地方の築古不動産を中心に、区分や戸建てにも投資をしています。
投資歴は10年を超えました。
ここ最近は物件の売却が続いています。
新しい物件を購入したいという気持ちもあるのですが、なかなか良い物件に巡り合うことができず、売却となることばかりですね。
つい先日も気がかりだった物件の売却に成功しました。
金額だけ見ると到底売却成功しているように見えないかもしれませんが、実はこの物件は利回りが100%だったので、1万円でも、売れたら大成功、という物件だったのです。
さて、今回はまた別の物件の売却なのですが、物件を売却するにあたって、
検査済証はありますか?
と不動産業者の担当さんに聞かれました。
基本的に不動産を売却する際は、必ず検査済証の有無は聞かれると思います。
この検査済証があるかないかで、売却にも影響が出てくるからです。
しかしいざ物件の資料を紐解いてみると、
あれ、これが検査済証?ん?建築確認済証とは違うのか?となることがしばしば笑
家族と話していても、検査済証と建築確認済証がごっちゃになっていました。
ということで今回は検査済証と建築確認済証の違いについて解説してみたいと思います。
検査済証と建築確認済証の違い
検査済証は、建築基準法などの規定に適合した安全な建物である、と検査期間によって認定を受けた証となる書類です。
建物が工事完了した後に、基準をクリアしているかどうかということを検査し、その検査を通過したらもらえるのが検査済証なのです。
重要なのは、検査済証は工事完了後にもらえるものである、ということです。
これに対して建築確認済証とは、建物の建築前に、建築計画が法令基準を満たしているかを確認し、それを通過した時にもられる書類です。
建築工事に着手する前に、建築計画のチェックである建築確認申請を行わなければならないと定められているんですね。
こちらは工事着工前に検査をするものです。
- 工事前に申請し、もらうのが建築確認済証
- 工事後にもらうのが検査済証
ちなみに検査済証には以下のような内容が記載されています。
・確認済証番号
・確認済証発行年月日
・建物物の場所(地名、地番)
・建物物の主要用途
・建物物の規模、階数、構造、面積
・検査年月日
・検査担当者名氏名
重要な書類ではあるものの、手にしてみると意外と紙ペラ1枚という感じで、そこまで大層なものには見えません笑
昔は検査済証を取らないことも多かった
現在は建築確認済証も検査済証もあって当たり前のものなのですが、
実はこれが完全な義務ではありませんでした。
建築確認件数に対する検査済証交付件数の割合は1998年で40%以下だったのです。
「こういう工事をする予定です」というものを提出して、建築確認済証をもらい、
その上でその工事内容とは別の工事をする、というような建築の仕方が、実は昔はよくありました。
特に大阪を中心とした関西エリアでは、車庫転物件という違法建築がとても流行りました。
これは1階部分を車庫として建築確認済証を通しておき、その後内容を変更して1階部分を住居として建築し、部屋数を増やして利回りを高く見せる手法です。
車庫を転じて住居にしてしまう、というのでこの車庫転という名前がついています。
以前はこういった建物がよくあったのですが、
2003年には金融機関に対して、新築住宅へ融資をおこうなう際に検査済証の確認を求める妖精を出しており、
新築住宅で住宅ローンを組むには検査済証の提出がほぼ必須条件となりました。
現在は建築確認済証をもらうための建築確認も、検査済証をもらうための完了検査も義務となっています。
また、自治体や行政庁によっては義務となる中間検査というものもあり、この検査を受けた場合は中間検査合格証というものがもらえるようになっています。
検査済証は売却する時に必要
検査済証が必要になるのは以下のような場合です。
- 住宅ローンを金融機関に申し込む時
- 不動産を売却する時
- リフォームや増築などを行う時
古い建築物の場合は検査済証がない、という場合もあります。
こういったケースはかなりあるので、検査期間が建築基準法などの法律に適合しているかを調査し、調査報告書をつければ申請ができる、というような救済措置もあります。
詳しくは、国土交通省の「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」をご覧ください。
売却をする時に検査済証がないと、売りにくくなったり、購入した人がリフォームや増築をする時に制約を受けるなどのリスクがあります。
検査済証の有無は売買時に必ず確認したいものです。
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