不動産投資での利益は、主に
- 物件の入居者から毎月いただく家賃(インカムゲイン)
- 物件を売却した時に出る売却益(キャピタルゲイン)
があります。
日本での不動産投資の場合は、主に家賃収入の方がメインとなります。
経済成長が目覚ましい国の場合は、投機的な意味で物件を購入して、物価の上昇とともに売却、その売却益で利益を出す、といった不動産投資方が主流になりますが、
日本の場合は近年、急激な経済成長をしているわけではありませので、基本は家賃収入がメインになっている、ということですね。
高度経済成長期にはなんでも良いから物件を購入しておけば絶対に価値が上がる、と言われた時期もあったようですが、今では考えられません。
さて、今回はこの売却益について、
売却益の考え方と、どんな物件であれば売却益が出そうなのか、ということを書いて行きたいと思います。
不動産売却益とは
不動産売却益とは不動産を売却して出た利益からかかった経費を差し引いた金額のことを指します。
不動産業界の言葉で言うと「譲渡所得」ですね。
【不動産が売れた価格】-{【譲渡費用(売却するのにかかった費用)】+【取得費(不動産を購入した時の費用)】}-【控除金額】
という計算式で求めることができます。
譲渡費用は不動産仲介会社に支払った仲介手数料や、印紙税といったものを含めます。
また取得費に関して、
不動産を購入する時は、不動産を購入した時の価格とは別に、
仲介手数料や、購入時に支払った税金などもありますよね。
またリフォーム費用などもかかっているはずですので、それらも取得費に含めます。
この計算で残った金額が売却益となります。
物件によってはマイナスになる場合もあるでしょう。
関連記事:不動売却時にかかる費用には何がある?
不動産売却益にかかる税金
不動産の売却益には譲渡所得税という税金がかかります。
譲渡所得税=不動産売却益×税率
という計算式で求めることができますが、この税率は不動産の所有期間によって変わります。
売却する年の1月1日時点で5年経過していれば、長期譲渡所得となり、
5年以下だと短期譲渡所得となります。
- 長期譲渡所得の場合の税率…20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)
- 短期譲渡所得の場合の税率…39.63%(食税・復興特別所得税30.63%、住民税9%)
つまり長期で物件を所有していた方が、売却益にかかってくる税金は少なくて済む、といううことですね。
ちなみに売却益が出ない場合や、マイナスになってしまう場合はもちろん譲渡所得税は課税されません。
関連記事:長期譲渡所得とは?不動産売却時に知っておきたい節税知識
不動産投資では売却するまでが重要
不動産投資をやってみたいという方は、物件を購入すること、そして家賃収入を得ること、までの想像で止まってしまっている方が非常に多いです。
実際には、不動産投資で一番考えなくてはいけないことは「売却する時のこと」だと思うんですね。
いくら利回りの良い物件を購入したとしても、それを売却することができなければマイナスになってしまうかもしれません。
売却できないままに所有を続けると、毎年固定資産税だけがかかってしまう負動産になってしまう可能性もあります。
不動産を購入する時に「何年くらい運用して、いくらくらいで売却するか」ということは考えておいた方が良いです。
それが考えられるだけで、物件の選び方がかなり違ってきます。
自分が購入するのに融資がつきにくいなどの苦労がある物件というのは、
売却する時に買手が見つかりにくくなる物件、ということ。
そういった物件を無理やり買う、ということが少なくともなくなるのではないかなと思うんですよね。
融資を引いて物件を購入して家賃収入を得て、毎月家賃収入の中から返済していく。
そして売却する時に譲渡所得を得て、やっと大きなプラスになっていくのです。
関連記事:不動産を売却する時期はいつが良いの?
売却益が出る物件とは
では売却益が出やすい物件はどのような物件なのでしょうか?
5年10年と同じ物件を持ち続ければ、大きなリフォームなどをしない限りは基本的に経年劣化で物件の価値は下がっていきます。
売却時に購入金額よりも上がりやすい物件を探してみましょう。
これからの発展が期待できるエリアで購入する物件
よくあるのは、
- 物件の近くに新しく駅ができるような物件
- 人口が増えているエリアにある物件
- 移住政策など、若い人を誘致する施策を行なっているエリア
といったところでしょう。
「新しく駅ができる」などの情報は、地元の不動産屋さんとのお話の中で出てきたりするものです。
やはり地元の人との交流というのはとても大切ですよね。
新幹線が延びるだとか、駅が増える、といった話題はなるべく早くキャッチしたいところです。
古くなると価値が上がるヴィンテージマンション
ヴィンテージマンションと言われる、築年数が上がるにつれて価値も上がってくマンションがあります。
このヴィンテージマンションの定義としては以下のようなものが挙げられます。
- 築後10年以上
- 立地が良い(高級住宅街など)
- デザイン性が高い
- 管理体制が整っている
そのエリアで知名度が高く、そのマンションに住むことがステータスと思われているようなマンションですね。
こういったマンションは金額も高いですが、売却益も出やすい物件といえます。
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