地方の築古アパートを中心に、戸建てや都内の区分マンションなどに投資をしています。
投資歴は10年を超えました。
不動産投資のことを考える時に重要になってくる考え方の一つに空室率というのものがあります。
読んで字の如く空室の割合という意味ですが、物件の購入前から空室率のことについてはいろいろと考えなくてはいけません。
今回はこの「空室率」について、詳しく解説してみたいと思います。
空室率とは
空室率とは物件全体の部屋吸うに対して、入居者が入っていない部屋(空室)が占める割合のことを言います。
空室率が高い物件は空室が多い物件です。
つまり不動産投資をする時に目指すべきは空室率の低い物件です。
空室率とは逆に、入居者が入っている割合を指す言葉は入居率です。
ちなみに年間など長期的な目線で入居率を考える場合は入居稼働率という言葉を使います。
紛らわしいですが、厳密に言うと入居率と入居稼働率は違うんですね。
空室率はさまざまな要因によって変動します。
物件の立地はもちろんですが、たとえば地域環境の変化などでも大きく変動するものです。
私の所有している物件で言うと、誰もが知る大企業の工場の近くに持っていたアパートがあったのですが、
この工場がなくなるということで、「これは空室率が大きく上がってしまうかもしれない…!」と危機感を覚えました。
結局この工場はなくなってしまったのですが、その後その跡地に大きな商業施設が建設されることがつい最近発表されました。
このおかげで需要がぐんと伸びると思います。
このように周辺環境の変化によって需給が上下することがあります。
大切なのは、「その土地に需要があるかどうか」ということを常に考える、ということでしょう。
結局工場はなくなってしまいましたが、そもそもこの土地は需要はなくならない土地だろうと思って購入した土地でした。
大きな商業施設も、需要が見込める土地だから建設されることが決まったのだろうと考えると、自分の見通しは間違っていなかったのだな、と思います。
物件規模によって異なる空室率の考え方
物件の規模によって空室率は大きく考え方が異なります。
たとえば区分マンションの場合。
区分だとお部屋が一つになりますので、入居者が決まれば空室率は0%。
退去となってしまえば空室率100%です。
それに対して10戸あるアパートは、たとえば3室空室があれば空室率30%、というように中間の数字が発生しやすいですね。
このように物件規模によって空室率のイメージは異なります。
できれば年間空室稼働率で考えて、理想とする数字を自分で決めていきたいところですね。
レントロールを研究する
物件購入前はレントロールと呼ばれる、現在入居中の方がどんな属性で、どれくらいの期間入居しているのか、家賃設定はいくらなのか、といったことが分かる一覧表のようなものを取り寄せることになると思います。
いただいた資料の中にレントロールが含まれていない場合は「レントロールもください」、とオーダーしましょう。
これを見ると、
- どんな人が物件のメインターゲット層なのか
- 平均でどれくらいの年数住んでもらえるのか
- 家賃設定はどのように推移しているのか
といったことを読み取ることができます。
たとえば大学が近い物件だと大学生がメインターゲットになりますので、
平均居住年数は1年〜4年の間におさまっていることが多いでしょう。
逆にファミリータイプの物件だったりすると平均居住年数はもう少し長くなります。
これらの情報から、「この物件の平均空室率はどれくらいなのか?」「どれくらいの空室率を目指せばいいのか?」ということを考えます。
もちろん投資をするのであれば目指すべきは満室経営です。
ですが、都心の立地がものすごく良い物件だったり、需要が常に絶えずあるようなエリアの物件ではない限りは、満室経営というのはなかなか難しいです。ほぼあり得ない、くらいに思っても良いでしょう。
そういった物件は利回りはどうしても低くなりますしね…
目安としては地方アパートの場合は、空室が2〜3割に抑えられたら良い方だと思います。
ただこの目安は区分なのか一棟ものなのか、築浅なのか築古なのか、物件の条件によっても変わりますね。
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物件を購入する前にシミュレーションを
物件を購入する前に「この物件の空室率はどれくらいに抑えられるか」ということをレントロールや物件情報などを見て考えてみると良いです。
そしてその上で、実質利回りを改めて計算してみます。
物件情報に書かれている利回りというのはあくまで満室経営できた場合の利回りですから、
「一番うまく行った場合の利回り」に過ぎません。
空室率を仮定してシミュレーションし直してみると、その物件が本当にお買い得なのか、ということも考えやすくなると思います。
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