バブル時代によく聞かれた言葉で「不動産転がし」「土地転がし」というような言葉がありました。
バブル時代を生きた人たちには「チバリーヒルズ」なんて言葉も懐かしいのではないでしょうか。
不動産の転がしというのは簡単に言えば土地の転売というものになりますが、 これは違法行為ではないのでしょうか?
コトバンクによると「土地転がし」は以下のような説明となっています。
土地を安いときに買って,高くなってから売却する行為を土地投機というが,そのうちでも特に悪質なものを指す。
値上がりが見込める土地を買い占め,転売しては買い戻すことを繰り返して地価をつり上げ,最終的に高額で売却し暴利をむさぼる行為。
多くは地上げ屋が絡んでおり,その陰に大手企業の存在がうかがわれることも多い。
かなり悪い意味合いのように書かれていますが、実際のところ不動産転がしというのはどういったことで
現代においても儲けを出すことができる投資の仕方なのでしょうか?
不動産の転がしとは
不動産の転がし、というのは安い土地を買ってその土地を高く売るということを繰り返しして儲けを出していく投資方法になります。
単純に土地を売買するシンプルな内容になりますので、そこで利益が出たとしても違法行為にはなりません。
売買利益を増幅させていく投資方法と言えます。
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不動産転がしで儲かる?
土地の転売で多くの儲けを出すことができるのであれば、その投資方法を試してみたいという人が出てくると思いますが
不動産転がしという言葉が流行ったのがバブル時代というのもあり、不動産転がして利益が出るというのは時代の力によるものが大きいです。
実際のところ現在ではバブル時代と法律や税制度も変わっていますし、何より景気が違いますので
不動産の転がしだけで儲けていくというのはなかなか難しいものなのです。
急速な経済成長を遂げた日本では、バブル時代に「不動産を持っているだけで不動産の価値が上がっていく」という今では信じられないようなことが起きていました。
しかし現在では不動産を所持しているだけでは維持費もかかってきますのでマイナスになることの方が多いです。
売りに出したとしても、必ず買い手が見つかるという保証もありません。
現に買い手が見つからずに値段を下げざるを得ず、結果として損をしてしまうというケースが少なくないのです。
単純な土地の転売で儲けを出すことができるような時代ではありません。
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転売に関して知っておきたい短期譲渡所得について
所有している土地を短期で売りに出すということは違法にはなりませんが、所有している期間が短いことによって不利になってくることがあります。
「短期譲渡所得」という税制度があり「売却した年の1月1日現在で所有期間5年以下」の不動産を売却した場合は通常よりも高い税金がかかってきます。
短期譲渡所得の場合にかかってくる税金は30%の所得税と、9%の住民税が課税。
これを合計すると39%の税金が課税されるということになります。
これに対して1月1日現在で所有期間が5年を超えている不動産の場合は所得税が15%で住民税が5%。
合計しても20%ですので、短期譲渡所得の場合とかなり課税される税金に差があります。
ちなみに現在は売却した年の1月1日現在で所有期間5年以下であっても5年を超えている場合であっても
平成49年までの特例措置として土地の売却益には復興特別所得税として2.1%が上乗せされています。
ただ
- 公共事業のために売却…5,000万円
- マイホームの売却…3,000万円
- 特定土地区画整理事業…2,000万円
というような控除額が設定されており、短期譲渡所得の場合でも、税金が控除される場合があります。
土地の転売で利益をあげるコツ
土地の転がしではなかなか利益が得づらい昨今ですが、それでも土地を転売することによって利益を得られることがあります。
バブル時代のように土地の転売だけで大儲けというのは難しくても、要点を抑えておくことによって土地の転売で多少の利益を上げられるかもしれません。
土地の売却情報をいち早く仕入れる
キャピタルゲインを得るためには土地の売却情報をいち早く手に入れられるような情報網を確立するということが一番大切です。
転売によって得られる利益の幅を広げるためには「安く手に入れて高く売る」というのが鉄則です。
売るタイミングを見計らうだけでなく買うタイミングも常に探しておかなくてはいけません。
そのためには不動産業者と密にやり取りをし、業界界隈での繋がりを持っておくことが大切です。
土地の将来を予測する
その土地が将来的に価値が上がる土地なのかどうかということを見極める目も必要でしょう。
今の価格ではなく長期的に見た時にどのように変化していくかということを予測する力をつける必要があります。
そのためには色々な土地を巡ってその土地の雰囲気や、土地に根付く文化なども研究する必要があります。
実際、不動産投資家は自分の足を使って、土地について学ぶことが趣味だという人が多いです。
駐車場経営や賃貸経営
良いタイミングで土地を売ることができるように、不動産の維持費をカバーできるような経営を考えていくというのも一つの手段でしょう。
不動産の転がしとは少し意味が離れてしまうかもしれませんが、不動産を持っているだけで税金がかかるのでマイナスになってしまうものです。
所持をしているだけでマイナスになってしまうというところをカバーできるような無理のない経営をしていき
売り時のタイミングで不動産を売却することができればキャピタルゲインを得られる可能性はぐっと高まります。
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