地方の築古アパートを中心に、都内でも中古区分マンションなどに投資をしています。
投資歴は10年を超えました。
今回は再建築不可物件についてです。
再建築不可物件とは、建物を取り壊してしまうと新たに建築などができない、という意味です。
再建築不可であることを踏まえて、周辺地域の不動産と比較すると安価で取引されることが多いです。
ほとんどの物件は接道義務を満たしていないために再建築不可になっているのですが、これらの再建築不可物件にも一応救済措置があります。
再建築不可物件を建て替え可能とする方法について、解説してみます。
再建築不可物件とは
まず初めに再建築不可物件の内容をおさらいしてみましょう。
再建築不可物件とは、
「敷地が現在の建築基準法の規定を満たさないため、再建築(新築や改築、増築、移転)ができない物件」
のことを指します。
実は建築基準法というのは施行されたのが1950年です。
今から考えると70年ほど前の話、ということになりますが、この時に既に存在していた道や建っていた建物は、建築当時は問題のないものでした。
あとから建築基準法が施行され、さらに何度も法改正を経て、今の建築基準法では不適合となってしまったものが再建築不可などの既存不適格物件(建築当時は問題なかったけれど、現行の法律には内容が沿っていない物件)となってしまっているわけです。
法律が施行されたタイミングで全ての建物を建て直すことができるわけではないので、法律に合わない建物が残ってしまっている、ということですね。
再建築不可物件は、
- 敷地が道路に接する間口が2m未満(路地状になっている道の場合は、全て幅員が2m以上必要)
- 敷地が建築基準法上の道路に接していない(道路に見えるものでも建築基準法上の道路ではないものがある)
- 敷地が道路に接していない
- 市街化調整区域にある
といった特徴のある物件です。
これらの物件でも、工夫次第で再建築可とすることはできます。
関連記事:再建築不可物件購入のメリット・デメリット
再建築可にするための方法
再建築不可の物件を再建築可にするためには、
そもそもどうしてその物件が再建築不可になっているのか、ということを理解した上で対応する必要があります。
接道義務を果たしていない再建築不可の物件
雪道義務を果たしていないがゆえに再建築不可となっている物件に関しては、
接道義務を満たせば再建築可能な物件にすることができます。
そのためにできることは以下のようなことです。
- 隣地の一部を買い取る
- 隣地の一部を借りる
- 所有する土地と隣地の一部を等価交換する
- セットバックをする
- 43条但し書き申請をする
- 位置指定道路を申請する
接道義務を果たしていない物件に関しては、敷地を購入したり借りたりすることで広げて、接道義務を果たしている部分を手に入れることができれば、再建築可の物件に転換することができる、という考え方ですね。
43条但し書き(43条2項2号)とは、
そもそも道路が建築基準法上の道路と異なり、原則として増改築や再建築不可の物件のことを言います。
ですが、建築審査会に許可申請をして許可が降りれば、再建築をすることができます。
ただ、申請をしてみないことには結果がわからない、というのがリスクですね。
①その敷地の周囲に広い空地を有しており、
②特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて、
③建築審査会の同意を得て許可したもの
位置指定道路というのも、公に整備された道路えはなく、民間で整備された道路なので、つまりは私道、ということですね。
これも申請をすれば再建築ができる可能性があります。
市街化調整区域にある再建築不可の物件
土地は大まかに分けると、
- 市街化区域にある土地
- 市街化調整区域にある土地
の2つに分けることができます。
市街化を目的として定められた地域が市街化区域。
それに対して市街化を抑制する地域が市街化調整区域です。
市街化区域にある土地は原則再建築可能でも、市街化調整区域にある土地は再建築不可となり、建物の建て替えなどを制限されてしまうんですね。
市街化調整区域にある場合は、開発許可を得ることで再建築可能にすることができます。
とはいえ、これは特別無事情がないと許可されないものではありますので、そう簡単に取れるものではありません。
このように再建築不可物件の建て替えというのはかなり難しいことです。
関連記事:不動産投資をする時に知っておきたい用途地域について
再建築不可の物件は相場に比べるとかなり安い値段で購入することができますので、魅力的に映ると思います。
ですが、再建築不可の物件を売却する時はどうしても買い手が見つかりにくくなりますし、不動産投資初心者には扱いにくい物件です。
再建築不可の物件を必ず再建築可にできる目算がある、というのであれば良いですが、安いからと言って飛びついて良い物件ではないでしょう。安い!と思ったら再建築不可の物件、ということはよくありますね。