会社員として普段働いている方が不動産投資をして家賃収入を得たいと考えた時に、色々な観点から見て妻名義で家賃収入を得るのはどうだろうと考える人もいると思います。
今回は妻名義で家賃収入を得る場合のメリットとその注意点について解説していきたいと思います。
妻名義で家賃収入を得るのは可能?
まず妻名義で家賃収入を得ることは可能なのかという問題ですが、これは不動産自体を妻名義で購入すれば大丈夫です。
ただし不動産を購入する場合は銀行の融資を受けなくてはいけないケースが大半だと思います。
こちらも妻が専業主婦で収入が無いもしくは収入はほとんどない場合は不安だと思いますが、夫の属性や条件などによって融資を受けることも可能です。
基本的には家計の収入が安定していれば融資も受けられないことはないです。
ただし収入が少ない妻が借金を背負うというような形にはなってしまうので、きちんと奥様の理解を得ること。
さらに奥様にも不動産投資に関する知識を身につけてもらう必要があるかと思います。
そういった話し合いを夫婦できちんとできるような関係性でないと、不動産関係のことで揉めてしまうこともありますので注意が必要です。
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妻名義で家賃収入を得るメリット
副業禁止規定を避けられる
多くのサラリーマンの方が会社の副業禁止規定に悩まされているのではないでしょうか。
妻名義で家賃収入を得ることができれば会社への報告は不要ですので副業禁止規定を避けることができます。
サラリーマンで不動産投資を始めたいという方は妻名義で行うというのが一番の抜け道になるでしょう。
節税対策になる
所得が多ければ多いほどそれにかかってくる税金も多くなります。
なので所得は夫婦で分けた方が税金の金額を減らしていけるのです。
妻の収入が低ければ低いほど節税効果があると言えるでしょう。
既にある程度収入があるサラリーマンの夫の所得に家賃収入を加えるよりも、所得が低い妻に家賃収入があるような形にするのが一番節税効果があるのです。
ただし家賃収入の所得の申告は、その不動産の所有者が行わなくてはいけませんので、不動産の購入から妻名義で行うようにしましょう。
名義を変更する場合は夫婦間であっても贈与とみなされて贈与税が発生したりすることもありますので、基本的には途中から名義変更することはできないと考えてください。
また節税効果が本当にあるのかどうかということは家計の状況によって変わる場合がありますし、妻が扶養控除から外れるなどのデメリットもありますので、専門の税理士などに相談した上で決めたほうが良いです。
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ローンが低金利になるケースがある
今日の日本では女性起業家を支援する制度があったり助成金なども整備されています。
そのためこういった制度を使うことによって不動産を購入したりすることができる場合があります。
例えば日本政策金融公庫では「女性、若者/シニア起業家支援資金」という融資があるのです。
こういったものを利用すれば通常の融資を受けるよりも低金利でローンを組むことができる可能性があります。
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妻名義でローンを通す方法
収入がないもしくは少ない妻の名義でローンを通すにはどうしたらよいのでしょうか。
まずは連帯保証人に夫がなってローンを組むというのが一番の解決方法です。
夫の収入が安定していれば、連帯保証人として夫が入ることによって妻が自己破産したとしても回収は可能だと判断され融資がおりる可能性が上がります。
そのためには夫側の安定した収入があることが大事です。
また、借入金が少なめになるような小さめの物件を最初は選ぶという方法も良いでしょう。
基本的に不動産投資というのはずっと同じ物件で行うのではなく、物件を購入してある程度運用したら売却をし、その売却で出た利益でさらに規模の大きい物件を購入するという方法でどんどん規模を大きくしていきます。
ローン審査が不安な場合は、最初は小さな物件から始めるというのがおすすめです。
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妻名義で家賃収入を得る場合の注意点
ローンを組めない場合がある
どうしても妻名義ではローンを組めないという可能性もあります。
そういった場合は自己資金を貯めてから不動産投資を始めるしかありません。
妻名義で確定申告が必要になることがある
項目はそう多くはないのですが家賃収入が端にある場合は妻名義で確定申告が必要になってくる場合があります。
ある程度利益が出ているのであれば確定申告だけ税理士などの専門家に任せるという手もあります。
とはいえ不動産投資をするのにあたって全く自分の収支を把握していないのは問題ですから、数字を見るということは大切にしなくてはいけません。
途中で名義は変更できない
先述の通り途中で不動産の名義変更をすることはできません。
名義を変更する場合は贈与税がかかってきます。
不動産は資産ですので中長期的な目線で判断をしていかなくてはいけません。
夫の意思で妻名義での家賃収入を得ることを決めてしまうと、後々トラブルになりかねませんので、夫も妻も納得した形で進めていけるようにしましょう。
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節税目的な法人化という選択肢も
節税をすることを目的に妻名義で家賃収入を得る、という方法を検討している方は
法人化も一度検討してみると良いかと思います。
個人の場合と比べて法人だと経費として計上できるものも多いですし、税率も個人の所得税率とは異なります。
ある程度の所得レベルまで達している場合は法人化した方が節税効果が高い場合があります。
ただしこのボーダーラインは家系によっても異なりますので、特に不動産投資に強い税理士などに相談するのが一番良いかと思います。