不動産投資にも色々なスタイルがありますが、その中に軍用地投資というものがあります。
私もある程度不動産投資について学んだあとに知ったことで、面白いな〜と思ったので一度しっかり調べてみました。
確かに安定して投資をしたい、と思っている方には軍用地投資というのは魅力的かもしれません。
今回はこの軍用地投資について、紹介してみたいと思います。
軍用地とは?
沖縄で言うと軍用地という言葉も馴染みがあるようですが、
なかなか軍用地というものに馴染みがない人がほとんどでしょう。
軍用地と言って一括りにされていますが、例えば以下のようなものが軍用地に分類されます。
- 米軍専用施設
- 自衛隊施設
- 那覇空港周辺用地
など。
実は沖縄県の総面積の約8%は軍用地。
本島のみで考えると、約15%の面積が米軍専用施設となっています。
かなりの土地が軍用地であることがわかりますよね。
実はもともと個人が所有している土地を国が強制的に借りて、
その上で米軍基地などに提供している、というのが軍用地の中身です。
日本の場合は「これは国の土地だー!」と言って国に強制的に奪われてしまうわけではなく、
きちんと土地の所有者に国が借地料を支払っています。
なんと沖縄県全体で考えると、地主に支払われている軍用地料は年間900億円以上。
軍用地にも多くの金額が投じられているということがわかりますね。
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借地料はどのようにして決まる?
さて、では軍用地の借地料はどれほどのものなのでしょうか?
軍用地の借地料は毎年国の防衛施設局と沖縄県軍用地主連合会とで協議が行われ、
これによって翌年分の借地料を決めています。
通常は借地料の支払いは年に2回で、主に7月中旬以降〜8月頃に年間の借地料が支払われ、
値上がりした分が翌年の2〜3月頃に振り込まれます。
実は軍用地の賃料収入は年間に1%ほど上昇しており、
今後も上がり続けるという保証はないのですが、土地が返還される可能性が低い、つまり長期にわたって借地料を得られる、という考えで土地の人気が高く、倍率も高くなっています。
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軍用地の販売価格
軍用地の販売価格は通常の土地のような坪単価×面積といった考え方ではなく、
【年間借地料(土地面積×借地料単価)×倍率】
という決まり方をします。
例えば
- 1㎡あたりの年間借地料単価が1,500円
- 広さが200㎡
- 倍率が50倍
の場合は、1500万円ということになります。
ここでいう倍率というのは土地の需要によって変動します。
土地が返還される可能性が低いと人気が高く、倍率も高くなっていきます。
また、返還予定地だとしても、跡地で何かしらの利用が計画されており、地価の上昇が期待できる土地に関してはやはり倍率が高くなる傾向があります。
土地によっては倍率が60倍を超えたりすることもあります。
軍用地の利回り
軍用地の利回りに関しては、大体約2%。
不動産業界で言うとかなり低い方になりますね。
私が地方で所有している中古の木造アパートは大体利回りが20%〜30%ほどありますし、
最近都内で購入した区分マンションも表面ですが8〜9%ほど利回りがありました。
そう考えると、軍用地投資は利回りはかなり低いです。
関連記事:収益物件の利回りとは?どんな風に計算すればいいの?
軍用地投資、どういう人が向いている?
利回りが約2%とかなり低いことを考えると、融資を受けて投資をする、というのには向いていません。
一応銀行でも軍用地ローンという商品がありますが、金利を考えたらまったく利益が出ないでしょう。それどころかマイナスになる可能性すらあります。
そう考えると、融資ではなく自己資金投資というのがメインになります。
自己資金をある程度用意することができて、リスクを抑えて少しでもいいから稼げるといいな、くらいの方が軍用地投資に向いているのではないでしょうか。
ただ、土地が返還されるかもしれない、ということ。
その際に売却しようにも、買い手が見つからないかもしれない、ということを考えると、
リスクが全くないとも言い切れません。
売却する際も急激に値段が上がるということはありませんので、売却益も多くは見込めないと思います。
しっかりと不動産投資をしていきたいという方には向きませんし、
これくらいの利益しか出ないのであれば、株式投資の方がまだ楽かもしれないな、とも思います。
米国のETFなどの方が、何も勉強しなくてもある程度稼げるものが多いでしょう。
不動産投資にも色々な方法がありますが、
そもそもどうして不動産投資を選ぶのか、どんな条件、考え方で自分は不動産投資をしていきたいのか、ということをまずは明確にして、
それに沿って購入する不動産を選んだ方が良いと思います。
よく不労所得と言われる不動産投資ですが、ある程度のことは学ばないと失敗することもあります。
書籍やネットで検索するなどして、最低限の知識は身につけていきましょう。
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