不動産投資をする際、賃貸では入居者同士のトラブルも多いです。
そのためオーナーは、賃貸トラブルに関する知識も
一通り正しい知識を身につけておいた方が良いと言えるでしょう。
賃貸トラブルの中でも多いトラブルが水濡れなどの漏水トラブルです。
今回は漏水トラブルがあった際に、家財は保険で保証されるのか、ということについて
詳しく紹介していきたいと思います。
漏水によって起きる被害
マンションやアパートなどの集合住宅の場合は、水濡れなどの漏水トラブルが発生しやすくなっています。
戸建であれば、トラブルにはなりにくいですが
集合住宅の場合は、入居者の過失によって他の入居者へ損失を与えてしまう可能性があります。
もちろん逆に、過失はないのに、他の部屋から水が漏れて来て損失を被る、ということもあります。
問題は入居者の中で加害者と被害者が出てしまうところにあるんですね。
漏水トラブルでは具体的にどのような被害が出るか、というと
もし上の階に住んでいる入居者の部屋から水が漏れてきていたとすると、天井から壁を伝って水が部屋に侵入し、部屋の床が水浸しになるでしょう。
さらにその漏れてきた水によって、部屋の中のテレビやパソコンなども水に濡れてしまい、壊れてしまう、というような被害が考えられます。
最初は原因の特定から始めて、何かしらの応急処置をする必要がありますよね。
漏水している、という状況に直面するだけでは、なぜ漏水しているのか原因もわかりません。
そして原因がわかり、応急処置をした上で必要になってくるのが
- 天井や壁の張り替え
- 壊れてしまった電化製品などの買い替え
- 広範囲に及ぶ清掃や片付け
などだと思います。
その中でも、壊れてしまったパソコンやテレビなどの家財に関して
保険で補償されるのかどうか、というのが今回のテーマになります。
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漏水を補償できるのは火災保険
漏水トラブルで使える保険は火災保険になります。
基本的には上の階の入居者の過失で漏水があった場合は、その上の階に住んでいる入居者が加害者になるので、
本来であればその人に賠償請求をすることができます。
ですが、高額な請求内容になってくると、賠償するための資金力がない、と言う場合もあります。
そういった、加害者になってしまった時のために火災保険の中で「個人賠償責任保険(特約)」というものを付帯させることができるようになっています。
この「個人賠償責任保険(特約)」に入っていれば、個人で賠償をすることも可能なのですが
この保険はあくまで火災保険の中で選択制で入る、いわゆるオプション的な保険なので、加害者が必ずしもこの「個人賠償責任保険(特約)」に加入しているとは限りません。
そういった場合は、被害者自身が入っている火災保険で補償するのが一番良いでしょう。
火災保険の水濡れの補償では、
給排水設備の破損やつまりにより発生した漏水も対応している場合が多いので、共用部分からの漏水もカバーできる保険なんですね。
共用部分からの漏水の場合はオーナーが賠償金を支払うことになるケースがほとんどだとは思います。
管理会社やオーナーが賠償金を出すような場合は「施設賠償責任保険」という保険に加入していれば、保険で対応できる可能性が高いです。
もちろん他の部屋からの漏水トラブルの際も、火災保険で補償が出ます。
火災保険というと火事や自然災害において生じた損失に適応されるイメージが強いと思いますが
水濡れなどの漏水トラブルでも火災保険で補償することができるんですね。
加害者が「個人賠償責任保険(特約)」に入っておらず、賠償するための資金力がない場合、賠償できない、というケースもありますので
火災保険に入っておいて、被害を受けた側が補償の対策をしておく、というのは大切なことです。
火災保険は家財も補償してくれる
今回のテーマである水漏れの時の家財についてはどうなるか、というと
火災保険で家財の補償もできるんです。
パソコンやテレビなどの電化製品が壊れてしまった場合は買い替えに費用がかかりますよね。
それも火災保険で補償することができます。
ただ、この時、新品を買えるような金額を補償されるわけではないケースが多いです。
パソコンやテレビなども、どれだけ使っているか、ということで新品とは評価額が変わって来ます。不動産と同じで減価償却されてしまうということですね。経年劣化しますから。
基本的には時価、つまり漏水によって故障してしまった時点での評価とされると考えておいた方が良いでしょう。
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火災保険のプランについて見直そう
火災保険には色々なオプションがあり、どこまでを補償対象とするのか、
加入する時点で決めなくてはいけません。
火災保険は「一番安いプランでいい」としてしまうと
火事の場合にしか適応できない、というプランであったりすることもあります。後は「EM(保険用語で、電気的、機械的事故)」が入っていなかったり。
あとは建物にしか補償が適応されない、というプランもあるので
火災保険に入っているから必ず家財が補償される、というわけでもないんですね。
どの範囲まで保険が適応されるのか、改めて確認しておきましょう。
またオーナーの場合は施設賠償責任保険には入っておいた方がいいと思います。
特に雪の多い地域の物件なんかはトラブルも起きやすくなるので、共用部分が原因でトラブルになった時に保険がききますから
施設賠償責任保険に加入しているかどうかは、トラブルの際にとても重要になってきます。
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