不動産を購入した場合必ず入らなくてはいけないのが所有権移転登記というものです。
不動産を売買するのが初めてという不動産投資家の方にとって、売買するだけでも難しいのに
それ以外にも色々やらなくてはいけないことがあって大変ですよね。
今回はこの所有権移転登記について、どのような手続きなのか?、どのような流れで行えばいいのか?、どれくらいの費用がかかるのか?ということを解説していきたいと思います。
登記とは
不動産の所有権が移転した時に行われるのが所有権の移転登記です。
不動産売買だけでなく不動産の
- 遺贈・贈与
- 相続
などがあった場合も不動産の移転登記が必要になります。
不動産移転登記を行うことで不動産の所有権や地上権、抵当権、借地権といったその不動産にまつわる様々な権利を公の帳簿である登記簿に記載し、誰もが見られるように一般公開します。
それによって「この不動産の所有権はこの人にある」ということを証明することができるようになるのです。
関連記事:不動産を購入したら税務署からお尋ね文書がきた!どうしたらいい?
所有権移転登記を行う必要性
様々な理由で所有権移転登記が行われない所有者不明の土地や建物が日本全国で増加し続けていました。
実は登記されていない不動産というのはとても多いのです。
ですが2020年を目標に政府は不動産登記の義務化を検討しています。
このように登記は任意であるのにも関わらず、どうして行うべきなのでしょうか?
登記簿に所有権が記載されて、誰でもそれを確認できる状態になることによって不動産の所有者は所有権を主張することができます。
逆を言えば登記されていない不動産というのは所有権を主張することができない不動産ということです。
悪徳な不動産業者が複数の人に同時に不動産を売りつける、というような詐欺もあり、
その時に登記を行っていないと自分の所有権を主張することができないので購入金額を払ったにも関わらず、不動産が自分のものにならないということがあるのです。
不動産の所有権を公に主張することができるように、不動産を購入したら、速やかに所有権の移転登記を行いましょう。
関連記事:不動産購入時に注意したい嫌悪施設とは?
不動産購入以外でも登記を行うケース
不動産を売却または購入した場合以外でも不動産登記を行うケースがあります。
不動産の所有者が亡くなって相続人となった場合
不動産を所有している人が亡くなった際、遺言書の確認や遺産分割協議に従って相続した不動産の所有権移転登記を行います。
生前贈与で不動産を譲り受けた場合
不動産の所有者名義が変更になることによって贈与税は発生しますし、固定資産税も支払っていかなくてはいけません。
それらを支払いたくないがために所有権移転登記を行わず放置されることが多いです。
離婚して財産分与が発生した場合
財産として不動産があった場合は不動産の名義を夫から妻に変更したり共有名義を解消するために所有権移転登記を行うケースがあります。
この場合は原則として2人で共同で手続きを行う必要があります。
関連記事:不動産を共有名義で持つことのメリットとデメリットを解説
不動産を購入し所有権移転登記する時の必要書類
不動産を購入し所有権移転登記する場合は
- 住民票…300円程度
- 資格証明書…500円程度
が必要になります。
資格証明書に関しては買主が会社の場合に必要なものになります。
発行後3ヶ月以内のものを法務局で取得しましょう。
所有権移転登記の申請でかかる費用
必要書類を揃えるための取得費用意外に登録免許税という費用がかかります。
これは不動産の固定資産税評価額に税率をかけて計算するもので、売買の場合は2%になっていますが、2021年末までの間に登記をすると税率が1.5%となる軽減措置があります。
司法書士へ支払う報酬に関しては5万円から10万円程度が相場となっています。
司法書士に依頼をするのが一般的ではありますが、所有権移転登記を自分で行うこともできます。
登記申請書の様式は法務局のホームページで公開されているのでこちらを使い、購入する不動産を管轄する法務局に提出します。
とはいえ、融資を受ける場合は指定の司法書士に依頼することが融資条件となっていたりすることもあるので、
実務レベルでお話すると所有権移転登記を自分で行う方は非常に少ないです。
関連記事:不動産投資で築古物件を購入する時に気をつけるべきこと
所有権移転登記の流れ
不動産売買では代金の授受と引渡しを同時に履行します。
代金を払ったのに引き渡しがされないというような状態を避けるためです。
とはいえ不動産登記には時間がかかるので、売買代金から手付金を差し引いた残額を支払う時、もしくはローンを利用する場合は融資実行の時に売主から移転登記をしてもらうことになります。
残金を支払う時に司法書士に立ち会ってもらい、権利書や印鑑証明書などの必要書類を売主が司法書士に渡したことを確認してから支払いを行いましょう。
専門家である司法書士が立ち会ってくれれば、所有権移転登記は特に難しい手続きではありません。
何かトラブルがあった時にきちんと自分の所有権を証明できるように登記は必ず行うようにしましょう。
関連記事:中古物件を購入する時は火災保険に入るべき?加入必須なの?