事業計画書とは事業戦略や収益のやりくりなど、事業をどのように展開し続けていくか、という構想を具体的に記したものです。
不動産投資では、物件を取得してからどのような事業展開を構想しているのか、ということをわかりやすく示すためのプレゼンテーション資料と思うと良いでしょう。
不動産を購入するにあたっては金融機関で融資を組む、という方も多いと思います。
融資ができるかどうかは金融機関の判断になりますが、それらの審査をするために融資面談というものがあります。
この面談で担当者に対し、「こんな事業をやろうと思っていますので、ぜひお金を貸してください!」というプレゼンをすることになります。
この時に事業計画書の提出が必要になります。
審査の判断をするための重要な判断材料になりますので、しっかりと作り込んでいきましょう。
事業計画書に記載するべき内容は?
事業計画書に記載する主な内容は以下のようなものです。
- 代表者プロフィール
- 資産・借入状況
- 計画地の概要
- 建物の概要
- 事業内容とコンセプト
- 家賃想定表
- 資金計画
- 収支シミュレーション
それぞれについて見ていきましょう。
代表者プロフィール
- 氏名
- 年齢
- 生年月日
- 経歴
- 勤務先(サラリーマンの場合)
- 家族構成
- 自身の強み
などを簡潔に記入します。
サラリーマンをやることで培った経験など、自身の強みもアピールすることで話が広がりやすくなるでしょう。
ただし長くなりすぎないように注意です。
資産・借入状況
金融機関は「この人に本当にお金を貸して大丈夫か?ちゃんと返してもらえるか?」という視点で面談・審査を行います。
そのため、資産・借入状況は明確に把握できるようにしておくと良いでしょう。
- 現金
- 預貯金
- 株式
- 投資信託
- マイホームなどの所有不動産
など、手元にある資産を明記した上で、
- 住宅ローン
- マイカーローン
など、ローンを組んでいる場合は、毎月の返済額や借入残債などの詳細も記載しておきます。
またキャッシュフローの参考にできるよう、
毎月の収入と毎月かかる生活費などの費用も記しておくと良いでしょう。
計画地の概要
計画地とは物件を建設する土地、あるいは購入する際の土地についてまとめたものです。
土地の住所や面積、法令上の制限などを記載します。
これらは物件情報を見れば埋められる項目でしょう。
建物の概要
この建物の概要も物件情報を見れば埋められる項目です。
建物の構造や戸数、制限などについて、記載していきます。
新築の場合は工期も記載します。
事業内容とコンセプト
ターゲットとなる入居者はどんな属性の人なのか。
またそれに合わせてどんな施策を行なっていくのか、ということを記載します。
たとえば大学付近の物件であれば、大学生が入居しやすいように大学の方に頼んで物件を紹介してもらうなどの施策をするだとか、
留学生など、外国人の受け入れを可能にする、などといった施策を書くと良いでしょう。
収益性が高く見込まれそうだと判断されれば融資条件が良くなる可能性もあります。
しっかり考えて書くと良いでしょう。やる気があると思われることも大切だと思います。
家賃想定表
周辺の類似物件の家賃設定を参考にしながら記載していきます。
同じエリアで同じような間取り、同じくらいの築年数の建物の家賃を調べましょう。
周辺の家賃相場からかけ離れた設定になっていると、マイナスポイントになってしまいます。
また、空室がある程度出ることも考慮して買いて行きます、
基本的にはローンの返済は家賃収入でまかなっていきますが、常に満室状態の想定で事業計画書を作ってしまうと、
「もし空室がたくさん出た時はローンの返済はどうするんだろう…」と不審に思われてしまいます。
ある程度は悲観的に作っても良いでしょうね。
ちなみに融資面談では「空室がたくさん出た場合はどうするのか?」という質問を実際にされることもあります。
関連記事:不動産投資における銀行融資で銀行員が見ているポイント
資金計画
融資希望額と資金使途を記します。
自己資金も記載し、
融資希望期間も記入すると良いでしょう。
関連記事:不動産投資の融資に関する基礎知識!金融機関や条件など
収支シミュレーション
購入予定の物件の収支シミュレーションも作成します。
不動産投資サイトなどで調べると無料で提供されているものがありますので、該当する金額を入力していくと作れるでしょう。
ただし、条件の設定をいくつか変えてみたり、
リスク対策についても答えられるようにしておくことが大事です。
あまり楽観的になりすぎない数字で入力しておくのがおすすめです。
関連記事:不動産投資をする時にやっておくべきシミュレーションまとめ
金融機関が見ているポイント
金融機関が事業計画書で見ているポイントは「シンプルで分かりやすい内容になっているか」ということと、
「計画書の内容が本当に実現可能な内容なのか」、というところです。
もし空室が多くなったら?
災害が起きたら?
そういったリスクについても想定し、その場合どのような施策がとれるのか、ということも答えられるようにしておきましょう。
融資は不動産投資を始める時に最初に必要なものになりますが、あまりにも知識がなさすぎると融資条件が厳しくなったり、融資自体が通らなかったりします。
ある程度勉強することも大事です。
関連記事:不動産投資初心者におすすめしたい本、実際に読んでよかったもの