最近流行りのリノベーション投資ですが、
実際に入居募集をしてみないとちゃんと入居が決まるかわからない物件に対してどこまでリノベーションをするのか、というのは投資家の悩みなのではないでしょうか。
一つの物件のリノベーションにお金をかけるよりも、なるべく戸数を買って量で勝負する、という手もあります。
量と質、どちらにお金と時間を割くべきなのか。
正直これは個々人によって戦略が変わると思いますので、一概にどちらが良いというお話はできません。
それぞれにどんなメリットデメリットがあるのか、ということを今回はまとめていきたいと思います。
リフォームとリノベーションの違い
古民家や空き家などを安く購入して、お金をかけてリノベーションし、入居募集をする、というリノベーション投資が増えてきています。
よく混同されがちな言葉に「リフォーム」があります。
リフォームとリノベーションはどう違うのでしょうか?
リフォームは基本的には経年劣化した部分を元に近い状態にする改修です。
フローリングの張り替え、襖の張り替え、バスやキッチン設備の入れ替え、クロスの張り替えなどですね。
それに対してリノベーションは、元の状態に戻すのではなく、
プラスに持っていく、つまり付加価値をつけるための改修を指します。
- 一部の壁を壊して間取りを変える
- 天井を高くする
- キッチンの場所を変える
- 洗濯機を新しく設置する
といった、少し大掛かりな修繕ですね。
境界線は少し曖昧ではありますが、
築古物件を購入したらある程度はリフォームだけでなくリノベーションも必要になってくる部分があるのではないでしょうか。
関連記事:ワンルームマンションのリノベーション事例!実際にやった内容公開します
量と質、どっちが大事か
地方の築古物件などであれば、かなり安く購入することができます。
一つの物件にリノベーション費用をそれなりにかけるか、
それともそのお金で他の物件を購入して量で勝負するか、
それぞれどういったメリットデメリットがあるのでしょうか。
家賃収入だけ見たら量
やはり家賃収入だけを見れば戸数がたくさんあった方が良いでしょう。
リノベーションをすることで付加価値が高まりますので、確かに家賃設定を上げることはできます。
ただ、潜在的にあるそのエリアの家賃設定の上限というものがあります。
リノベーションをすればするほど家賃を上げられる、というわけではありません。
付加価値によって家賃を上げられると言っても、やはり数万円ほどの幅が限度でしょう。
そう考えると、家賃が安い物件をたくさん持っている方が、家賃収入の面で言えば強いのです。
関連記事:家賃設定をする時にオーナーが考えること
修繕は意外とお金がかかる
とはいえ、築古物件というのは築年数にもよりますが、爆弾を抱えているものが多いです。
爆弾が爆発しないように祈りながら運用していくと言いますか…笑
あまりリフォーム・リノベーションにお金をかけずにスタートすると、
どこかで大きな修繕が必要になったり、それが理由で入居者からのクレームにつながってしまったり、という手間が増えます。
結局はあとあとから修繕をしなくてはいけない、とわかるような部分に関しては、入居が決まる前に済ませておいた方が良いかもしれませんね。
売却時に手数料が意外とかかる
見逃しがちなポイントですが、投資というのは売却してやっと完了となります。
どれだけ家賃収入を得られても、売却時に思ったような価格で売れないと、結果的にマイナスになってしまう、ということがあるわけです。
そういったことを考えると、むやみやたらと戸数を増やしても、結局売却時に価値が下がってしまったり、手数料がかかってしまったりするので、
家賃収入という面で見れば確かに量も大切ですが、本当にそれが利益につながるのか、というは再考する必要があるでしょう。
特に2018年1月1日から、400万円以下の売買では売主にかかる手数料の上限が変更されていますので注意が必要です。
関連記事:400万円以下の売買で仲介手数料18万円!?低廉な空家等の売却における仲介手数料の特例とは
修繕業者との繋がりは大事
リノベーションやリフォームをあまりせず、ちょっと自分でDIYをして入居募集をする、という方もいらっしゃいます。
これは確かに修繕費用を抑えられていいと思うのですが、
修繕業者と繋がりができないままに不動産投資を始めることになってしまうのは少し危険かな、と思います。
もともと不動産投資をやられていて、そういった繋がりがある方は良いのですが、
初めての物件、という時はリスクが高いですね。
業者と繋がりがあれば、突発的なトラブルにも対応してくれる業者の候補を持てますが、
繋がりのない物件、つまり新規で突発的なトラブルがあったときに対応してくれる業者さんというのは少ないのです。
家賃を高くできれば入居者の質も上がる
これはそういう傾向がある、というお話ではありますが、
やはり家賃設定によって入居者の層というのは変わるものです。
家賃設定が低いとどうしてもクレームが出やすいところはあるので、
家賃設定を高くできるようなリフォームができると、管理は楽になるというメリットはあります。
関連記事:生活保護受給者である入居者の家賃滞納はどう対応する?
下がりきった家賃からは下落しない
リノベーションを行い、物件価値を高めて家賃設定を上げることができても、どうしても経年劣化とともに家賃は下落していくところがあります。
ですが、すでに家賃が下がりきったところからは家賃は大きくは下落しません。
そういった意味で、あまりリノベーションをしない、というのはメリットもありますね。
投資戦略は人それぞれ
量か質か、という観点からメリットデメリットをお話ししてみましたが、
どちらが良いというよりは、どちらがその人にあっているか、というところだと思います。
そして合っているかどうか、と決める要素として、
どれだけ不動産投資に時間と労力を割けるかというところが大きく影響してくるでしょう。
例えばサラリーマンをしながら副業程度に…という方でしたら、
戸数が多すぎると手間もかかり大変だと思います。
それよりはリフォームにそれなりにお金をかけて、堅実に投資をしていける方が良いのではないでしょうか。
ぜひご自身がどれくらい不動産投資にリソースを割けるか、ということを考えながら、適した投資スタイルを模索していただければと思います。
関連記事:サラリーマン大家のメリットって何だろう