アパート経営をおこなっていく際に、手取り収入はどれくらいになるのか、ということは
物件を購入する前にある程度イメージしておきたいものですよね。
それによって利回りの計算の仕方もだいぶ変わってくると思います。
ほとんどの物件情報に書いてある利回りは表面利回りですから、
それを鵜呑みにしてしまうと良いアパート経営はできません。
実際にアパート経営にどのような支出があるのか、
手取り収入を具体的にイメージするためにも解説していきたいと思います。
アパート経営にかかってくる経費
アパート経営にかかってくる経費の部分をまずは整理していきましょう。
税金も経費に含めることができるのですが、
税金は次の章に分けて書いていきたいと思います。
管理費
アパート経営は自主管理でも行うことができますが
- 自分が住んでいるところから離れているところにアパートがある場合
- アパートを複数棟所有している場合
などの場合は、管理会社に管理を依頼した方が良いでしょう。
たまに自主管理でアパート経営をおこなっているオーナーもいますが
基本的にはそのアパートの一室に自分が住んでいる、というようなレベルでないと
管理をしていくのは難しいと考えた方が良いでしょう。
雪が降った時にアパートまで雪かきしに行く、とか大変ですからね。
管理手数料は
賃料×5%
くらいが平均です。
不動産管理会社によってばらつきはありますが、
手数料率が低い管理会社が必ずしも良い、というわけではなく
手数料率が低い管理会社では、共用部の清掃は別料金、など別途手数料などの設定をしているところもあります。
仲介手数料
アパートに入居が決まった際に、入居付けをしてくれた不動産会社に支払う手数料が仲介手数料です。
借主が仲介手数料を払う場合もあり、
借主が払う分とオーナーが払う分であわせて賃料100%が上限となっていますが
広告料などの名目で別途手数料を設定している不動産会社もあります。
修繕費
築古物件などを扱う時は特に修繕費はしっかりと計算に入れておきたい項目ですよね。
水回りのトラブルなどが特に多く、
入居者の故意過失によって損壊があった場合以外は、住戸に住むための設備を整えるのはオーナーの義務になりますので
一度に大きな修繕費用がかかってきてしまうケースもあります。
そのようなケースに備えて、保険などもしっかり選定し加入しておくことが大切でしょう。
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保険料
適切な保険に入っておくことによって、不測の事態に対処しやすくなります。
- 火災保険
- 地震保険
といった保険がメインで、特に火災保険に関しては
名前は火災と入っていますが火災以外の
- 台風・強風
- 水災・水漏れ
- 汚染
- 盗難
といったような内容もカバーできるものがありますので、
内容をきちんと把握した上で加入しておいた方が良いでしょう。
関連記事:火災保険の焼け太りって何?実際にあるの?
アパートを所有することにかかる税金
ではアパート経営をする際にかかってくる税金について解説していきましょう。
不動産取得税
不動産取得税は不動産を取得した時に一度きりかかってくる税金です。
基本的に
固定資産税評価額×4%
が不動産取得税としてかかってきますが、土地および宅地に関しては2021年3月31日まで標準税率が3%に下がっています。
関連記事:不動産取得税ってどんなもの?確定申告方法はどうする?
印紙税
不動産の売買契約書を結ぶ時や住宅ローンの契約書を交わす時に
契約書にかかってくる税金として印紙税というものがあります。
契約内容の金額によってかかってくる印紙税の金額が変わります。
契約書に収入印紙を貼り付けて納税します。
登録免許税
土地や建物に関する登記を行う時にかかってくるのが登録免許税というものです。
不動産の所有権に関わる登記の場合は
固定資産税評価額に所定の税率をかけたものが登録免許税としてかかってきます。
- 税額(土地・建物の場合)=固定資産税評価額(課税標準※)×所定の税率
- 税額(抵当権の場合)=債権額(課税標準※)×所定の税率
※課税標準:課税標準とは、税額算出の直接の対象となる金額や数量をいいます。
固定資産税
固定資産税はアパート経営をしていなくても、
資産となる不動産を持っていれば毎年かかってくる税金です。
地方自治体が評価した評価額に1.4%をかけた金額を固定資産税として毎年納めなくてはいけません。
所得税
所得金額に応じて所得税を払う義務があります。
不動産収入以外にも収入がある場合はそれも全て合わせたところから経費を引き、
そこにかかってくる所得税を納めます。
経費にできるものはしっかりと経費として計上してなるべく支払う所得税が低くなるようにしていきましょう。
このようにアパート経営では多くの支出がありますので
アパート経営による手取りを計算するにもかなり複雑な計算となってきます。
ただ、投資を検討している段階ではどれくらいの手取りが見込めるのか、ということはなるべく具体的にイメージしておかなくてはいけないですから
どんな支出があるのかということもしっかりと学んでおきましょう。