不動産売買をする時に公租公課(こうそこうか)の精算を行いますが、初めて不動産を購入する人からすると
こうそこうか…?何それ、初めて聞いた…
となることが多いと思います。
普段不動産業界とは異なる業界で働かれている場合、公租公課という言葉を聞くのも初めてと言う方は多いでしょう。
私も不動産の勉強をするまでは知らない単語でした笑
今回は売買契約時に行われる公租公課の清算について解説します。
公租公課の取り扱いは法律的な決まりがなく、地域によって扱いが異なるので、混乱してしまう人も多い部分です。
公租公課とは?
まずは公租公課が何を指すものなのか、明確にしておきましょう。
公租公課というのは、国や地方自治体に納めるお金の総称です。
公租と公課に分かれていて、公租は例えば、
- 所得税
- 法人税
- 都道府県民税
など、国税や地方税のこと。
公課は、社会保険料など、公租以外の負担金のことを指します。
不動産売買における公租公課は、
- 固定資産税
- 都市計画税
のことを指します。
固定資産税
固定資産税は、毎年1月1日時点での不動産の所有者に対して課税される税金です。
1月1日時点で不動産を所有していれば、固定資産税を納税する必要があります。
固定資産税は国税ではなく、市町村が課している地方税です。
例えば東京23区内であれば東京都が課している税金なんですね。
いつ支払うかは場所によって異なりますが、
東京都をはじめとして、通常は
- 6月
- 9月
- 12月
- 2月
の年4回に分けて支払うことが多いです。
支払いタイミングは各自治体のホームページなどで確認できますので、所有している不動産の固定資産税については、不動産のあるエリアを管轄する自治体のホームページを見てみましょう。
都市計画税
都市計画区域のうち、市街化区域と呼ばれる区域内になる不動産が対象となる税金です。
固定資産税と同じで毎年1月1日時点で不動産を所有している場合、納税を行う義務が発生します。
都市計画税は固定資産税と合わせて納付します。
不動産売買時に売主と買主で公租公課の清算を行う
先述したように、固定資産税も都市計画税も、1月1日時点での不動産所有者に対して課税されます。(ちなみに1月1日時点で所有している人へ、その年の4月1日から始まる一年の税が課税されるようになっています)
でも不動産の売買契約というのは、色々な日付で行われるわけですから、たいていは1月1日時点では前所有者に納税義務が発生しており、その年の途中で所有者が変わる、ということになりますよね。
そこで、不動産売買では所有者が途中で変わった時に、日割り計算をして、売主と買主で固定資産税・都市計画税を分担して清算するわけです。
関連記事:不動産売買契約時の重要事項説明、注意して聞いておくポイントは?
起算日をもとに清算していく
公租公課は起算日という基準となるにづけをもとに生産していきます。
起算日に決まりはなく、関東では1月1日、関西では4月1日として計算することが多いようです。
ここでは、1月31日に所有権の引き渡しをする場合を例として考えてみましょう。
- 1月31日が引き渡しの場合、1月1日時点での所有者は売主
- 売主は4月1日〜翌年3月31日までの納税通知書が送られてきており、これを納税する
- 前年分も売主が負担しているため。1月31日までの分は前年度分となる
【関東】起算日が1月1日の場合
- 1月1日〜1月30日…売主負担
- 1月31日〜12月31日…買主負担
- ※12月31日以降も買主が所有者であれば負担する
【関西】起算日が4月1日の場合
- 前年4月1〜1月30日…売主負担
- 1月31日〜3月31日…買主負担
少しややこしいのですが、買主が起算日1月1日(主に関東エリア)で取引する場合は、1月1日以前の12月に近い引き渡しほど負担金がすくなくなります。
それに対して買主が起算日4月1日(主に関西エリア)で取引する場合は、4月1日以前の3月に近いほど負担金が少なくなる、ということです。
この負担金の取り決めについては地域によって異なりますので、
売主も買主も同じ地域に住んでいれば良いですが、関西と関東での取引ということも充分ありえます。
そういった場合にどちらに合わせるか、といったことは不動産会社にあらかじめ確認しておいた方が良いでしょう。
税金について学ぼう
不動産の売買をする時に色々な税金がかかってきます。
また税金かかるの!?
と思うほど、本当に〇〇税が多いです笑
思っているよりもこういった税金関連で結構お金がかかるので、物件を購入するためのお金だけを用意するのではなく、多少の余力を持って資金を準備しておくことが大切です。
(購入後も何かあったらやはりある程度資金に余力がないと危ないですしね)
また、税金は納税通知書が思ったよりも後から届いたりします。
不動産取得税なんかは物件を購入してから半年後くらいにくることも。しかも結構高額。
なので、どのような税金がかかるのか、一通り学んでおいた方がよいのではないかな、と思いますね。
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