転売ヤーなんて言葉が生まれてもう久しいですね。
ライブチケットやオフィシャルグッズを転売することは違法ですが、不動産を転売することは違法ではありません。
そもそも安く買って高く売る、というのが投資の基本です笑
昔は土地の転売である「土地ころがし」が流行った
1980年代〜1990年代はじめにかけて、つまりバブル時代ですが、
この時代は株や不動産などに投資をしている人も多く、土地は「とにかく買っておけば絶対に儲かる」と言われているものでした。
投資というよりは投機に近い感覚ですね。
こういった土地を買ってすぐに売ってその利益を得る、といったことが増え、その様を例えて「土地ころがし」という言葉が生まれました。
中には悪質な地上げ屋もいて、土地を無理矢理買い占めては高値で転売する、といったことをやっていたようです。
バブルが終わるのと同時にこういった土地ころがしも市場から消えました。
今は「とにかく買っておけば儲かる」なんてことはありませんが、
きちんと計算して購入すれば、売却時に利益が得られるものは確実にあります。
私も購入した時よりも高くで売れた不動産は多いです。
不動産は転売目的で買っても違法にはならない
不動産を転売目的で買っても違法にはなりません。
実際、不動産業者が行っている「買い取り」というやつは転売のようなものです笑
不動産を売却するには、その不動産を買いたいと言ってくれる買主を探さなくてはいけないのでそれなりに時間がかかりますし、
売りに出しても売れるのかな?みたいな不動産は不動産業者が相場の7割くらいの値段で買い取りしてくれることがあります。
相場より安くなってしまうけど、早く現金が欲しい、という人にはありがたい話、というわけですね。
業者は相場よりもかなり安く不動産を手に入れられるので、購入した不動産をある程度リフォームして売りに出し、その利益で儲けるという仕組みです。
これはもう転売ですよね笑
不動産はライブチケットのように流通速度が早いものではありませんし、業者がありえない高額で転売しようとしても需要がそこまでありませんので、高額すぎる不動産は売れ残るだけです。
なのでここに違法性はありません。
業者に限らず、個人でも安く購入して、リフォームしてすぐに売り出す、ということもできるわけです。
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個人が短期間で売買すると税金が高くなる
転売目的で物件を購入し、すぐに売却をすることは違法ではないのですが、
個人が不動産の売買を短期間で行うと税金が高くなり、利益を出すことは難しくなります。
具盾行きに言うと、個人の場合は不動産を所有している期間によって課税税率が変わってくるんですね。
所有している不動産を売却した場合、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下だと短期譲渡所得という枠になり、売却益に対して所得税30.63%(0.63%は復興特別所得税)と住民税9%の合計39.63%が課税されます。
つまり利益の約40%は税金として納めなくてはいけなくなります。
これが1月1日時点での所有期間が5年超えの不動産の場合は長期譲渡所得となるので、税率が所得税と住民税合わせて合計で20.315%となります。
所有している期間が長いと売却益に対してかかってくる税金が半分くらいになる、というわけなんですね。
なので個人で不動産の転売を短期間で繰り返して利益を上げていくというのは難しいことなのです。
もちろん不動産の購入や売却には仲介手数料や登記費用などの諸費用も発生しますし、バブル時代と違って、「持っていればすぐに価値が上がる」という時代でもありません。
実はこの所有期間による税金の違いというのは、バブル時代に土地の転売がマネーゲームのように繰り返され、実体が伴わない地価の上昇を招いたために設定されたものです。
実際にはそこまで価値がないはずの土地がどんどん投機目的での転売で高値になっていったので、それらを抑制するために譲渡所得の期間の変更や税率の引き上げが行われたんですね。
今は「持っていれば価値が上がる」という時代ではありませんので、「本当にその不動産の売買で利益が出せるか」ということを見極めて売買を行う必要があります。
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値上がりする不動産とは
転売で収益を上げたいのであれば、一番大切なのは「安く買う」ということです。
不動産が値上がりすることもありますが、それよりもまず最初に安く買っておくことが大事。
不況だと言われて不動産価格が下がっているうちに買っておいた不動産はやはり、今とても相場が上がっていて、売却益で利益が出るものが多いです。
あとはそのエリアにこれからも人が集まってくるかどうか、ということも考えたいですね。
後から新しい駅ができた、だとか、大型商業施設が建設される、だとか、そういったことがあると賃貸需要が高まって良いと思います。
そのためにも、たくさんその土地について知ること。実際に現地を歩いて調べることが大切だと思っています。
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