地方の中古築古アパートを中心に、戸建てや区分マンションにも投資をしています。
区分に関しては元々居住用で使っていた方から購入した物件もありますが、
一棟ものの中古アパートは全てオーナーチェンジ物件ということになります。
オーナーチェンジ物件は危険だ、と言われることもありますが、
実際にはどのようなリスクがあるのでしょうか?
室内の状況を確認できない
オーナーチェンジ物件を購入する場合は、すでに入居者がいる状態の物件を購入することになります。
購入したらその月から家賃収入が発生する、というのはオーナーチェンジ物件のメリットでもありますが、
入居中のお部屋はお部屋の中に入って現状を確認することができません。
長く入居している入居者のお部屋が思っていたよりもかなり損耗しており、退去時に莫大な修繕費がかかる、ということもあり得ます。
私の知人のオーナーさんは、オーナーチェンジ物件として購入した物件で、先日20年以上入居されていた方に夜逃げをされてしまった、というお話をされていました。
この物件は購入されて数年程度だと思いますので、前オーナーの時から入居されていた方だと思うのですが、
この入居者がお部屋をゴミ屋敷にしたまま夜逃げしてしまったそうで、その修繕費に160万円ほどかかってしまう、というお話だったんですよね。
もちろん20年も入居していたら原状回復にはそれなりの金額がかかることが予想されますが、このお部屋は1Kのお部屋で160万円の原状回復費用です。
長く入居している入居者さんのお部屋がどのようになっているか、ということが見られないのはオーナーチェンジ物件の危険なところだな、とは思いました。
満室の場合は全てのお部屋が見られないことになりますが、
空室が一部屋でもあるのであれば、どんなお部屋なのか、しっかり現地で確認した方がいいと思います。
また、レントロールと言われる、どの入居者がどれくらい入居しているのか、どんな属性の人なのか、といったことが分かる一覧表のようなものがありますので、これも必ず物件購入前にチェックしておきたいところです。
関連記事:不動産を購入する時に注目したい、レントロールとは?
契約内容をそのまま引き継ぐことになる
オーナーチェンジ物件では、前オーナーと入居者の間で交わされた契約を引き継ぐことになります。
- 家賃
- 契約期間
- 契約をする上で守ってもらう規約
といったことは全て前オーナーと入居者の間で交わした賃貸借契約に盛り込まれており、それをそのまま引き継ぐので、
家賃設定や内容を変更する場合は、入居者の同意を得た上で再契約ということになります。
基本的には入居者は契約内容を変えたくない、という方が多いですから、
賃貸借契約についてもどのような内容になっているのか、購入時に確認した方が良いでしょう。
特に原状回復に関するトラブルはとても多いので、敷金の取り扱いや原状回復について定めた特例がないかといったところは確認しておいた方がいいと思います。
関連記事:大家が理解しておきたい賃貸借契約書の内容
入居が嘘の場合もある
物件を売却する時は、入居率が高い方が物件も高く売れる傾向にあります。
そのため、親戚などや知人などをわざと入居させて(あるいは入居しているように見せかけて)物件を売却する、ということもあります。
こういった場合は、物件を購入した後に退去が続き、思ったような利回りをあげられない、ということになります。
先述したレントロールをしっかり見る、というのはこういう意味でも重要なことですね。
直近で入居がたくさんあるような物件は怪しいと思った方がいいと思います。
また、法人の名前でいくつも契約がある、みたいなこともありますが、この場合はどういう契約になっているのか、きちんと確認した方が良いでしょう。
法人の社宅として契約をしている場合もあります。
入居者に問題があることもある
先述したような夜逃げしてしまう人がいたり、
騒音トラブルなどを起こしてしまう入居者がいたり、といったこともあります。
入居者についてはトラブルなどは抱えていないか、ということも改めて確認しておいた方が良いでしょう。
物件を購入してみたら入居者に問題のある人がいた、となっても、
なかなか日本の法律ではオーナーの一存で入居者を追い出すということはできません。
現地調査に行った時に、お部屋のベランダや扉周り、郵便受けなどを確認することでチェックすることもできます。
そういえば最近私は、物件を見に行ったらお部屋の扉横のスペースで猫を飼っていた入居者を発見したことがありました笑
しかもちょうど入居者さんが出入りするところで、それを見てしまったような感じです。
もちろんその時には何も言いませんでしたが、あとからしっかりと管理会社さんを通じて注意をしていただきました。
関連記事:ペット不可の物件で内緒で飼っていた!?原状回復費用はどうなる?
オーナーチェンジ物件を購入する時に確認するべきこと
今回はオーナーチェンジ物件を購入する時のリスクについてまとめてみましたが、中古物件は利回りも良いですし、すぐに家賃収入が発生するので、きちんと調査をして購入するなら良いのではないかなと思っています。
- 現地にはしっかり物件を見に行くこと
- レントロールを確認する
- 賃貸借契約書について確認する
このあたりを確認した上で、
良い立地の、高い利回りが期待できそうな物件を購入すれば、間違いはないと思います。
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