不動産を購入する時にローンを組んで購入するという人は多いと思います。
そういう場合、ローンの本審査をする前に売買契約を結ぶこともあります。
ですが、ローン審査を終える前に売買契約をすると、
もし審査が通らなかったらどうなるんだろう…ローンがおりないのに買う、なんてできないしなぁ…
と、買主の方は不安になるでしょう。
通常ローンを組んで不動産を購入する場合は、
ローンがもし通らなかったら売買契約を無しにしますよ、という特約というものを売買契約書に記載します。
この売買契約を無しにする、というのが「白紙解除」という言葉の意味です。
売買契約を結ぶ時に手付金の支払いもありますが、白紙解除となれば手付金もしっかり返金されます。
ローン審査は事前審査と本審査、2回ある
住宅ローン審査の場合は、
- 事前審査
- 本審査
の2回、ローンの審査があります。
そもそもなんで審査が2回あるのか、という話ですが、
本来であれば住宅ローンを借りるためには本審査だけで良いものなんですね。
ただ、本審査を行うには契約書や重要事項証明書が必要で、売買契約締結後でなければ本審査は行えないことになっているのです。
売主からすると、不動産を売りに出した時に「その物件を買いたいです！」という申し込みが複数の方から来ます。
その中で、「この人に売りたい」という人と交渉を進めるわけです。
基本的には申し込みが一番早かった方で進めることが多いですが、売主も一番高く買ってくれる人に売りたいですから、必ずしも申し込みが入った順番というわけではありません。
申し込みを行ってくれた買主には事前審査をしてもらって、「その人がローンが組めそうかどうか」ということを事前に調べるという意味合いがあります。
売主にとっても「この人に売ろう」と決めてからは他の申込者に「今回はすみません」と伝えなきゃいけないですし、
市場からその不動産は消えることになりますので、機会損失があります。
事前審査でローンが組めそう、ということがわかってから、売買契約をしてローンの本審査へと進むわけですね。
事前審査も本審査も、売主や買主、双方が安心して売買を進めるために必要なものなのです。
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白紙解除となれば手付金は返ってくるけど、印紙代はマイナス
ローン審査が通らなくて白紙解除となった場合、基本的に事前に支払った手付金はそのまま買主に返金されるはずです。
白紙解除は契約をなかったこととする、という意味なので違約金などが発生することもありません。
手付金も物件価格の5%〜10%程度が一般的なので、物件の規模にもよりますがそれなりの金額になります。
そうすると買主側も「もしここでお金が返ってこなかったら…」と不安になってしまうものだと思います。
ですが、売買契約を締結してからじゃないとローンの本審査ができないのに、その本審査が通らなかったら、契約を解除するのにお金がかかる、なんて仕組みになっていたら、みんな不動産をローンで購入するのが怖くなってしまいますよね。
不動産売買は売主も買主も不利にならないように、ちゃんと仕組み化されていますので安心してください。
少し煩雑でわかりにくいところもあると思いますが、仲介業者の方にも質問すれば丁寧に答えてくれるはずです。
むしろそこでしっかり答えてくれない仲介業者なのであれば、その業者はやめておいた方が良いでしょう。
ただ、売買契約書を作成するにあたって印紙税という税金はかかります。
これは課税文書を作成する時に納税しなくてはいけないお金になりますので、白紙解除となっても印紙税は返ってきません。
これだけは仕方ないですね。
重要事項説明はしっかり聞いておこう
売買契約を結ぶ時に重要事項説明という説明があります。
これは売買契約書に書いてあることをしっかり確認するための作業ですが、この時に特約の説明もされるはずです。
- ローン特約がしっかり盛り込まれているか
- ローンが組めなかった時に白紙解除をすることができるか
- その時に手付金は返金されるのか
ということは、この時に今一度確認しておくようにしましょう。
一般的にはローンを組む時にローン特約がつくこと、ローンが通らなかった時に白紙解除ができることは記載されているものですが、
売買契約書は不動産によって内容が変わるものです。
そのため、必ず内容をきちんと理解しておくことが大切です。
分からないことはその都度その場で確認するようにしましょう。
大きなお買い物ですので、そのあたりは慎重に進めた方が良いです。
ローン特約以外にも特約でよく付いている内容のものをまとめた記事もありますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。