売買知識

境界明示にかかる費用はどれくらい?

地方の築古アパートを中心に、中古戸建てや区分マンションなどにも投資をしています。

投資歴は10年を超えました。

今回は境界明示について。

不動産売買をする時に境界明示の話は必ず出ます。

境界明示とは

不動産の売買をする際に、契約書に「境界の明示」という項目が必ずあります。

売主は、買主に対し、残代金支払日までに、土地につき現地にて境界標を指示して境界を明示します。なお、境界標がないとき、売主は、買主に対し、その責任と負担において、新たに境界標を設置して境界を明示します。ただし、国または地方公共団体が所有または管理する道路と土地との境界については、境界標の設置を省略することができます。

このような文面で書かれていることが多いかと思います。

境界明示とは、隣の土地との境界をはっきりさせることで、

不動産を売却する時に売主が

売主

今回買ってもらうのは、ここからここまでの範囲の土地、建物です

と買主に認識してもらうためのものになります。

これは不動産を売却する時に必ず必要になってくるものなのです。

隣地との境目はどのように決めているのか、というと、境界標というものを打って定めています。

境界標

この境界標はプラスチックだったり石だったり木造だったりで色々な種類があるのですが、必ず隣地と境界を示すために打たなくてはいけないものです。

ですが、いざ不動産を売却する、という段階になって、

売主

あれ!境界標がない!

ということは実は少なくありません。

実は先日も、購入を検討していた物件があったので現地に見に行って、仲介業者さんとお話をしていたのですが、

仲介業者さん

境界標だけないので、それをやってからの引き渡しになります

という話がありました。

この境界標がない物件に関しては、売主が土地家屋調査士などの資格がある人に依頼をして、新しい境界標を設置する義務があります。

不動産を売却したい、となった時に境界標がない物件に関しては、境界標を打ってからじゃないと売却できない、というわけですね。

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民民立会いか、官民立会いか、で費用相場が変わる

境界明示のために必要なのは境界確定測量というものになります。

この費用は、大きく分けると、

  • 官地との立会いが不要な民民立会いの場合 約30万円~50万円
  • 官地との立会いが必要な官民立会いの場合 約60万円~80万円

の2つのパターンに分けることができます。

民民立会い、官民立会いという新たな言葉が出てきました笑

私もこの言葉は境界明示について調べた時に初めて知りました。

立会いというのは、隣の土地の所有者と境界の位置を確認し合うことで、境界立会いとも言います。

民民立会いは、役所との境界立会いがなく、民間同士で立会いができるもので、隣の方と予定が合い、同意がもらえればスムーズに進めることができます。

官民立会いは役所との境界立会いがあります。

役所との境界立会いがある官民立会いでは、提出書類も多く、何度も打ち合わせも必要で、より手間がかかります。

個人の土地と道路や水路などの公共用地との境界を決める必要がある場合は、官民境界立会いとなります。

さらに面倒なのは、役所関連のものが複数混ざっている時です。

たとえば公道と水路と公園が隣にある、というような不動産の場合。

それらを管理する役所が

  • 都道府県
  • 市区町村

などそれぞれに分かれいている場合。

この場合はそれぞれの機関に対して書類や手続きが必要になりますので、内容が煩雑になり、費用がさらに高くなります。

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その他、費用を左右するもの

民民立会いか官民立会いか、で費用がかなり変わりますが、

それ以外にも境界確定測量の費用を左右する要素がいくつかあります。

  • 隣地所有者がどれくらいいるか
  • 隣地の所有者が遠方に住んでいたり亡くなっているなど、やりとりに時間がかかる場合
  • 土地の面積や形状が複雑な場合
  • 土地の立地や地域性(都市部の方が費用が高くなることが多い)

などなど…

要は、境界確定測量の内容がどれくらい煩雑か、ということによって費用が変わってくる、ということになります。

  • 不動産の隣地に公共の建物や敷地がある
  • 土地が複雑な形をしている
  • 不動産が都心にある

といった場合は費用が高くなりがちですので、この辺りをチェックしていただくのが良いかなと思います。

境界確定測量にかかる期間としては、

道路境界が決まっている場合は約2〜3ヶ月程度、道路境界が決まっていない場合は約3〜4ヶ月程度、と思っておくと良いかと思います。

こちらはあくまで目安ですので、まずは土地家屋調査士に依頼し、事前調査をしてもらって見積もりをもらうと良いでしょう。

基本的には売主の負担となるものですが、事前交渉によって買主負担となることもあります。

この場合は「面倒な境界確定測量をこちらで引き受けますのでこれくらい安くしてください!」というような指値交渉要素にもすることができるかもしれませんね。

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