてもらえないこともあるので、
見積もりをしっかり出してもらい、いくつかの業者で比較するのが良いかもしれません。
いずれにせよ、ひびをそのままにしておくと大規模地震での東海リスクが高まったり、
二次被害を招いてしまうこともあります。
ひびは水漏れやシロアリなどの原因になることもありますから、なるべく早めに対処した方が良いでしょう。