不動産投資の中でも規模が小さく、手が出しやすいというのもあって
老後の生活に不安を覚えやすい社会情勢の中、都心でのワンルーム投資を始める人も少なくありません。
サラリーマンでワンルーム投資を始める人も多いです。
大規模な不動産投資は不安だけど、ワンルームくらいなら失敗しても大丈夫だろう、と思ってしまう人が多いんですね。
では実際に都心でのワンルーム投資は儲かるものなのでしょうか?
そのリスクについて解説しておきたいと思います。
節税効果はずっとは続かない
「ワンルーム投資は節税になります!」というような謳い文句に乗せられてワンルーム投資を検討している人もいるかと思います。
しかしどうして節税になるのか本当に理解できているでしょうか?
それはマンションの購入費を減価償却として経費にすることができるから節税ができる、ということです。
しかしこれはある程度資金に余裕があるからできることであって、
資金に余裕がない場合は、まとまった赤字を出すことで節税対策をするのも同じ。
高額納税者には節税になっても、一般的なサラリーマンには逆にマイナスになることが多いのです。
また減価償却にも限りがありますから、耐用年数を超えればその分経費が少なくなり
節税効果が長く続く、というわけではありません。
これから長期的に不動産投資をしていくつもりで、手始めにワンルーム投資を始める、というのならまだしも
ワンルーム投資だけで利益を得ようと思っているのであれば、節税効果はあまり期待できないと思った方が良いでしょう。
なぜならその物件を売却した時に売却金額にまた税金がかかってくるからです。
その売却金額をまたさらに別の不動産の購入資金に当てるなら別ですが。
売却できない場合がある
ワンルーム投資でよく出回っているのは新築の物件です。
ワンルーム投資を検討しているサラリーマンの方にも営業マンは新築を紹介していることでしょう。
しかし新築というのは、購入して新築ではなくなった途端にその価値が20%〜30%下がってしまうものなんですね。
フルローンで30年のローンを組んだとして、新築で購入したワンルームも
ローンを返済し終わる頃には築30年になっている、ということを忘れてはいけません。
さらに最近ではタワーマンションなどの戸数を莫大に抱えるマンションも増えてきていますから
都心だからといって賃貸需要が安定してあるとは言い切れません。
物件を購入する時は、ローンを返済し終わる頃にもその地域に賃貸需要があるかどうか、ということを予想しておかなくてはいけない、ということです。
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そもそも利回りが低い
ワンルーム投資の場合はネット利回りが高くても5%〜6%程度です。
これくらいの利回りになってしまうと、ローンの返済や管理費、修繕積立費などを引いたらマイナスになってしまうことがほとんど。
突発的な修繕費などの発生によって全く儲けを出せないこともよくあることです。
確かにワンルーム投資は手頃で手が出しやすいかもしれないけど
それだけ利益も薄く、大きな出費に耐えられないものなんですね。
しかしこういった利回りを見ても「低い」と感じないのは
地方の不動産やアパートなどの利回りを知らないからなんです。
ワンルーム投資を始める時はワンルーム投資の情報だけ探すのではなく、
他の不動産投資のことについても調べた方が良いでしょう。
不動産投資にも色々なやり方があって、ワンルーム投資はその方法の一つにすぎません。
中でもとても儲けを出すのが難しいのがワンルーム投資です。
不動産投資に興味があるのであれば、色々な手段を知った上で実際に購入する不動産を検討しましょう。
回収までに時間がかかる
どうしても利回りが低いため、回収までに時間がかかるというのがワンルーム投資のデメリットです。
最低でも5〜6年ほどは所有しなくてはいけないですし
フルローンで購入すればそれどころではなくなるでしょう。
そもそも金利もありますから、回収できるかどうかも怪しくなります。
新築のワンルームを購入した場合は、5年〜6年経てばガクッと価値が下がってしまう上に
金利がどのように推移していくのか、ということもしっかりと計算に入れておかなくてはいけません。
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買い進めていくことができない
ワンルーム投資だと利益が少ないため、他の不動産を買い増していく、ということがなかなかできません。
不動産投資で利益を大きく上げている投資家は、
不動産を売却しては得られた利益を上乗せしてさらに大規模な不動産を購入したり、
複数の不動産を購入するなどして利益をさらに大きくしているものです。
複数の不動産を持つことでリスクヘッジにもなりますしね。
ワンルーム投資から不動産投資を始める場合、そういった利益の膨らまし方ができない、というのもデメリットです。
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悪質な業者も多い
手頃で始めやすいワンルーム投資だからこそ、営業マンが言葉たくみにサラリーマンから契約を取っているケースも少なくありません。
本当にその営業マンが言っていることが正しいのか?ということをきちんと判断するためにも
ある程度不動産投資への知識は必要だと思って、しっかりと勉強をすることをおすすめします。
手を出しやすい値段帯だから、といって不動産投資を始めてしまうと
失敗してしまう確率が高くなります。
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