新築マンションの販売住戸の中に「事業協力者住戸」と呼ばれる一般には販売されない住戸があります。
物件概要などで「事業協力者住戸」という言葉を目にしたことがある人もいるかと思います。
この事業協力者住戸とはどういった住戸のことを指すのでしょうか?
事業協力者住戸とは
新築の分譲マンションの場合、
- 分譲住戸
- 非分譲住戸
の2種類の住戸があることがあります。
非分譲住戸というのは一般には売り出されない住戸のことですね。
この非分譲住戸とは何かというと、売主である不動産会社が賃貸住宅として貸し出し、活用する住戸だったり
元々その土地に住んでいたオーナーが土地を提供してマンションを建てた場合、そのオーナーが土地の変わりに一部住戸を所有するという場合があります。
もともと土地を持っていた人が土地を提供してマンションの一部を所有する方法は等価交換方式とも呼ばれます。
土地を持っていたオーナーだけでなく、その土地に住んでいた地権者だった場合はマンションの住戸をもらうことができて、これを地権者住戸と呼びます。
これらと別に存在しているのが事業協力者住戸です。
これは地権者住戸とは違うもので、地権者住戸と同じような扱いになっていますが、詳しく言えば「マンションを分譲する事業に協力をしてくれた人たち」になります。
マンションを建てることで、住んでいた戸建てが日陰になってしまう、だとか、駅までの徒歩分数が変わってしまう、といった人たち、
という体裁になっています。
でも実際はそういった人たちは少なくて
蓋を開けると事業協力者住戸というのは「お得意様」なんですよね。
不動産会社との繋がりが深いオーナーなどです。
不動産会社と繋がりが深いオーナーはやはり不動産会社も取引がしやすいのです。
物件を購入するという意識も高いですし、信頼があるオーナーであればトラブルも少ないでしょう。
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事業協力者はどんな得がある?
基本的に事業協力者住戸と言っても、一般的に売り出される住戸に比べて価格が安くなる、というようなことではなく
単純に一般に販売する住戸は抽選にするけれど、事業協力者の場合は優先的に購入することができるようにしますよ、という場合が多いです。
代金としては一般で抽選に当選して購入する人と同じ金額で住戸を購入するので
不動産会社としては痛手があるようなものではありません。
とはいえ、やはり「お得意様」というのを対外的に触れ回るのは都合が悪いのか、
事業協力者というのは地権者だと思われていることが多いです。
事業協力者になるには?
事業協力者住戸が設けられるようなマンションは都心で立地が良い高額のマンションです。
中古の場合でもそういったコミュニティが存在していて、一般的には販売されない、というようなマンションもあります。
そういったマンションであれば一般に売り出さなくてもあっという間にマンションを売却することができる、というわけですから資産価値は高いですよね。
この事業協力者になるためにはどうしたらいいのか、というと、やはり物件をたくさん購入して不動産会社との付き合いを深くする、という方法になります。
古い感じがしてしまうかもしれませんが、不動産業界というのはお得意様をとても大事にする業界ですし、
人と人の繋がりがとても重要視されます。
不労所得、なんて言われ方をすることがありますが
人間的な付き合いをきちんとすることができる人じゃないと不動産投資をうまくやっていくことはできないのではないかな、と不動産のことを学べば学ぶほど思いますね。
結局不動産を管理しているのも人ですからね。
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事業協力者住戸があるマンションは狙い目?
事業協力者住戸があるマンションは、まずその事業協力者住戸の数に注目してみましょう。
数が少ない場合は、一般的に言われる「事業に協力してくれる人」が該当することもあります。
逆に「お得意様」が多く含まれていそうなマンションの場合は一般販売も抽選になる場合が多く、
資産価値が高いマンションだと言えるでしょう。
その場合は将来売却することになっても売却しやすいマンションになる可能性が高いです。
もちろん価格も高いものが多いでしょうから、利回りが良い物件ではないかもしれませんが、
立地の良い高級マンションであれば、大きく価格が下落する可能性も低いですし、資産として持っておくには良い物件なのではないかな、と思うんですね。
とはいえ、新築マンションの場合は必ず「新築価格」が上乗せされています。
日本は住戸が余っているのにもかかわらず、いつまでも新築信仰がある国でもありますからね。
新築価格のことを踏まえた上で、それでも資産として持っておくのに良いと思えるマンションなのであれば、抽選を狙ってみるのも良いかもしれません。
また、付き合いがある不動産会社に事業協力者住戸について話を聞いてみて、アピールをしていくのも良いと思います。