売買知識

不動産買付証明書とは?売買時に知っておきたい基礎知識

不動産の購入を希望する時に、売主に買付証明書という書類を提出します。

この買付証明書には法的な拘束力はありません。

ただ「この不動産を購入したいと思っています!」という意思を示すために、不動産売買取引ではとても重要な書類です。

今回はこの買付証明書について、どんなものなのか、何が書かれているのか、

買付証明書を書く時の注意点などを解説していきたいと思います。

買付証明書には何を書く?

買付証明書は「〇〇円でこの物件を購入したいです」という意思表示のために提出します。

買受証明書や購入申込書といった呼ばれ方おすることもあります。

ほとんどの場合は、不動産仲介業者さんの方でフォーマットがあり、業者の方で用意して送って下さることが多いです。

買付証明書の中に記載する事項としては、

  • 購入希望金額…売り出し価格のままでも良いですし、それよりも低い金額で指値をしてもOKです。
  • 物件情報…所在地や家屋番号、構造、面積など
  • 手付金、中間金…手付金は通常物件価格の5%〜10%
  • 残代金…購入希望金額から手付金と中間金を差し引いた金額
  • 有効期間…1週間〜2週間が一般的
  • 買主情報…年収や自己資金などを記入し、物件購入能力をアピールします
  • その他条件…融資が通らなかった場合に購入希望を取り下げ、手付金などを変換してもらう旨を書いた融資特約などを記載しておきます

購入希望価格に関して、指値はラフにして大丈夫です。

あまりにも売り出し価格とかけ離れている指値は難しいですが、そこは仲介業者さんと、どれくらいの指値なら通りそうか相談してみるといいでしょう。

私も必ず指値をする、というわけではなく、他に買付を入れる人がどれくらいいそうか、ということも考えます。

売り出し価格が本当にお得だと思える物件に関しては指値はせずに売り出し価格のままで買付を入れることもありますね。

関連記事:不動産の指値、目安は?根拠のある数字を提示しよう

買付=買うことの約束、ではない

買付証明書を提出したら、その不動産を買わなくちゃいけなくなるんだろうか…と思ってしまって二の足を踏んでしまう人もいるでしょう。

買付証明書は申込書とは異なり、法的拘束力がある書類ではありません。

そのため、提出したら購入が決定するもの、というわけでもありません。

ただし、ある程度話が進んだ後に不合理な理由で契約が無しになった場合は、

購入希望者・売却希望者ともに損害賠償を請求できる可能性がありますので、しっかりと購入を検討している物件に買付を入れるようにしてください。

自己都合でキャンセルをすると、不動産仲介業者からの印象も悪くなり、今後良い物件を紹介してもらえなくなる可能性があります。

関連記事:川上物件とは?なるべく良い不動産を見つける方法

買付証明書はどういうタイミングで提出するの?

一般的に買付証明書を提出するタイミングとしては物件の内覧後が多いです。

実際に物件を見てみて、やはりこの物件を購入したい!と思ったら買付証明書を提出する、という感じですね。

実際に物件をみに行くというのはとても大切で、

今はネット上でも色々な情報を見ることができるようにはなりましたが、ネット上で見ていた分には印象が良かったけど、実際に見に行ってみたらイマイチな物件だった、ということもよくあります。

少し前に区分マンションを購入しようと思って物件を見に行ったことがありましたが、

ごみ収集所のあたりがかなり汚かったのと、ネット上ではわからなかった大きなクラックが建物に入っていました。

ごみ収集所が汚いということは管理が行き届いていないということですし、大きなクラックが入っていた部分は特に説明はなかったものの、そもそも建物が傾いているように感じられました。

傾きのある収益物件、買って大丈夫? 傾きのある物件を実際に所有しているのですが、 管理会社の方が内見のご案内でその物件に行ってくださった時に「あそこの傾きはやばいで...

たまに現地に行かないままに物件を購入される方がいらっしゃいますが、できるだけ物件は現地に見に行った方が良いと思います。

関連記事:収益物件の現地調査に行く時の持ち物を紹介します

売主は提出された買付証明書の中から実際に売る人を決める

ほとんどの場合、売主は提出された買付証明書を見て、その中から実際に売る人を決めます。

人気の物件の場合は買付証明書が複数来るわけですが、

基本は先着順ではあるものの、内容によっては順番が優先されないことももちろんあります。

これは売主が売りたいと思う人に物件を売る権利がありますから仕方ないことですね。

売り出し価格のままで購入してくれる人がいれば、指値をしてきている人よりもそちらに売りたいと思うでしょうし、

現金化を急いでいる場合は、融資特約があるものよりも、現金で一括購入してくれる人の方が良い、となるでしょう。

人気がありそうな物件はそういったところが勝負どころになってきますが、

これはもうご縁ですので、あまり条件は妥協しすぎない方が良いと個人的には思っています。

自分が歩み寄れる条件で買付証明書を提出し、それで上手く進まなかった場合は、その物件にはご縁がなかったんだと思って、次の物件探しに切り替えて行く方が良いと思います。

関連記事:不動産投資用の物件探し、どんな方法でやってる?

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