先日中古の区分マンションを購入しようと思っていくつか物件を見ていました。
良いなと思う物件を見つけたので、すぐに不動産仲介業者さんに連絡をし、内見をしてみました。
「これに決めようかな…」とかなり本気で思っていた物件で、
こちらのマンションの修繕積立金の残高はいくらなんでしょう?
と聞いてみたところ、なんと77万円しかない、ということが発覚しました。
全体で約80戸ほどあるマンションだったので、あまりにも残高が少ないなと思いました。
長期修繕計画書も見せて頂けますか?
取り寄せておきますね!
という流れになりました。
中古マンションを購入するときは、修繕積立金残高の確認と合わせて長期修繕計画書の確認も必ず必要です。
長期修繕計画書とは?何が書いてあるの?
不動産業界では長計(ちょうけい)と略されることもある長期修繕計画書ですが、
エクセルの表で出しただけのものと、グラフのようなものが付いた計画書とあります。
グラフの方が視覚的には分かりやすいので、グラフが付いていると見やすくて助かりますが、マンションによっては表のみの場合もありますね。
不動産の内見に行った時に、その不動産に関わる資料をまとめたものを頂けると思いますので、その中に入っていたりもしますし、
そこに入っていない場合は、今回の私のように仲介業者さんにお願いして取り寄せてもらって見る、ということになると思います。
見ないままに購入、は絶対にしてはいけません。
書いてあるのは、今後のマンションの大規模修繕の計画です。
例えば10年後20年後に修繕積立金がこれくらいの金額になる予定だから、そのお金でここを修繕するつもりですよ〜みたいなことですね。
大規模修繕というのは、
- 外壁塗装
- 屋根の防水工事
- エレベーターの交換
- 給排水ポンプの交換
といった、数百万円〜数千万円かかるような修繕のことです。
区分マンションの場合はそれぞれのお部屋にオーナーがいることになりますが、
外壁や屋根、エレベーターといったものは共用のものになりますので、そういったところの修繕をするために修繕積立金が毎月徴収させるわけですね。
自分が所有しているマンションでも修繕積立金は毎月支払わなくてはいけないものなので「嫌だな」と感じる人もいるかもしれませんが、建物を維持していくためにこれは絶対に必要なものなのです。
大体平米数×200〜300円程度が月の修繕積立金の相場です。
表だけで書かれているものだと難しく感じてしまうかもしれませんが、
一戸あたりの修繕積立金に戸数をかけて、さらに12ヶ月分を計算すれば、年間で集められる修繕積立金をざっくり算出することができます。
10年後にいくら貯まっているか、というのは自分でも計算してみることができますので、それらを計算しながら表を紐解いてみると良いでしょう。
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大規模修繕ができないと不動産の価値が下がる
私が見た物件のように修繕積立金が極端に少ないような物件だと、将来的に大規模修繕ができない、という事態が起こってきます。
そういったことが起こると、外壁は汚いまま印象が悪く、エレベーターも故障したまま放置、水漏れしているお部屋もある…というようなことが次々と発生するわけですね。
しかし修繕積立金が足りていなければそれを修繕することはできない。
そしてどんどんマンションを売ったり、放置する人が出てきて、最終的には人のいない限界マンションになってしまうのです。
こうなってくると資産価値が著しく落ちてしまいます。
せっかくお金をかけて購入したマンションも、その価値が大幅に下がってしまっては、所有しているだけで税金もかかりますし、もったいないです。
価値の落ちないマンションを購入するためにも、長期修繕計画書を確認するというのはとても大切なことなのです。
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修繕積立金残高・修繕履歴・長期修繕計画書を一緒に見よう
- 修繕積立金残高
- 修繕履歴
- 長期修繕計画書
は一緒に並べて見てみましょう。
今回私が検討したマンションのように、修繕積立金残高が少ないマンションでも、修繕履歴を見てみたら直近で大規模修繕をしていた!ということがあります。
直近で修繕をしていたら、それは残高が少なくなっていても仕方がありません。
長期修繕計画書のグラフを見てみても、大規模修繕の予定のところでガクッと残高が減っているのが分かると思います。
逆に直近で大きな修繕をしていないのに残高が少ない、というのは問題ですね。
不動産業者からもらう資料は並行して見ることによって読み解ける情報が多々ありますので、
難しい資料を見るのは大変だと思いますが、根気強く資料を読むようにしましょう。
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