不動産投資でアパートなどを持っているとお部屋の電気のアンペアを変更した方が良いのかという問題に遭遇することがあると思います。
アンペアブレーカーの変更は地域の電力会社に依頼するのが一般的です。
今回はこの電気アンペア変更について解説してみたいと思います。
入居者に合わせてアンペア数の変更が必要になる場合がある
アパートの電気は配電盤にあるアンペアブレーカー数を確認すればアンペア数を知ることができます。
一人暮らしであれば30Aというアンペアブレーカーで十分なのですが、二人暮らし以上になる場合は使い方によって20A〜50Aほどの差が出ます。
電力会社によってはアンペア契約数により基本料金が変わりますので、電気料金を節約するために少量契約をしているという世帯もあります。
アンペア契約数によって基本料金が変わる例としては東京電力や中部電力といったところです。これに対して関西電力の場合は最低料金制になっていますのでアンペアブレーカーが大きいままになっていることが多いですね。
このようにアンペアブレーカーの数値には地域差もあるということです。
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最大変更可能アンペア数は決まっている
屋内のアンペアブレーカーとアパート全体のデッキ配線量に応じて各部屋の最大変更可能アンペア数というものは決まっているものです。
そのためアンペア変更工事をしたくても変更ができないという場合もありますので注意が必要です。
最大変更可能アンペア数が室内配電盤のところに書いてある場合もあります。
大きく分けると30Aと60Aの2種類ですね。
単相2線式と呼ばれる日本の電気配線だと最大30Aまでしか変更ができません。
それに対して単相3線式なら30アンペアを2系統取れるので最大60Aまで室内ブレーカーが対応しています。
単相2線式から単相3線式への変更もできますが費用としては14万円から20万円程度、これをわざわざ負担してオーナーがやるということはなかなかないです。
現在の最大アンペア数に合わせてアンペア変更工事を行うのであればこちらは無料で行なってくれる場合が多いです。
最大アンペア数の範囲内でアンペアの変更する場合はリミッターと呼ばれるアンペアブレーカー(電力制限機)を交換するだけになりますので、立会いは必要ですが10分程度で終わるものになります。
ちなみにスマートメーターの場合は電力会社が遠隔操作にてアンペア変更を行うことができますので契約アンペア数を変更する際に工事が必要ない場合もあります。
基本料金は変わってしまうので一長一短という感じですね。
また一度変更したアンペア数は1年間戻せないという電力会社が多いので、アンペア数変更無料で出来ると言っても注意は必要です。
一番電気を使うシーズンに合わせないといけないということです。
もちろん電気を使わないシーズンも変更後のアンペア数に合わせた基本料金となってしまいます。
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入居者が勝手にアンペア数を変更してしまった場合
アンペア数は最大アンペアの範囲内であれば簡単に変更することができますので、管理会社やオーナーに黙って入居者が勝手にアンペア数を変更してしまうということもあります。
基本的にこの場合は、退去時にアンペア数は元に戻してもらうというのが鉄則です。
これは現状回復の中に含まれるものだと考えて良いです。
基本料金も変わってしまうものですので、アンペア数を変更したまま次の入居者に渡ってしまうと電気の基本料金が高くなってしまいます。
特に電気をよく使うような寒い地域や暑い地域の場合はこういったところも入居時に見られるポイントにもなりますので、オーナーも気にしておいた方が良いかもしれませんね。
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アンペア数目安
一人暮らし
一人暮らしのアンペア数の目安は20A程度。
しかしこれはかなり最低限に近づけた数字となります。
冷暖房を使いながらドライヤーを使うなどするとアンペアオーバーになってブレーカーが落ちてしまうということもあります。
二人暮らし
二人暮らしで二人が別々の居室でそれぞれエアコンを使ったりするような場合は30Aくらいは必要かなと思います。
20Aでも暮らせなくはないですが電力を消費する時間帯は譲り合いが必要な形にはなりますね。
家族暮らし
家族で暮らすとなると50A以上の契約が必要になる場合があります。
30Aで暮らすことができる家族もいますが居室数や電気の使い方などにもよるでしょう。
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ということで今回はアパートの電気アンペア変更工事についてお話ししてみました。
基本的にはオーナーは入居者から依頼があったら最大アンペアの範囲内であれば変更工事をしてもいいよ、というお返事をするような感じだと思います。