不動産投資の基礎知識

一棟アパートの投資はどんなところが大変?経験をもとに話します

区分、一棟もの、どちらにも投資をしていますが、

今回は一棟もののアパートに投資をする際、どんなところが大変なのか、ということをお話ししたいと思います。

区分所有に比べると一棟ものの方がやはり規模が大きいので、例えば同じ利回り5パーセントだとしても、

1000万円の物件の5%だと年間50万円しか収益をあげられませんが、1億の物件の5%であれば年間に500万円の収益をあげることができます。

もちろん借り入れを行って月々の返済をしていく必要がありますので、リスクとしては大きいのですが、

その分レバレッジをかけられると思うと、投資としては良い投資です。

では実際には、どんなところが大変なのでしょうか?

借り入れが難しい

私が主に投資しているのは、地方の中古アパートになります。

地方の物件は利回りが高いものが多く、中古の一棟ものだと利回りが20%を超えるものも割と見つけることができます。

ただこういった物件はどうしても建物の価値がすでに落ちてしまっていますし、構造も木造のものが多いもあり、なかなか金融機関での借り入れができない、というのがネックです。

空室の多いアパートであれば、その空室をどうやったら埋められるのか、埋めることができる可能性があるのか、というようなシミュレーションも借り入れ時に見られることがあります。

資料をなるべく多く作って、借り入れができる金融機関を探す、という作業がまず難しいように思います。

金融機関は「お金を貸しても大丈夫か?」というところを見ているわけですから、

やはりリスクの大きい投資の場合は融資はしないです。

特に最近は引き締め傾向が続いていますし、地方エリアの場合はメインの駅周辺の物件でないと融資しない、という金融機関も多いようです。

関連記事:不動産投資における銀行融資で銀行員が見ているポイント

大規模修繕の規模もまた大きい

区分であれば外壁や屋根などの共有部は管理組合の方で修繕をしていくので、購入時は管理組合がきちんと機能しているか、修繕積立金がきちんと積み立てられているか、というところさえ見ておけば、おおむね問題ありません。

しかし一棟ものの物件の場合は全てオーナー自身で管理していかなくてはいけないので、中古物件を購入する時は必ず修繕履歴をチェックします。

大規模修繕は大体10〜15年周期くらいで必要になってくるので、購入しようとしている物件が直近で大規模修繕をしていたらラッキーですね。

エレベーターの修繕なども直近の履歴があるとありがたいなぁと思います。

外壁や屋根などの工事に関しては、どうしても規模の大きい物件では足場を組む必要があり、この足場を組むのにそれなりにお金がかかります。

数百万円単位での出費が突然やってくることがあるので、一棟ものはそういったところを考慮する必要があるのが難しいところです。

そういった大規模修繕が急に発生しても、すぐに修繕ができるような手持ちがないといけません。

修繕が必要な箇所があるのに修繕をしないままでいると、そこから経年劣化が加速度的に早まっていきます。

手持ちがないとキャッシュフローが悪化し、最悪黒字倒産ということにもなりかねないのが、一棟ものへの投資の難しいところです。

関連記事:マンションの大規模修繕ってどんな内容でいくらくらいかかるの?

災害リスクが高い

一棟ものの場合は災害が起きた時のリスクも高いです。

区分で色々な場所に投資する、というような投資であれば、エリアを分散させてリスクも分散させることができますが、一棟ものはそうもいきません。

規模が大きいからこそ、火災保険や地震保険にはしっかり加入しておく必要があります。

区分であれば地震保険などは加入しない、という手もあるかなと思うのですが、特に沿岸部で津波の心配があったり、地震による被害が大きなものになる可能性のある物件であれば、保険はしっかりと加入しておきたいところですよね。

そうなってくると、保険料金も馬鹿になりません。

一棟ものの火災保険と地震保険は年間に30万円ほどかかってくることもあります。

関連記事:【オーナー向け】火災保険の選び方

売却の見極めが難しい

区分に比べるとどうしても一棟ものは流動性が低くなります。

そのため、購入時から「いつ頃売るか」「どれくらいの価格で売るか」ということは考えるようにしています。

10年所有したら価格はいくらに落ちるだろうか、ということまで計算できていないといけません。

なかなかこういった試算は投資初心者の方には難しいのではないかと思います。

物件のあるエリアが今後どのような発展(あるいは衰退)をするか、が予測できていないと、売却時期を推し量るのは難しいです。

利回りだけを見て購入して、

いざ物件を売却しようとしてもなかなか買い手が見つからず、どんどん価格を下げるしかなくなっていく…というケースも多々あります。

これはもうひたすら、普段から売り出されている物件を見て、相場感覚を養っていくしかないのではないかと思います。

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