不動産投資においてオーナーがずっと気にし続けなくてはいけないのが入居率でしょう。
入居率については「入居付け」の方を多くのオーナーが考えると思いますが、それと同時に、すでに入居してくれている人にどれだけ長く住んでもらえるか、ということに力を入れることも大切だと思います。
お金が収入を増やすことが大切なのと同時に支出を減らすことも大事なのと似ていますね。
学生向け物件なんかは、どうしてもキャンパスの移動や卒業などがあってなかなか難しい部分はあると思いますが、単身者やファミリー向け物件でどのような施策ができるか、ということをまとめてみました。
入居者が長く住んでくれることのメリット
まずは入居者が長く住んでくれることでどのようなメリットがあるのか、ということを整理しておきたいと思います。
空室期間が出ないことで家賃収入が安定する
入居者が長く住んでくれれば、それだけ空室期間が出なくなりますので家賃収入が安定するというメリットがあるでしょう。
空室があることでオーナーのメンタル的にも安定する部分はあると思います。
空室がずっと続いていると焦ってしまうものですよね。
融資を引いて不動産投資を行なっている場合は、ローンの返済もしやすいでしょう。
空室がずっと続くことで、自分の手元のお金からローン返済を行わなくてはいけない、ということもありますからね。
原状回復の回数が少なくて済む
入退去が繰り返しあると、それだけ原状回復の回数も多くなりますので、支出がかさばってしまいます。
もちろん長く住んでもらうことで経年劣化が進んでしまい、原状回復にかなり費用がかかることもあります。
それでも、短期間に何度も入退去が繰り返されるよりは良いでしょう。
関連記事:原状回復のチェックシート!入居者に請求できるのはどこまで?
トラブルの可能性が低くなる
それぞれの入居者が長く住んでくれれば、入居者同士が顔見知りになり、変なトラブルが起きにくくなるというメリットもあります。
逆に入居者の出入りが激しいと、トラブルが解決したと思ったら今度は別のトラブル…ともなりかねません。
治安の維持のためにも、入居者には長く住んでもらった方が良いと言えるでしょう。
関連記事:入居者とのトラブルを防ぐためにオーナーがやるべきこと
長く入居してもらうためにできること
では、入居者に長く住んでもらうためにはどのようなことができるのでしょうか?
入居審査をしっかり行う
そもそも入居する時に、長く住んで欲しいと思える人に住んでもらう、ということを前提にするのも入居期間を長くするために必要なことでしょう。
入居審査段階では入居付けを行なってくれている管理会社の担当の方から電話で連絡が入り「こういう人が来てるんですがどうしますか…」という相談を受けることもあります。
入居希望段階で「なんか変だな?」と思ったら直接電話をくれることが多いんですよね。
それで話を聞いてみて「確かにちょっとおかしいな…」と思ったら入居NGとすることもあります。この見極めも大切なのではないかなと思います。
名義人ではない人が内見に来ていたり、よくわからない続柄の人が付き添いに来ていたり…ということがよくありますね。
あと、生活保護受給者の方なんかは心配されることが多いのですが、保証会社をきちんと通していれば意外とトラブルは少ないように思います。
引っ越しをするよりも定住した方が都合が良いという方が多いので、逆に安心感があるのではないかなと思っています。
関連記事:アパート経営における生活保護受給者の入居の際の注意と戦略
トラブルになるべく早く対応する
全てのトラブルに対応するべきとは言えないので、このバランスは難しいところではあるのですが、トラブルがあったらすぐに対応するようにすることも長く入居してもらうためには大切なことです。
中には「言えばなんでもしてくれる」と思ってなんでもかんでもクレームをつけてくる入居者もいるので、全てにきちんと対応しなくてはいけないわけではありません。
ただ、リアクションは早い方がいいです。
修繕をしなくてもお返事は早くすること。これが一番大切なのではないかと思います。
関連記事:入居後のクレームでありがちなもの、不動産オーナーあるある
管理会社との付き合いも大切
日々色々な管理会社の方とお付き合いをしていると、管理会社の方とどのような付き合い方をするかということが不動産投資では重要だな、と感じることが多いです。
やはり管理会社さんにも「あのオーナーは付き合いやすいけど、あのオーナーはやる気がない」みたいな感覚はあるんですよね。これはもう人と人ですから仕方がないことだと思います。
だからこそ、日々細やかに連絡を取り合って、上手にお付き合いをすることが大切だと思います。
お金を払って管理をお願いしているのだからやってくれて当たり前、ではありません。
自分にできないことを代わりにやってくれるわけですから、感謝の気持ちを忘れず、良いビジネスパートナーとしてお付き合いしていきましょう。
関連記事:不動産オーナーの管理会社との付き合い方