不動産の購入の流れをざっくりお話しすると、
- ネットなどで情報を見て、良い物件を探す
- 良い物件があれば問い合わせをして話を聞き、内見の申し込み
- 内見
- 不動産が気に入れば、買い付け申込書を書く(この時値引き交渉や条件なども意思表示)
- 買主との交渉がうまくいけば、売買契約を結ぶ(手付金の支払い、不動産仲介業者に仲介手数料の支払い)
- 物件引き渡し、残代金の支払い
という流れになります。
今回は上記の中で言う④の、買い付け申込書についてです。
買い付け申込書は何のために書く?
買い付け申込書は
この物件を購入したいです!
という意思を売主に対して表明するために書く書類です。
購入申込書や買付証明書など、色々言い方はあります。
買い付け申込書は、不動産仲介業者に用意してもらうのが一般的で、特に決まった書式はないので、不動産業者によって少しフォームが異なることがあります。
印鑑が必要な場合もあれば必要ない場合もあるんですね。
売主は、
この不動産を買ってくれる人いませんか〜!
という意図で物件をネット上などに掲載しています。
それに対して「買いたい!」という人が複数出てくる場合もありますので、その不動産を購入したい人の人数やそれぞれの条件の把握のために、それぞれに買い付け申込書を書いてもらうのです。
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買い付け申込書に記入する項目
買い付け申込書には、その不動産を購入するにあたって希望する購入金額を記載します。
例えば3000万円で売られている物件に対して、買い付け申込書で2800万円と記入するのは問題ありません。
普段あまり不動産の売買をしない人からすると、
3000万円で売り出されているなら3000万円で買わなきゃいけないんじゃないの?
と思うかもしれませんが、不動産業界では指値(さしね)と言って、売り出し価格よりも安い金額で購入希望を出すことが可能ですし、指値をすることは当たり前のことなのです。
ただ、理由もなく指値をしても通らないことが多いので、できれば指値をする際はそれらしい理由をつけた方が良いです笑
例えば私の場合だったら、中古の区分マンションを購入するにあたって残置物があり、売主が売り急いでいるとのことだったので、「現況渡しOKです、残置物こちらで処理するので金額もう少し下げられませんか?」という交渉をし、指値が通ったことがあります。
他にも、
- 床やクロスの張り替えが必要
- 水回りのリフォームが必要
といった理由を入れて、中古物件は指値をすることが多いです。
とはいえ、売り出し価格から大幅に指値をしてしまうとどうしても売主の心象も悪くなります。
できれば仲介業者さんに、
金額交渉はどれくらいまでいけそうですか?
と聞いてみると良いでしょう。
仲介業者さんはあくまで仲介の立場であり、売買を円滑に進めるための進行役のようなポジションです。
割と「この物件なら交渉結構できると思いますよ!」というようなご回答をいただけることもありますので、仲介業者さんにはラフに相談してみて良いと思います。
中には「この物件はこういう経緯があって、なかなかもう金額の交渉は難しいですね…」というものもあります。
売り出してからなかなか買い手がつかず、値段をどんどん下げているような物件は、こういった価格交渉の難しい物件になりやすいです。
購入希望金額以外に買い付け申込書に記載することは主に内容のようなことです。
- 住所・氏名
- 物件情報(物件名、所在、面積など)
- 購入条件(購入希望金額、手付金の金額)
- 融資特約の有無
- 契約希望日
- 有効期間
申込書の記入に慣れていないくても、基本的には仲介業者の方が丁寧に教えてくれると思います。
なので相談しながら書けば大丈夫です。
上記以外にも、年収や勤務先などを記入する場合があります。
また、ローンを組んで物件を購入する場合は、融資特約有りで申し込みをします。
これは、ローンの審査がおりなかった時に、契約をなかったことにする、ということができる特約のことです。
売主に複数の申込書が届いている場合
人気物件の場合は売主の元に複数の買い付け申込書が届く場合があります。
基本的には先着順ということにはなるのですが、売主側も、
なるべく高く買ってくれる人に売りたい!
と思うのが普通です。
そのため、基本は先着順ではあっても、購入希望額が高い金額になっている方の方が優先されることももちろんあります。
また、融資で購入する人よりは現金で購入したい、という人の方が有利です。
なぜなら融資は審査が通るかわかりませんし、現金購入なら融資審査もありませんから、よりスムーズに売買を進めることができるからです。
そういったところも加味して、購入希望額をあえて売り出し価格と同じ金額にする、ということはあります。
指値をしない方が買いやすい、というのはあるでしょう。
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