普段は投資用として不動産を購入しているのですが、今回は住宅ローンを組んで自分が居住する用の不動産を購入しようと思い、都内で中古区分マンションを探していました。
住宅ローンを組んで不動産を購入するにあたって、
売買契約を締結する前に行う金融機関の事前審査と、売買契約締結後に行う本審査の2つの審査があります。
これはどのような違いがあるのか、そしてどうして2回審査が必要なのか、ということを今回はまとめていきたいと思います。
事前審査と本審査は目的が違う
事前審査と本審査の大きな違いは、その審査の目的にあります。
事前審査では「融資をできるかどうか」が審査され、
本審査では、「本当に融資していいか、どのような条件で融資をするか」を決めるために審査が行われます。
事前審査は融資ができるかどうかが審査されるものなので、簡単に審査が行われ、回答も早いです。
それに対して本審査ではどのような条件で融資をするか、ということがしっかり見られるので、回答までに少し時間がかかります。
関連記事：不動産投資で融資を受けるには年収はどれくらい必要？
審査はいつ行う？売買の流れ
では事前審査と本審査はどのタイミングで行われるのか、ということを見ていきましょう。
- 事前審査は売買契約を結ぶ前
- 本審査は売買契約を結んだ後
に行われるのが基本です。
本審査の方は売買契約を結んでからでないと審査ができないのが一般的なのです。
ですが、色々な物件を見て、
この物件いいかも！
と思っても、その物件で融資が通るかわからないままに色々進めてしまうと、あとで「融資が通らなかった」といった時に、
それまでの時間が無駄になってしまいますし、売主側も時間を割いて対応したのに融資が通らなかったら無駄な時間だった…ということになりかねません。
なので、良いと思った物件が出てきたらその時点で事前審査を通す、というのが一般的なのです。
融資審査をいつ行うか、ということに着目しつつ売買の流れを見てみると、
- ネットなどで検索して、良い物件を探す
- 良いと思った物件が見つかったら問い合わせをして、内見の申し込み
- 内見した上で「買いたい」と思ったら、物件へ買付申し込み（金額交渉などもここで行う）
- ローンを借りる金融機関を決めて、事前審査の申し込み
- 即日〜3営業日程度で事前審査の結果が出る
- 売買契約締結、手付金の支払い、仲介業者への仲介手数料の支払い、ローンの本審査の申し込み
- 1〜2週間程度で本審査の結果が出る
- ローンの契約
- 決済（残代金の支払い）、引き渡し
こんな感じです。
ローンの本審査は売買契約を結んだ後でしか通すことができないので、売買契約を結ぶ時に一旦手付金の支払いがあります。
手付金は売主との交渉で決まりますが、物件価格の5%〜10%程度の金額が一般的ですので、それなりの金額になります。
ローン審査の結果が出る前にそんな大金を支払うのは心配！
と思われるかもしれませんが、ローンを組んで不動産を購入する場合は、売買契約書に必ずローン特約という特約が記載されるはずです。
このローン特約は、「もしローンが通らなかったら、この売買契約はなかったことにしますよ（白紙解除）」という内容のものです。
この場合はもちろん支払った手付金も返金されます。
ただ、売買契約書の中身は不動産によってかなり変更されるものです。
ローン特約がつくのは一般的ですし、大丈夫だとは思いますが、重要事項説明（売買契約を結ぶ時に、内容を一通り説明してもらえる）の時に必ず確認しておくようにしましょう。
ローン審査で見られる項目は？
金融機関ではおもに審査項目として以下のようなものが見られます。
- 完済時年齢
- 健康状態
- 担保評価
- 借入時年齢
- 年収
- 勤続年数
- 連帯保証
- 金融機関の営業エリア
- 返済負担率
また、事前審査と本審査では少し見られるポイントが異なります。
事前審査
事前審査は売買契約を結ぶ前に仮で行うもので、簡単な情報を元に素早く回答するものです。
最低限必要な
- 本人確認書類（運転免許証や保険証など）
- 源泉徴収票
などをもとに行われる審査になります。
借り入れ希望額に対して滞りなく返済することができる収入があるか、
住宅ローン以外の借り入れなどがないか、
また個人の信用情報に懸念がないか、といったところが見られます。
関連記事：不動産のローン審査、信用情報がどれくらい関係する？
本審査
本審査は1〜3週間程度かけて慎重に行われます。
必要な書類としては、
- 印鑑証明書
- 住民票
- 物件関係書類（売買契約書、重要事項説明書、工事請負契約書、建築確認申請書など）
といったものが必要になります。
事前審査でチェックした返済能力をさらに細かく再検証し、
物件に関しても、担保評価（もし返済できなかった時に物件を差し押さえるため、その物件にきちんと価値があるかどうかを評価する）を行ったり、違法建築などではないか、といったことも審査されます。
事前審査後に行われる本審査では、
事前審査の後に借り入れが増えていたり延滞が生じていたりすると本審査が通らないことがあります。
事前審査後に家を購入するのにあわせて車を新しく購入した人が、本審査で落ちてしまった、という話もあります。