「不動産投資を自己資金ゼロで始められます!」というような営業文句をよく耳にします。
特にサラリーマンの方で、「サラリーマン大家を始めてみようかな」「老後のお金が心配だな」というような考えを持っている方は、
こういった営業トークに乗ってしまうことが多いです。
実際のところ、自己資金ゼロで始める不動産投資はどうなのか?というと、
あまりおすすめできないというのが本音です。
そのリスクについて解説をしていきたいと思います。
金利がものすごく高い可能性がある
どうしても顧客側だと顧客の立場でしか物事を考えられなくなりがちですが、
「自己資金ゼロということは、その分のお金をどう捻出しているのか」ということを考える必要があります。
つまり、事業者がどこで儲けを出しているのか、どうやって資金繰りをしているのか、ということを事業者側の立場に立って考えることによって、
その投資がきちんとしたものなのか、怪しいものなのか、ということをある程度は見分けることができるんですね。
通常不動産投資を行おうと思ったら、物件を購入する際に
- ローンの保証料
- 冬季関連費用
- 融資手数料
- 火災保険料
など物件価格の10〜20%程度の初期費用がかかるものです。
しかしそれがかからない、というのはその裏に何かがある、ということなのです。
自己資金ゼロを謳っている不動産投資が、実は蓋を開けてみたら金利がものすごく高いところだった、ということがよくあります。
「自己資金ゼロ」を謳っているところは、他のところに比べて金利があまりにも高すぎる設定になっていないか、ということをきちんと確認しましょう。
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手付金サービスは違法
中には「手付金はうちで持ちます」という営業をしてくるマンション販売業者もあります。
「これは内緒ですよ」という話をされるでしょう。
実はこれは宅地建物取引業法第47条第3項で禁止されている「契約の締結を誘引する行為」に当たるため、違法となります。
物件の手付金は通常販売価格の約1〜2割程度(もっと少額なこともありますが)ですが、それを負担する、というのです。
さらに売買契約所に貼り付ける印紙に関しても負担をする、という販売業者もあります。
しかしこれも裏があり、手付金未収の状態で処理をして、銀行から借りる融資に額を上乗せし、回収をする、ということをやっている業者があるんです。
これで法律違反を回避することができるんですね。
こういった抜け道的な手口を使って成約を獲得している業者がないこともありません。
うますぎる話には十分気をつけましょう。
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キャッシュフローを考えることが大事
こういった自己資金ゼロで始めた不動産投資において、返済不能に陥ってしまう人は少なくありません。
そのほとんどが、家賃収入よりも、ローンの返済額の方が上回ってしまい、結果的に毎月赤字になってしまう、ということが多いのです。
そして手元のお金がどんどん減ってしまって返済できなくなってしまうんですね。
長く持つ物件というのはそれだけ時間とともに価値が下がっていきますから、家賃も下げざるを得ない状態になることがあります。
賃貸需要が年々高まっていくようなエリアでない限り、同じ家賃でずっと賃貸経営をしていく、というのは難しいのです。
ワンルーム投資であれば空室リスクも大きなものになります。
アパート経営と違って、1室しかなければ、空室時の収入はゼロになってしまいます。
マンションの場合は修禅費用の積立などもあるでしょう。
そういった支出もきちんと想定した上でキャッシュフローを考えていかなくてはいけません。
始めたばかりの頃に「収支がトントン」では危険なのです。
不動産投資の勉強をしよう
不動産投資を始める時は、まずは手元の資金に余裕を持つこと。
投資なのですから、必ずプラスになるというわけでもありませんし、マイナスでも耐えなくてはいけない局面があったりします。
しかし手元にあるお金が少ないと、焦ってしまって正常な判断ができなくなってしまいます。
自己資金ゼロから始められる、という言葉に惑わされず、
初期投資は自分で払えるくらいの余裕があった方が、投資もうまくいくでしょう。
そして、「自己資金ゼロ」と聞いて、その話を疑うことができるくらいには不動産知識もしっかりと身につけておいた方が良いと思います。
不動産投資でしっかりと収益を得られている人は、不動産に関することを調べたり、学んだりすることが好きな人が多いです。
自分が楽しく学べる分野が一番良いでしょうから、不動産投資について学ぶことが苦ではない人の方が向いているでしょうね。
最低限の基礎知識を持って、「営業マンの言っていることは本当に正しいのか?」と考えられるようになっておいた方が良いと思います。
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