賃貸経営をするオーナーの方に知っておいていただきたいのが火災報知器について。
正式名称は住宅用火災警報器というものですが、2004年の消防法改正により、全ての住宅に設置が義務付けられました。
2019年には設置率は82.3%となっています。(総務省消防庁 住宅用火災警報器の設置の義務化より)
今のところ設置をしないことで直接罰金などの罰則を受けるようなことはありませんが、基本的には設置しなくてはいけないものです。
ちなみにオール電化のお家であっても、電化製品などからの発火で火事になることは充分あり得ますから、どのようなお家でも設置義務があります。
業者に頼んで取り付けるものなのかな?と思われる方も多いと思いますが、実は自分で取り付けるすることが可能です。
火災報知器は誰が負担する?
東京消防庁では「建物の所有者・管理者・占有者」全員に火災報知器の設置義務があるとしています。
賃貸住宅の場合は話し合って決める、としていますが、賃貸物件の場合は話し合って決める、されています。
たいていの場合はオーナーが負担することが多いです。
ただ設置義務は全ての関係者にある、ということは知っておいて良いことでしょう。オーナーにだけ設置義務があるわけではありません。
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火災報知器は簡単に取り付けられる
火災報知器は簡単に取り付けることができます。
実は住宅用火災警報器と自動火災報知設備の2種類があって、自動火災報知設備は延べ面積500m2以上のマンションなどに設置義務のある、配線工事が必要なものです。
こちらの場合は火災発生時に火災報知設備の受信機やベルを鳴らしたり、警備会社に通報したりしてくれるものなのですが、
住宅用火災警報器は配線の必要はなく、簡単に取り付けができるようになっているんですね。
警報器自体は電池で動いています。
天井についているものを回して外すことができました。
電池は特殊なもので、10年ほどで切れてしまいますので交換が必要になります。
電池は市販で売っているようなものではありません。
電池交換も可能ではあるのですが、古くなると内蔵電子部品の寿命のために火災を感知しなくなる恐れがありますので、約10年経ったら、本体ごと交換したほうが良いでしょう。
重要なものですので、電池切れの際は「電池切れです」とお知らせしてくれるようになっています。
ネットでも簡単に購入することができ、価格は2000円前後。
天井に新しく設置する場合でも天井にドライバーでネジ止めするか、壁にフックでひっかけられるようになっているものがほとんどですので、初めての方でも楽に設置できます。
業者に頼むという人もいますが、なるべく費用を抑えたいと思っているDIYを頑張っているオーナーさんなんかは自分で設置される方もいらっしゃいます。
逆に戸数が多いマンションなどの場合は、一つ一つのお部屋に取り付けるのは大変ですから業者に依頼した方が早いでしょう。
50戸前後のマンションであれば5万円〜10万円程度の工賃と本体代金で依頼することができ、大変な工事ではありませんので、全住戸に1日で取り付けられると思います。
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どこに設置すればいいのかは要確認
さて、問題は火災報知器をどこに設置すればいいのか、ということです。
どこかに一つあればいい、ということではなく、市町村の火災予防条例というもので定められた場所に取り付ける必要があり、
全国共通で設置が義務付けられているのは寝室と寝室がある階の階段です。
というのも、住宅火災の被害は就寝時に発生した火災の逃げ遅れによるものが多いんですね。
そのため、全ての寝室に設置が義務づけられています。
また階段から煙が上の階に広がるので、階段にも設置が義務付けられています。
さらに各市町村では全国共通の設置場所以外に独自の基準で火災予防条例を定めています。
東京23区の場合は寝室、寝室がある階の階段以外に台所や居室も設置義務対象としています。
市町村条例別の設置場所がありますので、オーナー自身で火災報知器を設置する場合は、こちらを必ず参考にして、設置場所を決めるようにしてください。
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具体的な取り付け箇所、壁または天井
火災報知器は取り付け箇所についても、壁、または天井と定められています。
壁に取り付ける場合
火災報知器を壁に取り付ける場合は、天井から15〜50㎝以内に設置するよう定められています。
またこちらも各市町村の条例で取り付け位置についてさらに細かく定められています。
東京消防庁の場合は「30平方メートル以上の台所の壁に取り付ける場合は、煙式の住宅用火災警報器とする」といった定めがあります。
天井に取り付ける場合
天井に火災報知器を取り付ける場合は、火災報知器の中心を壁から60㎝以上離すこと、
さらに火災報知器の中心をはりから60㎝以上離すこと、
換気扇やエアコンの吹き出し口から1.5m以上離すことが定められています。
さらに市町村の条例で細かく定められている内容がある場合もありますので確認をしておきましょう。
設置場所、取り付け方については細かい規定が市町村ごとにありますので、そういったものを確認して設置するのが面倒な場合はやはり業者に依頼したほうが良いですね。